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朱に交われば赤くなる(13)
肖像画(1)
僕はセーラー服姿で、デッサン室の扉のノブに手をかけていた。
男子高生にとっては、決してありえない姿。
俯く度に、襞スカートが目に入る。
この扉の中に一旦入れば、僕は変態の烙印を押され人生の終末に陥るのではないだろうか。
いくら、モデルとはいえ、僕は本職ではない。イメージとは違った僕のセーラー服姿は遠慮なしの本物の女子高生達にはどう写るのだろうか。
とても見られたものじゃないと言われ
朱に交われば赤くなる(3)
先生に呼ばれた僕は
職員室へと向かう。別室で話しましょうと言われ、指導室に入る。
「どう?学校生活には慣れたかしら?」
4月の入学式から数えて、まだ一週間も経っていない。僕は答えた。
「それなりに」
彼女は納得した様に、
「やっぱりね。私、気になっていた事があるの。このクラス、男子はあなた一人よね。正直言っていいのよ。
あなたは入学式後、このクラスに移った後、こう思った筈。
やったー。
朱に交われば赤くなる(2)
そもそも、なぜ女子ばっかりの学校なのか
読者の疑問は尽きないと思う。
勿論、この学校は共学だ。僕は男装した女子ではなく、れっきとした男子であり、当たり前だが女子校に不法侵入した輩でもない。
##県立%%高等学校。匿名にしたのは、公表すると将来入学希望者がいなくなる危惧があるから。
普通科は数クラスあり、男女半々ぐらい。でも、
僕の通う芸術科だけは、1クラスのみで、女子40人、男子は僕一人。