朱に交われば赤くなる(2)

そもそも、なぜ女子ばっかりの学校なのか

読者の疑問は尽きないと思う。
勿論、この学校は共学だ。僕は男装した女子ではなく、れっきとした男子であり、当たり前だが女子校に不法侵入した輩でもない。

##県立%%高等学校。匿名にしたのは、公表すると将来入学希望者がいなくなる危惧があるから。

普通科は数クラスあり、男女半々ぐらい。でも、
僕の通う芸術科だけは、1クラスのみで、女子40人、男子は僕一人。
えっ、うらまやし〜って?
でも現実は違う。

思えば、入学願書出す時、母親に言われったけ。
「あんた、将来働く気あんの?」

確かに、そーだ。芸術科卒では、男子は就職先ゼロに近い。

でも、僕はそれでいいと思っている。フリータでもなんでもいいから、石にかじりついてでも、芸術家になるんだ。
(良い子の皆さんは真似しないようにね)

一口に芸術って言っても、いろんなジャンルがある。

絵画、彫刻、文筆、陶芸、映像、建築、服飾・・・手芸、折り紙、友禅、等々、多種多様に渡る。

そして、最もこの学校の素晴らしい点は、誰もが、例え一人でも、希望さえすれば、その中の特殊講義を一流著名家にマンツーマンで指導を受ける事が出来るのだ。

勿論、成績優秀者に限り、且つ3年生に与えられる特権という条件があるのだが。

僕は、今、正直、自分がどんな芸術に向いているのか、分からない。

でも、僕はどんな芸術でも好きだから、才能を伸ばせると思う。

1.2年生は、いろんな芸術に触れ成績をあげ、3年生で開花させたい。僕の未来は輝いている。

しかし、僕は気付いていなかった。将来の展望を詳しく掲げたにも関わらず、僕の未来はこの学校に入った時点でもう決まっていたのだ。

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