【クリスマス入りクリスマス抜きクリスマスドラゴン】について
皆さん初めましての方は初めまして、そうでない方は前回までの記事を読んでいただきありがとうございます。その辺の決闘者の衣玖(いく)と申します。
今回記事にするのは、前回の記事にて「ホーリーナイツ」要素が丸ごと消えた【クリスマス抜きクリスマスドラゴン】のリメイクである【クリスマス入りクリスマス抜きクリスマスドラゴン】です。
なぜ「ホーリーナイツ」要素が抜けたのかについては前回の記事を読んでいただけると幸いですが、簡潔に書くと「ホーリーナイツ」の動きが遅すぎるためですね。
そもそも【クリスマスドラゴン】と【クリスマス入りクリスマス抜きクリスマスドラゴン】は同じなのでは?と思う人もいるでしょうが、厳密には違います。
某DCGにて【ドロシー入りドロシー抜きドロシーウィッチ】や【蝙蝠入り蝙蝠抜き蝙蝠ヴァンパイア】が成立しているのと同じで、「ホーリーナイツ」要素を抜いたものに「ホーリーナイツ」要素を足したものが本デッキになります。
要するに【カオスライロ】に「ホーリーナイツ」を足したものが本デッキのコンセプトということです。
デッキレシピ
元々の【クリスマスドラゴン】では「ホーリーナイツ」に「ライトロード」、《ドラゴンメイド・チェイム》と召喚権を使うカードが多かったため、「ライトロード」の召喚権を使うカードを《ライトロード・アサシン ライデン》のみに絞りました。
また1枚だけにしていた《煌めく聖夜》も申し訳程度に増やして「ホーリーナイツ」の召喚権被りもなんとかしました。
一応《カオス・ウィッチ-混沌の魔女》も召喚権を使うカードですが、この子は主に《輝白竜ワイバースター》などの召喚コストか「ビーステッド」の効果で除外してチューナーである「白き獣トークン」を出すのが仕事なので問題無いです。引いたら困るだけです。
本当は《死者蘇生》《おろかな埋葬》《ハーピィの羽根帚》などの汎用カードを入れたかったのですが、何を抜くかで悩んでしまったので入れてません。
もっと回せば何か思いつくかもしれませんが。
以前までの記事のように全カードについて触れていくと文字数がとんでもないことになるので、主要カードのみに焦点を当てて解説します。
《聖夜に煌めく竜》
このデッキのクリスマス要素です。
このカードを使うと年中クリスマスになります。
手札から場に出るとフィールドのカードを破壊できる誘発効果、闇属性によっては破壊されない永続効果、攻撃する場合にその相手モンスターを除外して追加で攻撃できる誘発効果を持ちます。
このカードを連打して着地時の誘発効果でフィールドを荒らすのが「ホーリーナイツ」の戦法です。
というかこれしか芸がありません。
対闇属性用の耐性も地味に便利で、相手を一時的に除外できる効果も合わさって、特に5300絶対通すマンの《アクセスコード・トーカー》に対しては無類の強さを誇ります。
一方で効果破壊耐性を備えつつ攻撃力で勝る相手は処理できないという欠点もあり、《暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ》や《鎧皇竜-サイバー・ダーク・エンド・ドラゴン》などの環境外で時折見かける切り札級モンスターのヤケクソ耐性には手も足も出ません。
そんな時は《オネスト》に頼って解決しましょう。やはり暴力…!暴力は全てを解決する…!
それでも「ヴァレル」リンクモンスターの大半には勝てません。こいつらは諦めましょう。
なお、このカードとシナジーが高いカードに《異次元からの埋葬》や《光霊術-「聖」》などがあります。
前者は相手を墓地へ戻すことで完全除去ができ、後者はそのまま奪うことができます。
《銀河眼の光子竜》と似たような運用ですが、こちらはターン終了時まで除外できるため、前者はメインフェイズ2で動いた結果除外される自分のカードを戻すこともできますし、後者は他のモンスターがいない状況でもバトルフェイズ中に奪って追撃できます。
ただしいずれもコンボ色が強いためこのデッキには入れていません。
このようなカードを中心としたデッキに仕上げても面白いでしょう。
《ドラゴンメイド・チェイム》
前回の記事の後半にて紹介した【クリスマスメイド】でも登場した「ホーリーナイツ」の救世主です。闇属性だしブラックサンタかな?
サーチ先には自身を蘇生させる《ドラゴンメイドのお心づくし》、《ドラゴンメイド・シュトラール》用の融合カードである《ドラゴンメイドのお召し替え》、フリーチェーンで妨害と《聖夜に煌めく竜》のバウンスをこなす《ドラゴンメイドのお片付け》があります。
《ドラゴンメイドのお片付け》は墓地効果でこのカードの蘇生までこなし、このカードが第二第三の《ドラゴンメイドのお片付け》を用意できるのでリソースが枯れにくいです。
枠の都合で自身をドラゴン体に変身させる効果は腐っていますが、元々ドラゴン体が存在しない唯一の「ドラゴンメイド」なので仕方ないでしょう。
このデッキには「ビーステッド」も採用されているため《ドラゴンメイド・シュトラール》の融合素材には困りにくく、その「ビーステッド」もこのカードの召喚から出せる《天球の聖刻印》からリクルートできて非常に優秀な初動札となっています。
《深淵の獣マグナムート》
墓地リソース(相手でも可)を使うことでフリーチェーンで出てくる10期最後の方の遺産です。
先程《ドラゴンメイド・チェイム》の欄でも触れましたが、「ビーステッド」はドラゴン族なので《天球の聖刻印》からリクルートでき、レベル6なので《ドラゴンメイド・シュトラール》の融合素材にもなります。
基本的には《深淵の獣マグナムート》から《聖夜に煌めく竜》を回収しますが、盤面次第では《深淵の獣バルドレイク》による妨害や《深淵の獣ドルイドヴルム》による除去を試みてもいいでしょう。
「ビーステッド」のサポートカードである《失烙印》で何度も使い回せるのも良いところですね。
またレベル6ということから《カオス・ウィッチ-混沌の魔女-》を除外することで「白き獣トークン」を生成し、レベル8シンクロやレベル10シンクロに繋げることができます。
レベル6であるため各種素材に使いやすい反面、レベル7か8なら《復活の福音》を気軽に採用できたのになと若干悲しく思うところもあります。
《ライトロード・アサシン ライデン》
機能する範囲で極限まで薄くした「ライトロード」要素の一部です。
起動効果でデッキトップから2枚、エンドフェイズ時に誘発効果でデッキトップから2枚と、墓地へ送る枚数としては他の「ライトロード」と比較するとやや多めの部類です。
しかしエンドフェイズまで場に残っていることは少なく、大抵の場合はデッキの上から2枚を落として即座に各種素材になります。
レベル4の光属性チューナーである点が非常に高評価で、《混沌魔龍 カオス・ルーラー》は当然ながら《カオス・デーモン-混沌の魔神-》のチューナーにも適しています。
同じ「ライトロード」のレベル4チューナーである《ライトロード・アーチャー フェリス》はモンスター効果で墓地へ送られないと自己再生できず、通常召喚もできないため取り回しにやや難があることから、こちらに軍配が上がりました。
《増援》に対応しているのも高評価ですね。
他の「ライトロード」の墓地肥やしはエンドフェイズに発動する誘発効果であることが多く、汎用性が高く能動的に墓地肥やしができるこのカード以外の選択肢はほぼありませんでした。
通常召喚できないながらも《ライトロード・ビースト ウォルフ》は高い打点と条件に左右されない自己再生効果を有しており、《ソーラー・エクスチェンジ》や《混沌領域》のコストにも適していたため採用されました。
墓地肥やしをさらに加速させる《ライトロード・セイント ミネルバ》も採用したかったのですが、エクストラデッキの枠の都合で断念しました。
思っている以上にEXデッキの枠はカツカツです。
《亡龍の戦慄-デストルドー》
レベル7シンクロや《水晶機巧-ハリファイバー》のズッ友であるチューナーです。
《竜の霊廟》や《おろかな埋葬》が採用されていないためこのカードをメインに動くことは基本的に考えていませんが、手札や墓地へ姿を現すと活躍し始めます。
手札ではレベル7のドラゴン族ということで《ドラゴンメイド・シュトラール》の融合素材になります。
どうせ特殊召喚するなら、手札から投げ捨ててから自己再生させた方がお得です。
墓地から自己再生すると、《ライトロード・アーク ミカエル》のS素材になります。
非チューナーの指定が光属性なだけであり、チューナー側には何の指定もされていないことから使いやすい素材となります。
あちらの回復効果も微々たるものですが、このカードのコストで失ったライフポイントをいくらか取り戻せるので噛み合っていますね。
逆にそれ以外の使い道に乏しかったため、あえてこのカードをピンポイントで墓地に送るカードを採用しなかったという面もあります。
どうせならフィールド魔法を多めに入れて《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》を採用するとかさらなる墓地肥やしも兼ねて《シューティング・ライザー・ドラゴン》を採用するとか考えましたが、EXデッキの枠がありませんでした。
《輝白竜 ワイバースター》
ジャンプフェスタで配布されて以降、カオス要素を取り入れたデッキで採用されている下級ドラゴンコンビです。
光属性と闇属性が混在するこのデッキでも採用でき、仮に《ドラゴンメイド・チェイム》から《天球の聖刻印》を出す動きをしなかったとしても、彼らによって出すことができます。
フィールドから墓地へ送られた場合にタイミングを逃すことなく相方をサーチでき、《混沌領域》の補助ができるなど抜群の汎用性を誇ります。
一方でX素材にされると後続を確保できないという欠点もあり、Xモンスターを採用すると使いにくくなるといった側面もありました。
今回は《ライトロード・セイント ミネルバ》を筆頭にXモンスターをまとめてリストラしたため、気軽に各種素材にすることができます。
今では何の規制もかかっていないため、それぞれ3枚ずつ積んでも問題ないでしょう。
《カオス・ウィッチ-混沌の魔女-》
マスターデュエル未実装の娘です。
自身をリリースすることで特徴の無い「黒き獣トークン」2体を生成する効果と、手札か墓地から除外された場合にチューナーである「白き獣トークン」2体を生成する効果を持ちます。
1ターン中にいずれか片方しか発動できず、発動する際の誓約として光・闇属性のSモンスターしかEXデッキから出せなくなります。
このカードがフィールドに出ることは滅多に無いので、「黒き獣トークン」を生成する効果は無視していいです。
もし場に出すことがあれば、適当にこのカード自体をリンク素材にしてください。
このカードの本質は後半の「白き獣トークン」を生成する効果にあります。
生成される「白き獣トークン」はレベル2光属性天使族のチューナーであり、これが2体も生み出されます。
「ビーステッド」と共に《カオス・デーモン-混沌の魔神-》のS素材になったり、それを経由して《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》になったりします。
また《カオス・ビースト-混沌の魔獣-》はレベルの都合で「白き獣トークン」を使わなければ出せません。
《暗黒竜 コラプサーペント》のコストでこのカードを除外して「白き獣トークン」2体を生成、《カオス・ビースト-混沌の魔獣-》を経由することでも《カオス・デーモン-混沌の魔神-》を出せます。
総じてシンクロに際しての潤滑油となるカードであり、このためにEXデッキのSモンスターは光・闇属性のみで統一してあります。
《混沌魔龍 カオス・ルーラー》
10期の最初から各決闘者達を支える最強《ドラゴンメイド・ラドリー》みたいなやつです。《ドラゴンメイド・チェイム》のドラゴン体という噂もあります。
「ライトロード」を上回る墓地肥やし能力に加えて自己再生まで兼ね備える優秀なカードで、《ライトロード・ビースト ウォルフ》がこのカードによって複数体生み出されることも少なくありません。
自己再生後はX素材にすることでデメリットを帳消しにできますが、今回はXモンスターを入れていないので使い切りとなります。
メインデッキのカオス要素をいくらか排除することでEXデッキのダイエットを試みることはできますが、それでもこのカードだけは抜けないため、あえてピックアップさせていただきました。
総括
このデッキの強みとしては、やはりサブウェポンの多さでしょう。
万能無効ができる3500打点の《ドラゴンメイド・シュトラール》とフィールドのカードを除外しつつ高い耐性を誇る3500打点の《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》の2体は《聖夜に煌めく竜》では手の届かない部分をいくらか補ってくれます。
対象に取れるのであれば、破壊耐性があっても《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》による除外や《ドラゴンメイドのお片付け》によるバウンスが機能します。
対象に取れなくても破壊耐性さえ無ければ《アクセスコード・トーカー》による破壊が機能します。
そもそも《アクセスコード・トーカー》は《トロイメア・ユニコーン》を経由することで攻撃力5300まで上昇し、大抵のモンスターを戦闘破壊できます。
いくら《聖夜に煌めく竜》の性能が悪くないとはいっても、これ単体だと限界があることから、強力なサブウェポンの採用は自然な流れと言えるでしょう。
一方でこのサブウェポンが強すぎるというきらいもあります。
RX-78-2のメイン武器が60mmバルカンで、ビームライフルやビームサーベルがサブウェポンと言っているようなものです。
《聖夜に煌めく竜》の性能自体は決して悪くはありません。
しかし遊戯王OCGそのものがインフレしてきた結果、このようなサブウェポンに頼らざるを得ないというのが現状です。筆者も使わなくていいなら使いたくありません。
好きなカードが強いカードであれば、デッキを組むのに苦労はしにくいです。
しかしあまり強くないカードを活かすのは至難の技です。
そのカードを魅せながら、いかに勝ちへの道筋を創り出していけるかが決闘者の腕の見せ所でしょう。
決闘者の数だけデッキの可能性は広がります。
筆者が採用しなかったカードにも可能性を見出し、皆さんだけのオリジナルのデッキを是非組み上げてください。
数多の変t……奇抜なデッキが世に放たれるのを楽しみにしています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?