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伝えたい想いを大切に

今日はカウンセリングやアダルトチルドレンとは離れたことについて少し。

※以下はあくまでも私個人の私感です。

「セクシー田中さん」の原作漫画家さんが栃木県内で自殺された、というニュースが流れていました。
この方が栃木に何らか縁があった方なのかは分かりませんが、私が住む県内でこのような悲しい出来事があったのは、少なからず悲しさが込み上げて来ました。

事の発端はこの漫画を実写ドラマ化する際、あくまでも原作に忠実にという原作者の意向をドラマ制作側が無視した、ということらしいです。
そこで原作者側と制作側がトラブルとなり、その結末がこうなってしまった、ということのようでした。

私はこの漫画も読んでいませんしドラマも観ていませんでしたが、このような事ってよくあることだと思いますし、実際に漫画を実写化するに当たって成功した作品って観たことがありません。
せいぜい「キングダム」くらいではないでしょうか?

その他はルパン3世にしても宇宙戦艦ヤマトにしても進撃の巨人にしても、実写化された映画やドラマを観ましたが、どれも原作とはかけ離れたストーリーとなってしまっていて、どれも後味が悪かったです。

前述のドラマは前クールで放映されていましたが、同じ時期にやはり漫画原作の「パリピ孔明」も実写ドラマ化されました。

パリピ孔明は原作マンガがあり、アニメにもなっています。
私はアニメを観てその面白さにハマり、原作コミックをオトナ買いしてしまったわけですが、アニメは原作を忠実に再現しており、部分的には原作にないオリジナルシーンもありましたが、それも前後の流れを繋ぐ意味で必要なシーンとして挿入されていて違和感はなく、セリフもほぼ原作マンガと同じ、音楽モノということで作中で使われた楽曲もオリジナルで非常にクオリティが高く、満足出来る作品です。

これが実写ドラマ化されるとのことで、あまり期待せずに初回を観たのですが見事にその予想を裏切らない、1話目から原作を無視した内容となっていて、2話目を観た時点でそれ以降は観るのを止めました。

原作の設定だけを利用してオリジナルのストーリーを書きたいのなら、脚本家はそもそも自分でオリジナルの本を書けば良いと思うのですが、昨今は漫画や小説、エッセイなどを映像化する方が主流となっていて、完全オリジナル作品は少なくなっているのはとても嘆かわしい、と感じています。

原作を読んでファンになった人は少なからず、映像化されるにあたってやっぱりそのストーリーは原作に忠実であって欲しいと思っていると考えます。
もちろんキャラ設定や環境設定はもちろん(森雪はブラックタイガーに乗っちゃだめだし、エレンやミカサのいる世界に車を出しちゃダメだよ)ですが、そのストーリーの中にあるセリフにも必ずそこには原作者が込めた「想い」があるはずなので、そこを変えてしまっては全体が台無しになってしまいます。

脚本家という職業がある以上、脚本家を名乗る人はやはり自前で作品を書くべきだし、他人の作品に携わる場合は最低限、その作品の世界観を壊さないことを前提に関わるべきだし、他人の作品を利用して自分のオリジナリティを出そうとしてはいけない、そんな風に思います。
原作に込められた想いや原作者のメッセージをリスペクトしていれば、そのような行為は出来ないと思うのですが…

原作を読まずにドラマを観た人にとっては、そのドラマは面白いと思えるかも知れません。
私にもそういう作品はたくさんあります。
もしかするとそれらの作品の中にも、原作者の意図とは違う形になってしまっていたものもあるのかも知れません。

今回のこの悲しい出来事は、原作者と制作側双方のコミュニケーションがすれ違っていたのか、取れていなかったのか、そもそもどんな契約になっていたのか、詳しくは分かりませんが少なくとも原作者はそのドラマを観て失望し、自ら訂正に乗り出そうとまでしていたということはそこに込めたい、伝えたいメッセージがあって、それが正しく伝わらないと考えたからだろうと想像すると、本当に悔しかっただろうし、苦しかっただろうし、その心情を想像すると悲しくなります。

亡くなられた原作者のご冥福をお祈りします。


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