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#13 『学力の経済学』中室牧子


「教育にエビデンスを。」

どの章を見ても一貫して筆者が伝えたいことなのだと感じることができました。私はもともと社会学部出身で卒業論文も教育格差が将来に影響するみたいなテーマで書いていました。その中で『学力の経済学』も参考にしていました。
今読んでみるとめちゃくちゃおもしろい。
教員となった今、全く違った視点から見えてくるものがあるなと…
そのことを今日は言語化してみたいと思います!


「読書をする」ことで「学力は高くなる」のか

結果から言うとならないのですが、子どもが読書をするということは、親が本を買い与えたり、読み聞かせをしたり、子どもに何かしらのお金や時間を使っているということになります。親の子どもに対する関心の高さや、親が子どもに教育費をかけることで学力が上がるということは、想像できると思います。

読書をしたら、というより、その子に関わる時間を作る(過剰な関わりかたを除く)ことが学力を高めることにつながるのだとわかりました。

親の関わりという点から「勉強しなさい。」というと逆効果になるようで、親が自分の時間を何らかの形で犠牲にして手間暇をかけると教育効果が高まるという結果が出ているようです。親の関わりとしておもしろかったことは、男の子なら父親が、女の子なら母親が関わるほうが効果が高いということ。学校でも確かにと感じることもあります。

ご褒美を子どもに与えることに効果はあるのか?

ご褒美は効果があるといえるようです。
ただし、テストの点数で評価するより、本を読んだり、宿題をしたりする「勉強の仕方」に対してご褒美をあげる方が効果が高いようです。確かに褒める時も、結果、能力を褒めるのではなく、過程や頑張りを褒めることで子どものやる気が上がるとよく聞きます。

「能力を褒めることは、子どものやる気を蝕む。」ミュラー教授

『学力の経済学』

また、ご褒美に関してはお金より、トロフィーや賞状、シールなどの方がやる気を刺激するようです。
学校でもノートの頑張りに応じてシールの色を変えたり、優勝したチームに賞状を渡したりしています。あれもきっと教育効果を高めることにつながっているのだといえます。(中高生はお金の方が効果が高いよう…)

テレビやゲームは悪影響か?

研究の結果では、それほど悪影響はないという結論が出ているようです。しかし、2時間以上続けると、発達や学習時間へ負の影響が出るようです。

少し話は変わりますが、最近のゲームは友達が関わって通話しながらすることがほとんど。周りの友達の影響は少なからず受けるようです。ただし公立では転校などできないのでなかなか難しいです。

勉強はそんなに大切なのか?

とてもおもしろい章だなと思います。この章では非認知能力が挙げられています。非認知能力が将来の年収、学歴に大きな影響を与えることが分かっています。非認知能力に関してはまたどこかで述べていきたいと思います。
非認知能力に大きく影響を与えるのは、幼児期だとわかっています。幼児期に学習もそうですが、たくさんの体験をさせることが将来に大きく影響するようです。しかし、学校教育でも非認知能力を伸ばすことはできるはず!それもまた勉強していきたいと思います!

良い先生とは?

最後に良い先生とはということについて自分の考えも合わせながら書いていきたいと思います。

良い先生とは、付加価値を高めることができる先生です。付加価値とは点数をあげることができること。日本の公立ではこのような実験、データを取ることは、なかなか取り組まれていないと思います。

私の考える良い先生とは、人間性と授業力が高い人だと考えます。このような先生は学級経営や子どもとの関わりも上手い人が多いと思います。そのことで学力も自然と高まるのだと思います。

さいごに

『学力の経済学』を読んで、学校の現場に活かせることがたくさんあるなと思いました。さらに、自分でも雰囲気とか、何となくではなく、科学的に子どもをみたり、統計を取ったりすることをしていきたいとと思います。きっと、子どもにとっても、私自身にとってもより良くなる方法のように思います!

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