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「吉田さん」 トイレを出てすぐ、後ろから声をかけられた。 振り返る前に、それが八尾君の…
八尾君が現れたのは、同窓会がまもなく始まろうという時だった。 司会の幹事が会場に呼び…
自転車で通学しているせいで、いつも風向きを気にして走る癖がついてしまった。自転車を漕ぐ…
「先輩は、大学行くつもりなんですか?」 清水は自転車を押して歩く俺の隣を歩きながら聞い…
白狐の噂を持ち込んだのは、桐田だった。 「ビャッコの話。聞いたことないん?」 最初俺は…
放課後のホームルームで、教師がもうすぐ始まる冬休みについての話をしている。 年末年始…
終業式の日は、12月をさらに冷やす雨だった。 午前中で下校になった俺は、昇降口で清水を待っていた。彼女のクラスのホームルームが長引いているらしい。なかなか彼女が現れない。 ホームルームが終わって、先生に呼び止められた。 「神谷。ちょっとええか?」 俺は先生と一緒に廊下に出た。わざわざ2学期最後の日に呼び出されるようなことをしただろうか。俺には心当たりがなかった。俺は少し身構えていたが、それをあっさり見破られた。 「まあ、そう肩肘張らんと」 先生はそう言って俺の肩を軽
鳥居の前で二人して立ち止まった。 本殿に続く石の階段は長く続いていて、その上を高く伸…
ホテルの駐車場を何周もして、ようやく空きが見つかった。 どうして今日に限って、こんな…
私と八尾君が付き合い始めた時、私たちはお互い高校2年生だった。 高校生にも恋人がいる…