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ポピュラー音楽理論その6

セカンダリードミナント(secondary dominant)


1.V以外のドミナントコード


トライトーンに起因するドミナントコードの緊張感が、1度のトニックコードに進行して解決するというのが、ドミナントモーションのもたらす終止感の理由でしたね。

このドミナントモーションの効果を、1度のT以外のダイアトニックコードにも応用することができます。

例えば CM7|FM7 という二つのコードを繰り返すとしましょう。

FM7というコードは、CメジャーkeyではⅣ度のSDという機能を持っています。しかし一時的にこのコードをFメジャーのTと仮定した場合、このコードに向かうⅤ度のDoは当然FメジャーのⅤ度であるC7になります。


この時のドミナントコードを、本来のDoであるVのG7と区別してセカンダリードミナント(Secondary Dominant)(以後SecD)と呼びます。V7はプライマリードミナント(primary dominant)といい、それ以外の二次的なドミナント、というわけですね。

単にⅠからⅣへ進むのではなく、Ⅳを仮のTと見立て、その直前に仮のⅤ7を置くことでコード間の連結を滑らかにし、元のダイアトニックでもあるⅣのFM7のサウンドがより強調されます。

またC7というノンダイアトニックコードをはさむ事で、同じダイアトニックばかりが続く単調さを打ち消し、結果的に本来のCメジャーという調性が聴く人に強く印象付けられます。

もちろんこのSecDもⅡⅤに分割できます。この例でいくと、解決先がFM7というメジャーコードなのでⅡはⅡm7になりますね。

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