ワンコ岐阜へ行く
岐阜にライン友達がいる。
もう2年続いている。
出会い系サイトのメル友募集コーナーで知り合った相手だけど、下ネタなど一切なく、ただ毎日他愛もない会話を交わしている。
そのライン友達が、わたしのワンコを気に入った。
正確には、その人のお母さんが、だ。
「ほしいなって言ってたよ」
「そうなんですね。
ひとつ送りますよ」
わたしはわりとお人好しだ。
ふたつ返事でその約束を取り決めた。
わたしのワンコは岐阜に行き、ほんとうに大切にしてもらえるのだろうか。
羊毛フェルトの作品はデリケートだ。
耳や足やしっぽを引っ張ったりすると、パーツの接合部が弱くなり、すぐに形が崩れてしまう。
そうなったら、ポイ捨てされてしまうかも。
昨日の夜、ワンコをラッピングしながら、胸が痛かった。
ライン友達に、くれぐれもそっと扱ってくれるよう伝えた。
ワンコは今朝、郵便局から旅立った。
届くのは連休明けになるだろう。
ワンコにとってその旅はどんな旅になるのだろう。
さよなら。
あなたのことは忘れない。
岐阜で可愛がってもらうんだよ。
送ったワンコは特に手をかけたワンコだった。
幸せになってほしい。
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