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理学療法士が教える筋トレ初心者のためのベンチプレスのコツ

【ベンチプレスの一連のフォーム】
20kgのバーベルシャフトから始めよう
ベンチに寝転がりバーの下に目がくるように前後に調整する
足は地面にべたっと置いて肩幅ぐらいに広げる
手幅は55㎝~60㎝ぐらいに広げる(イメージはバーベルを胸まで降ろした時に前腕が地面に対して垂直になります)
バーベルは手の付け根にのせる
肩を下げて、肩甲骨を寄せて胸を張る
ラックからバーベルを持ち上げて肩関節の真上まで持ってくる(肘は伸ばした状態)
胸の下あたりまでゆっくり降ろす
胸にバーベルが触れたら肩関節の真上まで持ち上げる

フォームのポイント
1バーベルの握り方
2ベンチプレスの手幅
3ベンチプレスのスタートポジション
4肩甲骨を寄せる
5バーベルの起動
6ベンチプレスの呼吸法
7下半身の使い方

1バーベルの握り方一つでベンチプレスの拳上効率がかなり違ってきます。ベンチプレスにもっとも適している握り方は、「サムアラウンドグリップ」になります。
サムアラウンドグリップとは、親指もバーに巻きつける握り方(手でバーを握りしめる)です。
人さし指で手幅を決め、親指をしたに向けて手を回内させて(内側に回すように)握ると最も効率の良い握り方になります。こうすることで手のひらの付け根から直接バーベルへとパワーが伝えられるのです。
サムアラウンドグリップの方がより安全性があり拳上効率も高いです。

2 バーベルの手幅を変えるだけで効かせたい対象筋の選択ができます。幅を狭くナローにすると上腕三頭筋が最も関与するのに対して、幅を広くワイドにすると大胸筋が多く関与されます。
最も効率よくパワーを出すのが目的である正しいフォームの場合は、ナローとワイドの中間で両手の人差し指の間隔が55㎝~60㎝になるようにします。ワイドにするほど大胸筋の関与が大きくなるとも言われていますが、ケガの危険性が高いのでワイドはおすすめしません。
このくらいの手幅を取ると、バーベルを胸まで降ろしたときに前腕が地面に対して垂直になり、最も可動域を大きく取れるようになります。正しい手幅にすると若干ナロー気味になります。
手の長さは個人差があるので、バーベルを胸まで降ろしたときに前腕が地面に対して垂直になるように意識しましょう。手が短い人より長い人の方が手幅が広くなります。

ポイント
人差し指の間隔が55㎝~60㎝
バーベルを胸まで降ろしたときに前腕が地面に対して垂直の位置が良い

3ベンチプレスのスタートポジション

 
ベンチプレスをマスターするには、スタートポジションがカギとなります。
初めに目線の真上にバーベルの下の面が見える位置にくるようにベンチに寝転がります。すべてのセットで同じ位置に寝るように意識します。

次にラックからバーベルを外します。ラックから外したらひじを伸ばしきるまでバーベルを上に押し上げ、肩の真上に来るように動かします。
バーベルと肩、ひじが一直線に並ぶ位置が正しいスタートポジションです。
この位置からバーベルを降ろしていきます。

4肩甲骨を寄せる

正しくベンチプレスを行うときに肩甲骨を寄せる動作が重要です。
肩甲骨を寄せることでバーベルを押し上げるための土台になります。また、肩甲骨を寄せると胸を高く押し上げ、胸を張った姿勢が作れます。胸を張ることでより大胸筋を動員することができます。
肩甲骨を寄せるためのコツとして、自分の肩甲骨の間に手を当てているところを想像して、その手を肩甲骨ではさみこむイメージを持つといいでしょう。
その姿勢でさらに胸を張りましょう。胸を突きだすようにイメージするといいですね。

ポイント
目線の真上にバーベルの下の面が見える位置に寝転がる
ラックから外したらひじを伸ばしきるまでバーベル上に押し上げ肩の真上来る
肩甲骨を寄せて胸を張る

5バーベルの軌道

ベンチプレスが他のBIG3スクワット・デッドリフトと違うところは、バーベルの軌道です。スクワット・デッドリフトのバーベルの軌道は地面に垂直なのに対してベンチプレスは少しななめ上に押し上げるような軌道になります。
肩の真上のスタートポジションから胸の下部に触れるまでバーベルを降ろします。
ベンチプレスでバーベルの軌道を垂直にすると肩のインピンジメントが起こり、深刻な肩のケガに繋がります。ベンチプレスで肩を痛めている人の多くは、バーベルの軌道が原因です。
バーベルやダンベルでも脇を開いて垂直に降ろさないようにします。脇を開かない為にも、ナロー気味の手幅が重要になるのです。ベンチプレスでのケガの多くはワイドの手幅で生まれています。

ポイント
ベンチプレスは少しななめ上に押し上げるような軌道
肩の真上のスタートポジションから胸の下部に触れるまでバーベルを降ろす
脇を開き過ぎない

6ベンチプレスの呼吸法
ベンチプレスも他のBIG3同様に腹圧をかけましょう。毎レップ、バーベルを降ろし始める前に大きく息を吸い、息を止めた状態で動作を行い、バーベルを挙げたところで息を吐く呼吸法で行いましょう。
大きく息を吸い、息を止めることで胸の姿勢が安定され、より大きなパワーを出せるようになります。

ポイント
毎レップ、バーベルを降ろし始める前に大きく息を吸う 毎レップ
息を止めた状態で動作を行う

7下半身の使い方

以外とおろそかにされがちなのが、下半身です。ベンチプレスは上半身の種目だから下半身は関係ないと思っている人もいますが、しっかりと下半身を使えると重量アップにもつながります。
肩幅程度に足を開き、かかとまでべったりと地面に付けましょう。すねと地面が垂直になる位置が地面を押して胸からベンチに効果的にパワーを伝えることができます。
バーベルが胸に触れてから押し上げる時、脚で頭の方向に向かってベンチごと押します。これがレッグドライブを生み地面からのパワーをバーベルまで伝えることができます。
ベンチプレスの動作中にお尻を上げる「尻あげ」は禁止。尻あげはサッカーで手を使ってはいけないのと同じです。

ポイント
肩幅程度に足を開き、かかとまでべったりと地面に付ける
すねと地面が垂直になる位置が良い
尻上げは禁止
 
【初心者にありがち】ベンチプレスの間違い
1サムレスグリップで握る   
サムレスグリップでは拳上効率が下がります。手でしっかり握れていないので、肩と胸がバーベルを押し上げる力を十分に出せないのです。
 
2限界まで追い込む
ベンチプレスなどコンパウンド種目ではやるべきではありません。筋肉は24~78時間で回復すると言われていますが、神経系の回復には時間がかかります。ラスト1レップまで追い込むと神経系の回復に1週間を要してしまうので、トレーニングの機会損失になってしまいます。
 
3手幅の間隔が広すぎる
ベンチプレスでパワーを付ける為には、拳上効率が良いナロー気味の手幅がベストなのです。
 
4バーベルを目で追ってしまう
目線は常に天井の一点を見つめバーベルを目で追わないようにしましょう。
 
5押したときに肩が前にでる
肩が前に出ることで肩を怪我しやすくなり大胸筋から負荷が抜けてしまいます。
必ず胸を張った状態を維持して動作しましょう。

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