【ケルト】について調べてみました!
ケルトとは、古代ヨーロッパに広がった民族および文化の総称で、主に青銅器時代から鉄器時代にかけて発展しました。
ケルト人は、インド・ヨーロッパ語族に属するケルト語派の言語を話し、自然崇拝を基盤とした多神教的な信仰を持っていました。
彼らは紀元前1世紀にローマ帝国の侵攻をうけ、ブリテン諸島やアイルランドへと移住し独自な文化を形成しました。
現代でもアイルランドやスコットランド、ウェールズなどでケルト系の言語や文化が残存しており、ケルト音楽や伝説は世界中で人気を博しています。
ケルト音楽について
ケルト音楽の起源は、古代のケルト民族の音楽や口承文化に深くねざしています。ケルト民族は青銅器時代にさかのぼる歴史を持ち、彼らの音楽は自然や生活の営みと密接に結びついています。
ケルト音楽の歴史は、文字を持たなかったケルト人の口承文化に依存しています。彼らは音楽を通じて物語や伝説を語り、彼ら民族の結束を強めてきました。音楽は、彼らの生活の中で重要な役割を果たし、祭りや儀式に欠かせない要素となっており、ケルト音楽の基盤となっています。
ケルト音楽の特徴は、その美しさと感情の深さで知られています。多くの曲は、愛の喜び、哀愁といった普遍的なテーマを扱い、聴く人の心に強く響きます。
ここで、ケルト音楽のクラシックギターの二重奏を聴いてください。
ケルト音楽でよく使用される楽器
1・フィドル
フィドルはケルト音楽においてとても重要な役割を果たす楽器です。
ヴァイオリンに似た形状を持ちながら、演奏スタイルや音色において独自の特徴を持っています。特にダンス音楽の伴奏として広く使用するようになりました。
2・ティン・ホイッスル
ティン・ホイッスルはケルト音楽の中でも特に親しまれている楽器で、そのシンプルな構造と手軽さから多くの人々に愛用されています。通常はブリキや真鍮で作られ、音孔の数が少ないため初心者でも簡単に演奏を始めることができ、ケルト音楽の魅力を引き立てる重要な要素となっています。
ティン・ホイッスルの音色を聴いてみてください。
3・ボーデラン
ボーデランは、片面に皮を張った手持ちの太鼓で、リズムを刻むために広く使用されています。この楽器は、ピーターと呼ばれるスティックで叩くことで音を出し演奏者は手やバーを使って音程を変えることができます。
4・ハープ
ハープは、アイルランドの音楽においてとても重要な楽器であり、アイリッシュハープは通常のグランド・ハープよりも小型で、持ち運びが容易なため、さまざまな場面で演奏されています。また、アイルランドの国章にも描かれるほど重要な存在であり、ハープの音色はケルト音楽の象徴とも言えるでしょう。
アイリッシュハープの音色です
現代音楽への影響
私たちがよく知っているケルト音楽
1.ロンドンデリーの歌
2.ダニーボーイ
3.アニーローリー
4.グリーンスリーブス
5.Auld lang syne (蛍の光)
6.埴生の宿
7.スカボロフェア 他、多数ありますね!
ケルト音楽に影響を受けた現代音楽
ケルト音楽は、その独特のメロディーやリズム、楽器の使用が現代音楽に多大な影響を与えています。とくに、フォーク、ロック、ポップスなどのジャンルにおいて、ケルト音楽の要素が取り入れられた曲が数多く存在します。
例えば、アイルランド出身のシンガーソングライターであるエンヤは、ケルト音楽を基盤にした音楽を展開し、その幻想的なサウンドは世界中で人気を博しています。
映画音楽にもケルト音楽の影響が見られます。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでは、作曲家ハワード・ショアがケルト音楽の要素を取り入れたサウンドトラックを制作しました。また、映画「タイタニック」の中でも『ジョン・ライアンズ・ポルカ』が演奏されています。
日本では、BUMP OF CHICKENの「Sleep Walking Orchestra」がアニメ『ダンジョン飯』のオープニングテーマで使われています。
また、中島みゆきの「麦の唄」は、2014年度NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』の主題歌として知られています。
さらに、手嶌葵の「家族の風景」や「願いごと」もアイルランド民謡をカバーした作品です。このようにケルト音楽は、多くの日本人アーティストに影響を与えています。
最後に、アイルランド/ノルウェーのミュージシャン、シークレット・ガーデン作曲の「You Raise Me UP」を聴いてください。
この曲は、アイリッシュケルトの影響を受けた現代音楽として知られています。したがって、ケルト音楽の要素を持つと言えますが、厳密にはケルト音楽そのものではありません。