010.ドンキーコング

　アドベンチャーモードでドンキーコングを解放した。彼は別のモードだと初期から解放されているのだが、私は頑なに使わないでいた。そうじゃないと解放した瞬間の嬉しさが半減するような気がしたのだ。
　初めて使うドンキーコングはパワフルで頼りになるゴリラだった。いや、コングだった。コング？コングってどういう意味？私はコングのシンプルな操作性と力強い一撃にすぐめろめろになってしまった。こういうのでいいんだよ。植物を抜いたり、インクで周囲を染めたり、そういうのはよくわからない。私にとっては力こそパワー。殴りつけ、叩き潰し、蹴り飛ばす、単純明快だ。闘争とはかくあるべきなのだ。しかし、ちょっと使うと荒も見えてきた。私は今までマリオとカービィを主戦力にしてきた。攻守バランスの取れたマリオと復帰力の高いカービィに慣れていると攻撃偏重で復帰力の弱いゴリラ、いやコングでは使える戦術が全く違う。戦いの方向性を完全に変える必要がある。個人的にはごりごり押し込みたいところだが、隙が大きいので逆に慎重な運用が求められるのだろう。雑に扱っても強いカービィとは違う。だが我々の出会いは今日なのだ。使いこなして見せよう、コングよ。愚かな人類を一人残らず叩き潰してやるのだ。慈悲など無い。法は人のもの。人外のコングに適用される法は一つもない。許すな！全てを！お前が法だ！！