行学二道

行学二道 20231014
 
行学二道とは、行、主に体を使った修行、学、教典等を学ぶこと、どちらも重要で同時に進めていくべきであるという意味でつかわれています。ヨーガ禅は、体操を大切にしますが、ヨーガの本当の理解のためには、根本教典について学ばなければなりません。

ハタヨーガは、ラージャヨーガの準備段階ともいわれます。ハタヨーガプラディーピカに(2.76)には、「スシュムナー気道の垢がとれ、ハタヨーガの完成が実現する。ハタヨーガがなくては、ラージャヨーガは成功せず、ラージャヨーガがなくては、ハタヨーガは成功しない。それゆえに、ラージャヨーガに成功するまでは、この一対の行を正しく行じなくてはならない。」とあります。

ヨーガ技法の根本は、外界の刺激に応じて瞬間ごとに散漫に移り変わってゆく知覚器官の働きを抑えて、心のより深い内面の働きの発動を促進することにあり、この心理的な作業がヨーガと呼ばれるようになりました。そして、ラージャヨーガとは、その心理的作業を中心とする最も古いヨーガの流派であり、サーンキヤヨーガ、古典ヨーガの系統をひき、ヨーガスートラで説明されている最も根本的な解脱への技術になります。それは主に瞑想という形での行いでしたが、それを補う形で、体操、呼吸法など、生理的な方面に注目したハタヨーガが始まりました。

この二つとも究極の目的が、人間実存の絶対的自由の取得にあります。そしてそれぞれが解脱への道として独立しつつも合わせることで、より確実に多くの人が解脱の方向に向かうことができるのだと思います。

生理的な行と心理的な学は、修習と離欲のように方向性をちゃんと定める作用があり、双方分けることができないもので、どちらも同時に真摯に取り組むべきものだと感じました。

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