見出し画像

80の壁をどう乗り切るか、鉄欠乏性貧血を治した

 鉄欠乏性貧血が発見されてから、食べ物に気をつけていたにもかかわらず、状態は一向に良くなりません。体調が思わしくないというならともかく、体調は普段どうりで仕事にも生活にも全く支障はなく、困ることはなかったのですが、顔色はどちらかといえば「青白い」感じでした。仕事でアメリカに出張した時、アメリカ人(ヒスパニック系)から「お前は白人より色が白いぞ」と言われたことがあります。貧血症は長く続いていました。

 そんな状態が続いていたある時の健康診断で、便に鮮血が混じっていることがわかり、先生から質問を受けました。
「血便の原因は何か思い当たることありますか?」
そこで父親のために献血を何回か繰り返したことを少し自慢げに説明しました。
 ドクターは
「それは貧血症を誘発したかもしれませんが、便に鮮血が混じることとは因果関係がないですね」とそっけない返事でした。
18歳から続いている「痔」のことを思い出して説明しました。綺麗な話ではありませんが、イボ痔とキレ痔のダブルで、トイレでは便器に血が飛び散るほど出ることがありました。
 その説明をすると、ドクター曰く。
「献血のことより、そちらの方が重要ですよ。少しずつでも毎日のように出血していることの方が貧血の原因になっていますね。その治療を先にしてください。今は良い治療方法がありますよ」と言い、肛門科に紹介状を書いてくれました。
  痔は場所が場所だけに相手が医者でもあまり見せたいところではないですよね。それに、以前鹿児島に出張した折、痔の痛みで歩けなくなってしまい、ホテルで2日間唸っていた経験がありましたし、痔の専門病院を尋ねた経験もありました。気が進まなかったのですが、紹介状をもらった手前、行かないわけにもいきません。

  肛門科でのそれは案の定、文章にできない検査でした。猛烈な痛さで恥ずかしさを忘れるほどでした。ドクター曰く。
「古いものがいくつかありますし、新しいものも出ています。切るのは簡単ですし、痛くはないですよ。どうするか決めて、また来てください」
痔があるからといって明日死ぬわけではないからドクターの方も余裕がありますね。
もう、悩みに悩みました。
切るか、切らないか・・・。

 そうこうしているうちに、最近痔を切ったばかりの人から話を聞く機会がありました。
「あんたな、切っても切らなくてもさほど変わらないぞ!それより、トイレの後、指で押し込まないでそのまま出しておいた方がいいんだよ。俺の主治医は切除しても出しっぱなしにしておくようにって、言ってくれたんだ。いっとき気分が悪いけどな、それの方が楽だぞ」
これは貴重なアドバイスでした。切除手術をするのは止めました。しばらくは痛いのを我慢しながらトイレの済んだ後で肛門外に出ている大腸の部分を放置することにしたのです。鏡で見るとそれは「花火」のような姿をしていました。自分で笑ってしまいました。

 痔を持っている人はわかるでしょう。寒い時より夏の方がイボが大きくなったり、出血が増えたりする病気です。要するに疲労が遠因です。また、私のような酒好きは痔に良くないのです。長く椅子に座って仕事をする人も良くないですね。鬱血するからです。タバコは吸いませんがタバコも良くないと言われています。
 肛門科には結局行かなかったのですが、少しづつ良い方向に行き始めました。毎日のように出血していたのが1週間に2・3日になってきました。それでも時々は立っているだけでも出血することがあって、そんな時には女性用のナプキンを当てていたこともありました。鮮血ですから、真っ赤です。
【綺麗な話で失礼いたしました】
 こうして痔も少しずつ良くなって、やがて出血は止まりました。
 すると、一年も経たないうちに「貧血症」は治ってしまいました。
(表紙の写真はバンコクの屋台店です。2022年9月撮影)

カオ・カームー・タマダー50バーツ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?