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『恋人以上のことを、彼女じゃない君と。』あとがき

持崎湯葉です。

『恋人以上のことを、彼女じゃない君と。』シリーズが完結しました。
本当にありがとうございます。

なので、あとがきを書きます。
なので、現在ここで筆を取っております。

「なんでじゃい」と思った方も、「今更かい」と感じた方も、
ぜひ付き合っていただければ幸いです。

ちなみにnoteでのあとがき投稿について、
ガガガ文庫様より許可はいただいております。

なぜ本編であとがきを書かなかったか。

本シリーズを読んでくださった方ならご存知とは思いますが、
『恋人以上〜』には、あとがきがありません。

その理由をまずご説明しますと、
シンプルに余韻を大事にしたいと思ったからです。
ありきたりな理由ですみません。

本作は1巻の段階では、
単巻完結も想定して制作していました。

当時の持崎の脳内では、
「単巻は1冊の破壊力で勝負せねば」との意識が強く働いていました。
読後感に至るまで完璧なものにしたいと考えたのです。

なので余韻を邪魔してはいけないと、
あとがきをカットさせてもらったのです。

ただその後、続刊へと踏み切りまして。
1巻であとがきをカットしたことが、ここでジワジワ効いてきます。
続巻にてあとがきを書くのが、決まり悪くなってしまったのです。
よって、最終巻に至るまで、あとがきをカットしてきた次第です。

これはマジで言わせてください。
断じて、面倒くさかったからではありません。

なぜ続刊したのか。

前述の通り、本作は単巻完結も想定していました。
「も」というのは、ハッキリとは決めていなかったのです。

続きを書こうと思えば書ける。
むしろ2人の行く末まで、見えている。
だから糸と冬という名前をつけたわけで。
でも蛇足になるかもなぁ。蛇足やだなぁ。

と、こんな感じで6割くらいの感覚で
「単巻でもいいかなぁ」と思っていました。

ではなぜ続刊したのか。
発売前後の反響が、想定以上に大きかったからです。

特に発売前、表紙イラストとあらすじを公開した時ですね。
ちょっとビックリするくらいの反応がありまして。
たぶん持崎湯葉のX(旧Twitter)史上、
最もRT・いいねがあったんじゃないでしょうか。

そして発売後、読者の皆様の感想等を確認したところ、
そちらもまた大好評でして。
「これはもう、続けなきゃな」と思い、続刊を決めました。

その結果『このライトノベルがすごい2024』にて
新作6位・総合8位にランクインさせていただきました。
続刊していなければ、結果は変わっていたと思います。

それもこれも、あの耽美な表紙イラストを描いてくださったどうしま先生。
そして後押ししてくださった読者の皆様のおかげです。
本当に、ありがとうございます。

そもそもなぜ書こうと思ったのか。

「全編ピロートークみたいな話」
ガガガ文庫様にお送りした企画書には、こう書いていました。
つまり、もっとソフトでライトなエロを書く予定だったのです。

いわゆるサザエさん時空で、
社会に疲れた元カレ元カノ同士が、性的にイチャコラし続ける短編。
ただただ楽しいだけのエロコメディ。
そんなイメージで書き始めたのを覚えています。

ただ実際に書いていくと、
物語を通して糸と冬の人格を形成していく中で、
「これはあまりソフトな話じゃないのかもしれない」
と思うようになりまして。

なので、あのような形となりました。
僕としても初稿を書きあげたのち、けっこう動揺しました。
キャラが勝手に動いたにも程がある出来だなと。

でもその判断が、このラノTOP10入りという結果へと導き、
自分でも満足のいく『終巻』へと辿り着くことができたと思うので、
良かったなぁと思っております。

そういえば

Xで触れたので、こちらでも一応記載しておきます。

糸にはZARDが好き、という裏設定があります。
中でも「君に逢いたくなったら…」という曲がお気に入りでして。
終巻では歌詞の一部を引き合いに出しています。

というか、僕自身がけっこう、
この曲に影響を受けて、本作を書いたと言えるかもしれません。

「君に逢いたくなったら…」
音楽サブスクでも配信されているので、ぜひ聴いてみてください。

終わりに

最後に謝辞を述べさせてください。

まずイラストを描いてくださいました、どうしま先生。
皆瀬糸というキャラクターに生命を与え、
様々な表情を表現していただき、ありがとうございます。
1巻表紙を見た時の衝撃は、一生忘れられません。
いちファンとして今後の活躍を楽しみにしています!

編集部ならびに担当編集様。
なかなかのヘンテコな企画を通していただき、
また最後まで付き合っていただき、感謝感謝です。
今後ともよろしくお願いします。

最後にここまで読んでくださいました読者の皆様。
改めて、読者の皆様に支えられた作品だと思っております。
終わりまで付き合っていただき、ありがとうございました。

持崎湯葉


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