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屋上の足音

こんにちは。MOCIOです。

連日暑い日が続きますね。
自分が昔経験した不思議体験を思い出したので
今日はその話を書いてみたいと思います

屋上の足音

もう15年も前になりますが、中国のとある漢学院に留学していたことがあり外国人寮に住んでいました。

今はもう施設老朽化で移設建て替えになったそうでその場所に寮は無くなってしまいましたが、ポルターガイスト系の心霊のお話を聞くとふとあの日の体験を思い出します。

その大学は小山の中腹から頂上にかけてありまして、
私が住んでいた寮は学舎の横に連なるようにできた6階建ての建物です。

造りはこんな感じ↓
学舎   寮
============
    | |屋上
    |壁|2-6F 居室
    | |1F ロビー
    | |BF シャワー室 食堂
============

建物は海外によくあるコンクリートでできた建物で
留学当時すでに築40年を越えており外観も内装も所々にガタが来ていました・・・苦笑

私はそんな寮の6階の部屋が割り当てられました。
寮にはエレベーターもなく・・・食料品の買い出しは毎回大変でした。
(そもそも寮は小山の頂上にありスーパーは山の下・・)

留学生活も中盤に差し掛かり、中国での生活にも慣れてきた
とある日の夕方にふしぎな体験をしました。

課題も終わり、部屋で1人ボーっとしていると

タッタッタッタ

誰かが走り回っているような足音が聞こえてきました。

廊下に繋がるドアの方に目線も向けて確認するも
音はそこからでは無さそう。

タッタッタッタ

どうやら上から聞こえてくる

子供が鬼ごっこでもしているのかな珍しいなとかボーっと考えていましたがここは一応大学寮。

国籍はバラバラでも自分も含め18歳以上の大人が入寮しており鬼ごっこするような子供はいないはず。

また私の部屋は先ほどもお伝えしたとおり、寮の6階にあり上は屋上。

建物自体はコンクリート造りで、古いと言えど音はあまり鳴り響かない造り

ここで屋上の補足をすると屋上は通常は上がれない仕様。

屋上に続く階段は途中で階段にベニア板が打ち付けられており、ベニアでできたドアも南京錠で封鎖されています。

この封鎖の仕方が何とも言えない粗雑さでした。

とりあえず誰にも上に上がって欲しくないから
身近にあった板で塞いでおいたよという感じで…

でも絶対上にいけないのは困るから簡易ドアのようなものも一緒に作り、普段は南京錠で施錠しておくというものです。

ドアの真ん中には菱形の逆さ福のポスターが
貼ってありました。

鍵は1階にいる警備の膀爺(よくロビーで寝てるおじちゃんでたまに館内を巡回してる)しか持っておらず誰も行けないはず・・


タッタッタッタ 


最初はそこまで気にしていませんでしたが、
しばらく走り回っている音がする。

タッタッタッタ

屋上を珍しく開放してるのかな?

段々と気になってきたので部屋から出て
屋上に繋がる階段に様子を見に行くもいつも変わらず施錠されていて・・

おや?

じゃあこの足音は下の階の反響?と思い
そのまま階段を下り廊下を覗いても誰もいない。


タッタッタッタ


でも部屋に戻ると頭上の音はまだ聞こえる。


タッタッタッタ


ザッザッザ


足音的に複数人いるな・・

でも階段からは上には行けない・・


この足音の主はどこから上がったのだろう?
私はちょっとずつ怖くなってきました。



もう一度階段を見に行こうかなと部屋のドアを開けると、向かい部屋の友人も困惑した顔で自室のドアを開けているところでした。  


頭上の足音について聞いてみると、友人も音が気になり部屋から出た様子。


一緒に屋上に繋がる階段を見に行かないかと話した瞬間。



ダダダダダダダダダダダダダ‼︎‼︎




と足音が階段のほうに向かって一瞬大きくなり
急にピタッと止まりました。

『.......え?』 


二人で顔を見合わせて言ったのを覚えています。


何かが終わったのであれば降りてくるはずと
しばらく廊下から階段の方を見ていましたが、誰も降りてくる気配はありません。

それもそのはずです。

だってそのドアは外側(私達側)から
南京錠で施錠されているのです。

さっき確認しにいったじゃないか。
そこから出てくるはずない。
きっと他の所から登れるところがあってそこから降りたんだ。

と友人と話しながらも

でも階段から繋がる屋上の出口の方に足音は一斉に駆け出したように聞こえたけど…

と心の中で考えていました。

私と友人はすっかり怖くなり、とてもじゃないけとあの階段には近づけない。でも原因が分からずこのまま夜がくるのは怖すぎる。

そこで斜向かい部屋にいるクラスメイトの韓国人の男の子の部屋に行き事情を伝え南京錠が取れていないか見てきて欲しい。
ついでに膀爺に今上に誰かいたから確認して欲しいと依頼。

少しすると眠そうな怠そうな警備のおじちゃんが少し息を切らしながら6階まで上がってきてくれました。

私と友人は改めて先程の話をおじちゃんに話して
屋上を見てきてもらうことに。

ベニア板についた南京錠を外して上に進むおじちゃん。

人が増えたことで恐怖心が薄れた私も一緒に上がってもいいかと聞くと、危ないからダメとドアを跨ぐことも禁止されたので階段下で待機していました。

結論、屋上には誰もいなかったそうです。
屋上のドアも埃だらけで人が来た様子はないとの事。
そして屋上に出るにはやはりこの階段からしか行く方法がなく、鍵は一つしかない。

鼠の足音と聞き間違えたんじゃないか?と笑って言っておじちゃんはロビーに降りて行きました。

私と友人は納得がいきませんでした。
だって2人とも間違いなく結構な時間音をきいているのです。

ネズミの足音にしては大きすぎたし
音が消える直前に聞いたあの足音は
数人が一斉に走り出したような大きい音でした。

結局
それっきり足音を聞くことはありませんでした。

あの足音はなんだったのだろう?

本当にネズミの足音だったのでしょうか?

人間でなかったとしても音の主はどこに行ったのだろうと


今でもふと思い出します。


#夏の夜に
#ちょっぴり怖い話
#ふしぎな体験


今回の話の裏話?というか補足を別Noteにまとめましたのでご興味のある方はご覧ください。



最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。

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