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「先輩は、大学行くつもりなんですか?」 清水は自転車を押して歩く俺の隣を歩きながら聞い…
白狐の噂を持ち込んだのは、桐田だった。 「ビャッコの話。聞いたことないん?」 最初俺は…
終業式の日は、12月をさらに冷やす雨だった。 午前中で下校になった俺は、昇降口で清水…
親のたてる物音は、どうしてこんなにも煩わしく感じられるのだろう。 反抗期は既に終わっ…
街灯に白い息。 俺は自転車を漕ぎながら、彼女は本当に来るだろうかと思った。彼女の真面…
鳥居の前で二人して立ち止まった。 本殿に続く石の階段は長く続いていて、その上を高く伸…
ホテルの駐車場を何周もして、ようやく空きが見つかった。 どうして今日に限って、こんなに車が埋まっているのだろう。ホテルというのはどこでも金曜日の夜は人が多いものなのだろうか。 徳島は車社会で、電車やバスもあることにはあるがそれを利用することはめったにない。私の住む、そして私の故郷でもある町に至っては、18を超えたら車がなければ生きていけない。車が多いこの土地では、ホテルの駐車場はすぐに埋まってしまうのかもしれない。 車を停めてエンジンを止める。少し早く着きすぎた。
私と八尾君が付き合い始めた時、私たちはお互い高校2年生だった。 高校生にも恋人がいる…