人はなぜ畑を始めるのか
レンタルで畑を始めた。
年をとり、時間ができると畑を始める人が多いが、わたしもその一人になってしまった。
どうして人は畑を始めるのか。
・子供が大きくなり、余った時間がたっぷりある。
・土や植物をさわる楽しさを感じたい。
・太陽の下で身体を動かすことができる。
・何かを育て、成長する姿を見たい。
・新鮮な野菜を収穫できる。
・畑仲間とコミュニケーションがとれる。
こんなところだろうか。
身体を動かすことも紫外線も好きではないわたしは、畑で野菜を育てることはないだろうと思っていた。植物の栽培もサボテンを枯らすほど向いてない。
そもそも昨年の10月までフルで働いていて、そんな余裕は全くなかった。
10月に両親が二人ともICUに入院し、1月に父が亡くなった。
高校の国語教師だった父が、定年後にやっていた畑。山の中で育った父は、家に畑があるのが当たり前だった。畑はそんな父の楽しみの一つだった。
父が亡くなった後、実家の片付けをすると、発酵した生ごみ(堆肥用)が出てきたり、薬のケースに入れられたたくさんの野菜の種が出てきたりした。
近所の畑仲間の方が、父の畑の大根や白菜を子供食堂に寄付してもいいですか、と聞いてきた。父の棺には、天国で野菜の栽培ができますようにと野菜の種も一緒に入れた。
そんなことがいろいろ重なり、わたしはどうしても畑を意識せざるをえなかった。わたしも父と一緒に畑をやってみよう、このぽかんと空いた時間を少し畑に使ってみようと思ったのだ。
近所のレンタル農園は種苗や道具代込みで年間5万4千円。手ぶらで畑へ行って、いちから教わることができる。週に1回程度の共同作業があり、みんなで畑を作り、みんなで同じ作物を植える。自分でやりたい作物を育てる自由はないが、都合で行けなくなっても誰かが代わって野菜のめんどうをみてくれる。収穫は自分の区画で自由にできる。
さて、始まったばかりの畑生活、これからのわたしにとって重荷になるか、気慰みとなるか。プレ老後に向けての畑生活、どうなることか・・・。
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