引き寄せまくる、母
ポジティブすぎる母との日常に関しては、今まで何度か記事に書いてきた。
よく、引き寄せの法則、と言うのを耳にする。常に波長を高めていると、自分の望む出来事を引き寄せるのだという。
私の母は、この引き寄せがめちゃくちゃうまい。
「あー、また引き寄せちゃったよー」としょっちゅう言っている。
母は家族の中でもずば抜けてポジティブな性格で、常にニコニコ、波長が高い。私はいつも目の前ですいすいと母の望みが引き寄せられる光景を目の当たりにしているから、否が応でも“波長が高いと何でも引き寄せられる”という事実を信じざるを得ない。
そんな母との一幕。
今日の夕方のことだ。家に帰ってしばらくすると、母が思い出したように私に言った。
「あ!お父さんに水菜買っといてって頼まれたのに、今日買い物するの自体忘れてたわ!」
そういえば、昨夜父が母にそんな頼み事をしていたところを私も見ていた。
「ちょっくら歩いてマルシェ行ってくるか。一緒に行くよね。」
そう言って母はエコバッグを手に取り、出かける準備を始めた。
最近家の近くにできたマルシェ。歩いて7分のところにできたおかげで、買い忘れの時は特に重宝している。母と私は水菜を求めて2人でマルシェに向かった。
家を出て5分ほど歩いた頃だろうか。
「あ!!カード忘れた!」
母が、クレジットカードを家に忘れてきたというのだ。
「現金で払えばいいじゃん」
そう返したが、カードで支払うと5%引きになるらしく、割引率を考えると今引き返して取りに戻る価値があるらしい。
私は面倒だと思いながらも、しぶしぶカードを取りに母と家に戻ることにした。
「きっと、こうやってカードを取りに帰る時間も、後々なにかに繋がっていくのよね!」
忘れ物に悪びれるそぶりもなく、相変わらずポジティブ発言の母。
家に着き、玄関を開けると、
「あ!!カード、持ってたわ!」
え!!
なんと、カードをポケットに入れていたことを忘れていたのだという。
ぬあんと。。今わざわざ引き返してきたこの時間は何だったのか。。流石に呆れてきた。
「ごめん、ごめん。でも、カードをポケットに入れたことすら忘れるってよっぽどだからさ。きっとこの引き返す時間には何か特別な意味があったってことよ。今はわからないけど、ちゃんと何かに繋がってるわ。」
もう、なにがなんだか、流石に無理がありすぎる。笑
そう思いながら、またマルシェに歩き始めた。
歩いて7分。マルシェ到着。さて、入ろう。入り口に来た瞬間だった。ん?蛍の光が流れている。。?
!!
携帯をみたら、18:03。マルシェはコロナの影響で営業時間が1時間早まっており18時閉店だった。
「あらま!」
マルシェは、閉店していた。母のカード引き返し事件がなければ、ギリギリ買い物できていた時間だった。
「もう!家に引き返さなかったら、間に合ったのにー!」私は思わず母に怒った。
「ま、こういうこともあるよね。じゃあ、車でスーパーまで行くか」母は水菜を買うこと自体は諦めていない様子。
私も母に付き合い、2人で家まで引き返して車に乗り換え、スーパーに向かった。
「そういえばダイソーで買いたいものあったから、スーパーの後に寄っちゃおう。ダイソーにも行けてラッキーだ。」母は、そう話しながら車をスーパーに走らせた。
スーパーにつくと、夕方なだけあってなかなかの混み具合。他の商品には目もくれず、水菜を求めて2人で野菜コーナーに向かった。
…すると、ここで、引き寄せの母の本領を目の当たりにすることとなる。
!!!!!!!
なんと!!!!
水菜が、「助けてください!!」言うてる。
しかも、1束10円?!?!
今までの不運の伏線が気持ちよく回収された瞬間だった。
「そうか。今日マルシェに行けなかったのは、この水菜を助けるためだったか!マルシェで5%引きより遥かに安い水菜に出会えた。ふふふ」母は嬉しそうに笑い、速攻父に報告の電話をしていた。笑
「水菜が10円なんだけど、何束買っちゃう〜?」テンション高めに父に相談し、結果3束の水菜を30円で救っていた。
他の野菜は定価の中で、あろうことか水菜だけが破格。しかも助けを求めている。
今日もまた、母の引き寄せのエネルギーを目の当たりにしたのだった。
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