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さよなら少年たち〜シグナルソングが見せたもの〜

やはり、という感じでまんまとハマってしまったBoys Planet。自分たちが動くことでデビューメンバーが決まるという投票スタイルは中毒性もあり、回を追うごとにヒートアップして、どうしてもこの子を入れたい、いやこの子は嫌だ、というファンダムとアンチの争いやアピール合戦もあり、TwitterやTikTokなどのやり取り含めて、それこそがオーディション番組の醍醐味なのだと思う。
途中までは、ずっとプロであるマスター(ダンスや歌の審査員的な人)の評価をもっともっと反映させないと微妙では…と思っていたけれど、そうではない100%の投票だからこそ、これほど盛り上がるのだろう。
自分なら…もう1人強い声の持ち主のボーカリスト入れるかな、とか、ダンスはHipHop強めの人を加えたり、とか色々と考えたりもしたけれど、最後の1人だけ投票、いわゆる1picとなったら、グループのバランス以上に好きな子を入れたくなってしまうのだった。
それにマスターが評価するまでもなく、みんな歌も踊りもレベルが高く、すごい下手な子がみるみる実力をつけて魅力を発揮する、みたいなオーディション番組ならではのシンデレラストーリーはなくて、すでにデビュー目前、みたいな子やなんならデビュー済みの子もいるぐらいだったので、ある意味人気投票で決めるのは正しい。
で、ふとシグナルソング(オーディションを象徴する曲)のダンスを見返してみて、真面目に振りつけを軽くさらってみると、この番組で作りたいグループが見えてきた。というか、選ばれたメンバーこそ、まさに理想なのかも、というのがわかる。
なぜなら、この振り付けは決して難しくないから。まずそこにおぉ…となった。私は大して踊れないけれど、それでもサビ部分は、ガツガツ踊るボーイズグループの振りをさらうのに比べたらだいぶわかりやすい。たぶん1時間半から2時間くらいレッスンしたら、なんとなくサビ前後までの1番はそれっぽく仕上がる。まして、何年も練習生をしてた彼らなら、すぐ踊れるだろう。
だけど、これはめちゃめちゃ難曲だ。代わりにものすごいカメラ映えとアピール力とその人自身の魅力がないと、成り立たない。まったく素敵にならないのだ。どこかの放送回でも確かグヨンマスターに言われていたけれど、振りの中で顔を見せるところまで、最初の曲始まりからの流れは、自分のどんな表情、何を魅せるか、曲に対してどんなアプローチ(例えばキュートに、とか男っぽくとかエレガントに、とか)をしていくのか、がものすごく問われている。
例えばしゃがんで立ち上がる瞬間にどんな顔をするか、立ち上がり方がどうなのか、カメラを見ながら肩を回す時にどう動き、どんな目線を投げかけるのか、とか。
この踊り…怖い!
どんな踊りでもその人が出るものだけれど、難易度が高ければ技術で魅了することができる。バレエの連続32回転とか、アクロバットとか。
でも、このシグナルソングのナビンナは、まさに輝きを見せるもの。と、なると、やはりすごい…計算されすぎている。歌詞のみならず、一貫性を持って魅力のある子、スター性と自分だけのきらめきが大事だと言っている。
で、選ばれた子たちを見てみたら…ちゃんとそうなってるではないですか…。みんなバランス型で、歌も踊りもそつなくこなせる力の持ち主で、本人たちに魅力があり、そして、そこはかとなく上品。
ナビンナという曲が、振り付けができた時点でグループに選ばれし人が見えていたというか…スタークリエイター(投票していた視聴者)と言えども、結局、何かに転がされていたのかもしれないな、と改めて感じてしまうのでした。それと同時にプロたちが本気で作る世界観とクリエイティブの力のすごさと、それぞれカメラが見えないところで格闘していた練習生のみんなの愛おしさ…ありがとう、と、これからの未来でたくさん輝きを見せてね、と願うことをやみません。

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