【短編小説】外観検査を追求せよ!
「では、はじめますか。」
中年男性の発言に、若手と頭の薄くなった定年間近の男性が頷く。
本日の議題は『外観検査規格の見直し』についてだ。
先日、外観不良の品質問題が発生し、色々と調べていくと仕様書の外観規格に問題があることがわかった。
そこで見直しが必要となったのだが、誰が担当するかに関して様々な部署にたらい回しにされた結果、前回立派な作業標準書を作ったという理由で、この三人に白羽の矢が立ったのだった。
あの作業標準は何故か事業部長にいたく喜ばれ、特別賞を頂くまで