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過去販売品1 ボヘミアンガーネット アンティークネックレス

私がアンティークジュエリーを好きになったきっかけが、ボヘミアンガーネットのアンティークジュエリーだった。
この力強い深紅。
そして現代ジュエリーでは見られない華やかなデザイン。
もともと赤い色が好きなこともあり、あっと言う間に夢中になった。

19世紀頃、ボヘミア(現在のチェコ共和国)で良質のガーネットが産出され、英国ヴィクトリア女王がとてもこれを好んだため、上流階級のジュエリーにも取り入れられたそうな。

ガーネットは実はその組成上何種類もあり、アンティークのボヘミアンガーネットはその中でもパイロープガーネットに分類されます。
パイロープとはギリシャ語で「燃える眼」を意味するpyropeに由来します。


太陽光(自然光)での見え方はこんな感じ。


そして光によって、途端に表情が一変。
まさに炎を宿したように、激しく燃え上がる。
これは、いい感じの角度から白熱灯光(オレンジ色の電灯)を当てています。

アンティークのボヘミアンガーネットの最大の魅力はこの、ふと光が差した瞬間のドラマチックな色変だと思う。
この瞬間の喜びのためにボヘミアンガーネットを身につけると言っても過言ではないくらい。


しかし。普段のパイロープガーネットはどちらかというと沈んだ赤黒い色をしています。

普通にジュエリーとして石留めをして光を当てても明るい赤にはなるものの、こんな風にハッとするようなドラマチックな赤にはならなりません。


じゃあ何でアンティークボヘミアンガーネットはこんなに鮮やかに輝くのかというと…

この小さなガーネットのセッティングの下に一つ一つ、地金に金属の箔が敷いてあるのです。
ガーネットの下の金属箔に光が反射するので、アンティークのボヘミアンガーネットはより明るく、美しく輝くのですよ。




19世紀の貴族たちは、現代のような電灯ではなく、ロウソクなどの明かりの下でこのガーネットの輝きを見たはずです。

薄ら暗い室内、一瞬ロウソクの明かりに照らされて夜闇を切り裂くように輝く鮮烈な赤はどれほど美しかったことでしょうか。


パーツを裏から見るとこんな感じ。
裏が閉じていて、この中にガーネットの数だけ小さな金属箔をセッティングしています。


ものすごい手間暇です。
現代ジュエリーでは似たものが思いつかない、アンティークならではの作りといえるでしょう。

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商品説明。

●長さ53㎝。
●中央の一番大きいパーツの縦(連結パーツも含む)は4㎝。
サイドの小さいフラワーパーツはそれぞれ1㎝
●素材はおそらくシルバーにゴールドコーティングか、合金。


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