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ムビナナに望むこと

■はじめに この筆者の情報

 うたプリ:アニメ1000%からの大ファン。キングダムもスタツアも沢山入った。
 アイナナ:アプリスタートから少ししてプレイ。渦中の騒動の際は客観視して終息を見守ったライトファン。ムビナナもそこそこ入っている。

 

■初見の感想

ちょっと気になる発言はあったものの楽しかった!お金のある会社は凄いな、と言わざるを得ない凝ったCGと衣装の作りこみ。

でもやっぱり何かが物足りない気持ちだった。

熱量の差なのか、ムビナナ参戦!といってもライブビューイングを観ているような・・・ライブビューイングというよりはディレイビューイングのような現地にいる感覚を味わえなかったのが残念に思えた。

■例の問題について

CGの映画の製作がそんな短期間に出来るものではないと理解しているのでスタツアを観てからパクったとは思っていない。
ただ、スターリッシュツアーズとしてHPが公開されたのは3年前。
その時にタイトルとパイロット姿の7人が発表されているのでもしきちんと調査していればちょっとテーマが被ったな、と気づけたはず。

全編ライブ映画というジャンルを生み出したのはうたプリなので、全編ライブで予め歓声の入った声出しOKの上映スタイルを取り込んでおいてうたプリをチェックしていないというわけにはいかないので調査するべきだったと思うし、していたとしてもなおこのテーマで進めている以上、今更の変更は難しいとの判断だったのかはわからない。
でも過去に炎上して会社としての声明まで出す羽目になったタイトルだからこそ、炎上しそうな火種は避けるべきだったと思った。

でもそもそも論の話で、今回のテーマは旅!

パスポートもいらない!テイクオフ!!などのセリフはあったもののセリフ以外で旅を感じられる演出ありました?
もう何回も入ってるんですが・・・・
因みに全編ライブ映画で恥ずかしがり屋の日本人向けに予め歓声が入った応援上映スタイル自体はとても良いので、良いことはどんどん吸収して取り入れてくださーーいと思う。

■テーマについて

先ほども触れましたがテーマについては色々広げ過ぎて上手くまとめられなかったのかな?という印象。
今回のテーマは旅と四季とメンバーが言ってたけれど旅についてはテイクオフと言ったのにその後箱舟の話が出て来たり、最終的に宇宙の話になってたり、結局旅とはなんぞ??

プロジェクションマッピングを使っているのに街並みや工場の背景。MC中は宇宙のような背景で旅の感じが1ミリも伝わらなかった。
四季についても一生懸命考えた。
友達が傘持ってるからあれは梅雨?と言ってた。あと辛うじてわかるのはRe:Valeの新曲は秋っぽかった。
ZOOLくんの新曲は雪がちらついてたから冬??これもわかりにくかった。

なぜ夏しようぜ!という夏全開の曲があるのにみんなでHey!Hey!しなかったのだろうかと100回ほど考えた。
せっかくプロジェクションマッピングを取り入れているのに季節感すら表現しなかったのは全国のマネージャーたちに高度な読解力を求めているとしか思えない・・・

■ムビナナの抱える問題点

最初にも書きましたが、このライブはどちらかというと現地参戦の空気が味わえるというよりも編集されたディレイビューイングを劇場スクリーンで楽しむ形式だと思ってます。
何度か観ているうちにこの映画の問題点に気づいた。

・音響
・ステージ構成
・演出

この3つが不足しているからどうしても現地感を味わえなかったのだと思った。

【音響】

前述の通り、筆者は生粋のうたプリクラスタなのでキングダムのインタビューはしぬほど目を通していた。
そこで音響にかなり拘りましたと言う記事があったのを覚えている。
キングダムでは横からも後ろからも様々な歓声が飛び交っていた。
横の方から推しの名前を叫ぶ声などリアリティが感じられた。
メンバーの声も客席によって聞こえ方が違うのでちょっと音響がしょぼかったり後ろの方の席だったりすると聞こえないセリフとかもあった。
最後列に入った時は歓声の方が大きいくらいだった。
そんな座席による聞こえ方の違いが現地感を生んでいたように思えた。
おかげで各地の音響の良い劇場は沢山足を運んだ。 

ムビナナも勿論歓声は入っているものの、前からしか聞えない。
だからスクリーンを観ている感が強かった。 

【ステージ構成】

うたプリはどちらもドーム、ムビナナはアリーナと会場の規模自体が違うものの、うたプリはメインステ、センステ、バクステ、大型トロッコなど次はどこで歌うのだろうという立体的な演出が多く、視覚的楽しみがあった。
スタツアにおいてはステージが多すぎてどこが良席だろうと想像もした。そしてアニメ的な演出もあり常に目で楽しむことが出来た。

 ムビナナはプロジェクションマッピングがメインなので平面な構成で最後に16人並ぶ時もあんなに大きな階段があるのに誰ひとり階段に上ることはなく、横一列だった。
センステはあるものの、i7とTRIGGER以外のオタクは永遠に楽しめないセンステでトロッコも出ないためアリーナ前列しか人権のない構成でとても残念だった。視覚的楽しみがないのでそれが余計に疎外感を感じた。

【演出】

うたプリは再現不可能な演出も多いものの視覚的楽しみが多かった。
銀テープが飛んだりスタツアで紙飛行機を飛ばしたり、現地でこれ取りたいって楽しみもあったので初めて銀テ配布が決まった時は物凄く嬉しかった。

ムビナナの方は落下物がキラキラのみなので、実際のライブで飛ばされても拾わずに帰るやつだった。
パクリと言われたくなくて銀テを避けたのかも知れないけど、発泡スチロールの落下物ぐらいなら出来たのでは?演出でわ~!これ持って帰りたいね!というワクワク感がなかったのも物足りなかった。

★その他

その3つ以外にも気になる点はある。
私が『ライブビューイング』というよりも『ディレイビューイング』と表現した点。
これは時折入る暗転。歌い終わった後の切り替わりが明らかに編集でカットされているのでライブを見ているはずなのにカットされてるの?と思うことがある。また、リアルさを追求しすぎた演出のため、カメラワークが完全にライブというよりMV。プロジェクションマッピングの背景がより一層MV感を引き立たせてしまい、ライブ感が減少してしまっている。
うたプリの場合のカメラワークも当初はどうやって撮影しているのか?って声もあったけれど、うたプリはそれ以上にアニメ的演出も多かったので優秀なカメラだね!で解決できた。
あと観客の映り込み。気になった人も多いと思うけどムビナナ現地のマネージャーたちの姿、あり得ないくらいペンライトの振る位置が高い。
実際の現場であんな振り方している人だらけだったら「このジャンル治安悪いんだけど・・・」って間違いなくいってしまう。
そこが逆にリアリティさに欠けてマイナス効果になっている。
ペンラの振り方も時々カクつきが見えてそこは調整しなかったんだ・・・と突然裏事情が見えてしまうCG技術の粗も気になってしまった。

■ムビナナに望むこと

アイナナの良いところはMVを1社に絞らず、複数社に制作依頼し、それぞれの会社の技術を競い合わせ素晴らしい作品を作り上げることだった。
もともとCGが少なく、推しがフルでダンスしている姿を何曲も観ることが出来るだけでも感動するうたプリの世界と
もともとCGが多く、これまでも最新の技術をこれでもかと盛り込んできたアイナナの世界ではきっと全編ライブ映画に対する感動は違うのかもしれない。
だけど、やっぱりムビナナは再現することを主軸に作った感じの作品だからリアリティさを大事にしすぎて逆にリアルなライブだったらこうあるべきという意識が見てる側にも生まれるのでなんでスクリーンないの?なんで銀テ飛ばないの?など、リアルライブならではの不満が発生してしまうので
もしリアルを追求するならば実際のアイドルのライブをたくさん見て演出やステージ構成を考えて欲しかった。
きっとナナライでの演出を見込んでのことだろうし、もし再現されたら感動するのだろうけどそこにばかり目を向けられてしまい、『ムビナナ』としての楽しみ方を重視されていないのではないかとすら感じてしまう。

あくまでも全国のマネージャーたちが大好きなのは一生懸命にダンスしてみんなを喜ばせようとしてくれるリアルな彼らの姿であって、中の人はその次なんです・・・(中には逆の人もいるだろうけど)
なのでアンコールでのRe:Valeのリストバンドのようなちょっとした逆輸入はとても嬉しいし、キングダムのアンコールでも中の人そのものの仕草を反映したちょっとした遊び心の逆輸入はとても嬉しいのだけれど、中の人に再現させる気満々というのが透けて見えるのは逆に醒めてしまう・・・ 

衣装の作りこみの細かさや、MC中それぞれのメンバーが話し出したりなどリアル感溢れた演出など良い点も沢山あるのでだからこそいつまでも現地に入れない感覚が残念で惜しいと思ってしまうのでもし次があるのならテーマというものをしっかりとたてて何度でも新鮮なライブを楽しめるような演出と立体的な構成で作って欲しいとそう願います。

だいぶ否定的な言葉が多いのだけれど、本当に惜しいな、一部は素晴らしいのにもっと改善の余地あったなって気持ちが大きいので今回のノートを書かせてもらいました。
批判する気持ちは一切ないです。ただただ良くなって欲しいだけ。
長々と呼んでいただきありがとうございました!

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