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掃除婦のための手引き書:未読了

ルシア・ベルリン
「掃除夫のための手引き書」 講談社


岸本佐知子氏の訳は秀逸。作者の文章の運び方や視点の焦点が好みではなかった。

単語の選び方がリアリズムに属しているにせよ、その量が読点に対して過多に思えて胸が焼けてしまった。

また作者が若くして亡くなったということで現実に転がる無数のマイナリズムやコンプレックス、ヒエラルキー下部の象徴を表す出来事、描写について、その一連を生きるディレクションに残念ながら共感もひりひりとした印象も持てず。多分私が歳をとってしまったために(それらへの対処の諸々の方が美しく、勝ち抜いた故にただ鬱陶しい)
憐憫も懐かしさも見出せず、読めたなあ、と思えたのは「星と聖人」か。

時と日を変えて何度読んでも好みでなく未読了とする。

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