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見たものつれづれ帖

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お芝居、歌舞伎、映画に将棋。たまに日常。まれにおいしいもの。心が動いたものの覚えがき。
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2019年1月の記事一覧

炎と水と

炎と水と

こいつぁ春から縁起がいいわぇ、というわけで、初春大歌舞伎に。歌舞伎座の中にはお正月飾りが飾られて、華やかで浮き立つような。来ているお客さんのわくわくする気持ちが漂っていて、やっぱりいつもと違う気分。
昼の部の吉田屋は、またもや七之助さんが演じる三大女役なんだけれど、勘三郎さん追善公演に行ったばかりで、そんなお大尽っぷりを発揮できるわけもなく、幕見狙いにして、夜の部のみ行ってきました。
実は芝翫さん

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おせっかいかもしれない

おせっかいかもしれない

フェルメール展の帰り道。なんだか時代を超えて、オランダに、あの午後の光の中にいたような気持ちになっていたからかもしれないけれど。
人の関わりがぐっと狭く、近く。出会う人の総量も少なくて、そのぶんだけ大事だった頃みたいな雰囲気にいつの間にか浸っていたせいかもしれない。
電車の中に3人組が乗ってきた。そのうち1人は体調悪そう。飲みすぎてもう立てなくて、あきらかにダウン寸前だった。口にビニール袋を当てて

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本のいろいろ

本のいろいろ

最近、読んだ本に、はずれがない。というか、そもそもはずれとか当たりもないんだけれど、しみじみよかった、繰り返し読もうと思える本にめぐり合ってる。
こういうときは流れの兆しを読めている感じがする。
まさにそういうことが書かれているのが、吉本ばななさんの「違うことをしないこと」。小説と違って、手引書のような一冊だった。
当たり前のように周りの顔色を読んで、空気も察して、正しいと思われる道筋に沿って進ん

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