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カリフォルニアARについて

 

銃規制がキツい事で有名なカリフォルニア州(CA)で民間人が合法的にセミオートライフルを所持するためのアレコレについて

X(Twitter)で2~3年毎にヘンなM4だ!やら脱法AR(笑)的な投稿があるので、ボケる前にザックリまとめておくか~と思い立った次第

※2016~2018年頃に調べた知識なので、現行法とは違う可能性があります。
再現する場合は各自で調べて下さい。
なんなら現行法はこうなってますよ~とかここ間違ってるとかあったら指摘して貰えると助かります。

はじめに

CAの規制対象はセンターファイヤ式のセミオートライフルです。
(バレルが短いMP5やKRISS VECTORなんかについてはそのままだとSBR扱いになるので、ロングバレル化してセミオートライフル扱いで所持すると税金が安くて短納期になりますがそういった物も対象になります)

今回は現地での所有者が多いAR-15(AR)をベースに書きます。

本題

CAARで規制を受ける基準は結合状態でマガジンが着脱可能か否かです。
マガジンが着脱可能な状態で下記パーツを装着すると「攻撃性を有する武器」として扱われ上院法第880号の第30515条に該当し違法となります。

・フラッシュハイダー/サプレッサー
・伸縮ストック/折り畳みストック(アダプター含)/サムホールストック
・ピストルグリップ
・バーティカルフォアグリップ
・グレネードランチャー/フレアランチャー

合法化するにはマガジンを固定式にするか、上記パーツを外す必要があります。
(ちなみにCAで使用できるマガジンはライフル・拳銃問わず10発までになっています)

この銃としての攻撃性を無くしたライフルを「Featureless Rifle」(機能のないライフル)と言います。

適法化と代替品

パーツを外すだけでは持ちにくいどころか扱いに困るだけのゴミになってしまいます。
なので銃としてまともに使えるよう代替パーツを取り付けるのですが、問題は30515条に該当するか否かを判断しないといけない点。

そのため各パーツ毎に該当する条文を参照し、それらに該当しない物を着けて適法化する必要があります。

・フラッシュハイダー/サプレッサー

フラッシュハイダー、日本語でいうと消炎器。
サプレッサーはご存じのとおり消音器です。
漢字にすると分かりやすいですね。

フラッシュハイダーは着けることによってマズルフラッシュが小さくなり、サプレッサーは音が小さくなるのが問題との事。
(サプレッサーはそもそも別の申請が必要なので持てないですが)
なので代替品としてはスレッドカバーやマズルブレーキなんかを付けます。

【マズルブレーキについて】
装着可能な物の判別方法としてはマズルブレーキの銃口が使用弾薬の弾丸直径と同じかを見て下さい。
弾丸直径以上や三叉・四叉ハイダーだと消炎効果があるとみなされてアウトになります。

SUREFIRE SOCOM MUZZLE BRAKE

ATFに殴られたくないので個人的にはスレッドカバーをオススメします。(安いし)

スレッドカバー

・伸縮ストック/折り畳みストック/サムホールストック

代替品は固定ストックです。
A2スタイルでもMOE fixdでもサムホールじゃなきゃ何でも良いです。
サムホールが禁止な理由はピストルグリップを禁止にしてもこれ付けられたら意味ないからです。

【固定ストック化について】
わざわざストックを買い直したくないという人向けの方法がありますので紹介します。

1.脳筋ビス固定
ストックとバッファーチューブに穴を開け、ピンないしネジを打ち込んで固定します。
簡単に抜けないように上からエポキシ樹脂等でガチガチに固定して下さい。(溶接してもOK)

2.Stock Stopを入れる
一番簡単で確実。
ポリウレタン素材の板でバッファーチューブの溝を埋め、ストックポジションを1カ所に固定します。

Stock Stop装着後

メーカー公式で出してるので安全だし戻すのも簡単というお手軽仕様。
皆大好きStrike Industriesから発売されています。

3.Stock Lokを入れる
Range Roll Innovationsから販売されているパーツです。
Stock Stopが約$6に対し約$35とクソ高いパーツです。

ストックの調整レバーを固定しているボルトを外し、付属のボルトと受け側の専用パーツで固定します。
Stock Stopと違い固定する位置を調整できるので体格に合わせて調整できます。

STOCK-LOK

・ピストルグリップ

いわゆるグリップです。日本語では握把。
全てのライフルに取り付けられているので「これ禁止にしたら誰も持たんやろ」的な理由で禁止になっています。

ピストルグリップとはどういった物かという定義付けがあり、『握った時に親指と人差し指の間の皮(水掻き)がレシーバーから露出しているトリガーの最上部より下にくる物』と定義されています。
逆に言えば握れなければバーティカルなグリップが装着可能です。

代替品の一例として以下の物があります
Strike Industries:Megafin Grip
握れないグリップの代表です。
親指が反対側に回り込まないようにストック側に大型のフィンとグリップ右側にサムレストがあります。

Resurgent Arms:Compliant Rifle Grip
メガフィンと違い握れるグリップです。
しっかり握れるので片手でも保持できます。
メガフィンより安いので使ってる人が多いイメージ。

Juggernaut Tactical:Featureless Grip
握れるグリップ2つ目。
上のよりエルゴノミクスにこだわった感じのグリップ。
値段は倍するので費用対効果が見込めるならって感じ。

Exile Machine:Hammerhead Grip
      (CA-Legal AR-15 stock adapter)
グリップにARのバッファーチューブが着けられるアレです。
ちなみに特許侵害かなんかで会社が吹っ飛んで販売終了したっぽいのでお持ちの方は大切にして下さい。
不要なら引き取りますのでご連絡下さい。

Thordsen Customs:FRS-15
最強のグリップストックです。
これとスレッドカバーを着ければCA準拠ARが簡単に組めます。
THE FRSな外観のGen2に使いやすく拡張性が高くて豊富なラインナップのGen3。
撃って良しデザイン良しなんならCA司法局のお墨付きと完璧なグリップストックです。(なお値段)

FRSー15 gen2

https://www.thordsencustoms.com/frs-15-basic-stock-kit-black/.html

FRSー15 gen3

https://www.thordsencustoms.com/frs-15-gen-iii-rifle-stock.html

詳細がまとめられてる個人ブログがあるので紹介しておきます。
http://airweapons-memorandum.livedoor.biz/archives/26482633.html

このほか、普通のグリップの上から被せて固定することで握りこめなくするFin Grip Wrapなるパーツも存在します。

・バーティカルフォアグリップ/ランチャー系

単純に外すだけです。一番簡単です。
何か付けるならハンドストップかアングルフォアグリップを選んで下さい。

どーしてもバーティカルな物を着けたいならTACSACタイプのパーツを着けて下さい。
(TACSACが分からない?キンタマだよ)

TACSACのアレは装飾品扱いになるので装着しても握り込まなければギリセーフらしいです。(知らんけど)

TAC-SAC どうみても装飾品ですね

https://www.thetacsac.com/products/the-tacsac

マガジンの固定化

マガジンを固定化すれば現在のセットアップそのままで適法化できます。(サプやランチャーなんかの許可が必要な物については別途必要です)

マガジンを固定化するとリロードに時間が掛かったり、ジャムが発生した際に即時対応できないといった理由からあまり使われない印象があります。
交換パーツが少ないので低コストで対応できるのがメリットでしょうか。

また固定式マガジンの定義付けがあり、『脱着に工具を使用する必要があるもの』と2017年末まで定義されていました。
2018年より『銃の分解動作を要する物』と法改正がありました。
一応改正前を含めて記載します。

・BULLET BUTTON

法改正前まで主流だった方法でマガジンキャッチを交換して取り付けます。
マガジンキャッチボタン中央にへこみがあり、銃弾の先端や細い棒でマガジンキャッチの軸を直接押し込んでマガジンをリリースします。

www.gunsamerica.comより

道具を使えば何でもええんやろ?とばかりに磁石でくっつけるタイプの延長アダプター(mag magnet)が発売され規制の意味が無くなったため法改正されました。

SUPERTOOL PRO AR15 V2

・AR MAGLOCK+PATRIOT PINコンボ

バレットボタンが使用出来なくなった代替としてAR MAGLOCKというパーツが主流となりました。

レシーバーピンをいちいち押し込んでテイクダウンしていると競技射撃やホームディフェンス的に隙が大きいので、レバー操作のみで簡単かつ一瞬で抜くことができるPATRIOT PINがセットで取り付けられています。
(Twitterで話題になるパカパカARはこれ)

うちの子

余談ですがAR MAGLOCKとPATRIOT PINはセット販売されていますが別会社です。

・DFM

Franklin ArmoryのDFMというマガジンがあり、専用のボルトキャッチに交換して使用します。
マガジン後部のリブがレシーバーに引っかかり下から抜けなくなります。
マガジン交換はテイクダウンし下から押して上に抜きます。

・MA LOADER(オマケ)

固定化したマガジンを銃分解して抜くよりエジェクションポートから一気に給弾したら早くね?的発想な製品でMA LOADERという物があります。

MA Loader

30rdマガジンサイズのローダーで10発装填できます。

(1:26からのノリめっちゃ好き)

AR-15用の.223からAR-10用の.308winはもちろん9mmから.50cal(特注?)まで色々あります。

後書き

ここまで読んだ人がいるかは分かりませんが、CAでの適法化についてザックリ分かったと思います。
日本国内でわざわざ使いにくいAR組む人はいないと思いますが、参考になれば幸いです。

一応国内でもショップが輸入して販売してるパーツがちらほらあるので、気になった方は調べてみても良いんじゃないですかね。
(在庫あるかは知らんけどな)




最後に

CAARビルドは“脱法化”ではなく“適法化”です。
脱法パーツ”ではありません“適法パーツ”です。
州法違反状態のライフルを法律に適した状態にするので適法化です。
二度と間違えないで下さい。
なんなら今までの全部忘れていいのでここだけしっかり覚えて帰って下さい。
『日本語不自由な頭のかわいそうな人』と思われないよう執拗に書いてます。

以上




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