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神田川・秘密発見 43の(2) 今、東京オリンピックを冷静に振り返ってみる

四十五 東京オリンピックを振り返る

東京オリンピックは今になって汚職の逮捕者が出てきている。
洋服のAOKI、出版のKADOKAWA、広告代理店の大手、大広などの有名企業の役員が逮捕されているし、組織委員会の委員長だった元総理大臣森氏も事情聴取を受けたそうだ。
 組織委員会の理事、高橋治之氏は三度目の逮捕を受けている。
いずれも社会的に立派な地位にいる(いた)人たちで、一般の庶民階層の人ではない。地位も名誉もあり、財産もあって豊かな暮らしをしている人たちだから、庶民からすれば、なぜオリンピックの名誉のために働けなかったのかと思ってしまう。
以下の記事はオリンピックが終わったばかりの時に書かれた記事で、今日の事態を予測している。招致から終了まで、キチンとした検証をして欲しい。
財政も公にして欲しいし、残った施設の維持管理費はどうなるのかも知らせてほしい。

JR飯田橋駅のビルで昼飯を食べた
庶民の贅沢はこんな程度かな・・・?

 東京オリンピックの閉会式の評価はさまざまだった。
 陳腐だという人がいたし、未来へ向けたメッセージは何もなかったという人もいた。ハナから問題が多すぎる。「復興五輪」はもはや関係ないテーマになっていたし、「人類がコロナに打ち勝った証」というのも東京でのコロナ感染者が5000名を越した現実にかき消されていた。強いていうならば「人類がコロナに敗北した証の五輪」だろう。
 そもそも、五輪を招致する段階での買収疑惑が持ち上がり、ケチがついている。責任者がフランスの警察に捜査を受けているし、アスリートに快適な時期との安倍総理大臣(当時)の表明に対しても事実と違うと選手からクレームが出ている。未だに放射能の汚染水に悩まされている実態は「アンダーコントロール」というには程遠い。
 開催間近になってJOCの組織委員長に女性蔑視発言があって、辞任。
 イジメを是とするアーティストの起用が問題となって、即辞任。
 開会式の音楽を担当した音楽家はナチスのホロコーストを揶揄した経歴の持ち 
 主だったと分かり、解任。

 今度のオリンピックは問題に事欠かないし、コロナはヒタヒタと勢力を押し広げている。巷では、病床逼迫、医療体制崩壊(オリンピックに医療関係者が取られている)、コロナ重症患者が増加している。オリンピックにふさわしい環境からかけ離れている。

JR飯田橋駅の脇にある分水・神田川の水
水鳥(白鷺?)が番で餌を探していた

 がしかし、昨日閉会式となった。
 台風の接近で雨のしょぼ降る東京だった。閉会式を肌で感じようと国立競技場の周辺は押しかけた群衆で密の密になっていた。同じ世代の老人がインタビューに「これが見納めだから来た」と答えていた。それほどまでして競技場の近くに行きたいのかと思う。閉会式は開会式に輪をかけて不評だった。金メダルの獲得数は過去最高となったとはしゃいでいる人は少なくない。国別対抗戦で民族意識や対立を煽られ、平和の祭典は分断のお祭りになっていないかと懸念を持つ。

神田川は高速道路の真下
(高速道路が神田川の真上)

もう、そういう時代じゃないだろう。違いを認め合い、勝者も敗者も力一杯戦ったことを讃え合い、国境を超えて交流、友好を実現する場じゃないのか。アスリートの人間離れした力や技は無限の可能性を示唆して感動を呼ぶが、テレビを見ない人には実感が湧かない。2兆円の赤字が残ったというキャンペーンが貼られているが、この穴埋めは利益を得た団体や個人から先んじて徴収されるべきだろう。復興税のように国民から広く徴収するのは賛成できない。

 それはとにかく、五輪は終わった。
 少しもさわやかな気持ちになれないが、神田川歩きを再開した。先ずは飯田橋から小石川後楽園に行き、水戸藩上屋敷跡と公園を散策して、神田上水の流れを見届けたい。ところが、さて出発しようとした朝、左足の膝が腫れ、痛くて曲がらない。昨日まで何ともなかったのに、階段の登り下りもままならない。理由もなく、突然故障が起きる。老人に特有な現象で全く油断がならない。左足を踏み出すと膝に稲妻が走る。今日はやめておこうかと弱気の虫が出てくる。体に問題が起きると精神は途端に萎む。そのうち、頭痛もしてきた。
 とうとうコロナか!一瞬ぐらりとする。

外濠

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