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奥出雲おろち最後の夏[後編]〜青春18きっぷ2023夏②〜

三次6:50→8:14備後落合

三次の朝は早いのです。
乗り遅れたら絶対アカンな始発に乗って備後落合駅へ向かいます。

出発してすぐ、プアー!!!と警笛が鳴って、田んぼのど真ん中で急停車したんで鹿でも出たか?と覗き込んだら草刈機を持ったおじさんがひょっこり(!!!!!)
沿線の草刈りをしてたみたいだけど…草刈機の音で聞こえなかったんかな^^;怖っ

備後落合行きには学生がたくさん乗ってました。ある駅で全員降りたら、また別の学校の生徒が乗ってきて、降りたらまた乗ってきて、降りる…っていうのを3回くらい繰り返し、備後落合に着く頃には残された旅行者の数人となりました。

備後落合

滞りなく備後落合に到着いたしました!

さて

高まりが無双する時刻表


奥出雲おろちは12:57

ここで4時間以上の待ちが発生します。チーン。
この奥地の駅でですよ。最高じゃないですか?
ああ、コーフンしてきたな!!!

何も無いようで実はある落合界隈

駅から徒歩26分のところに9:00から空いている温泉があるんですよ。や、汗だくで行って風呂に入ってスッキリしても、結局汗だくで帰ってくるじゃん!て感じなんですが、まぁ良いでは無いですか。行ってみましょう!

平地よりはいくらか涼しく、風もあったので気持ちよかったです。
しばらく歩くとただの民家のような建物が…

こちらが高尾の湯。想像していたよりずっとキレイ!こちらを管理しているおばあちゃんが温かく迎えてくれました。料金500円を支払い一番風呂をゲット!


お風呂上がりは休憩スペースで川のせせらぎと時折入ってくる風に身を任せて贅沢な時間を過ごします。

お風呂上がりには、やっぱスイーツが欲しいよねって事で。

おばあちゃんもオススメ、徒歩20分のところにあるジェラート屋さんへ向かいます!

種類も豊富で、ベーシックなものから変わり種までたくさんあるのでめちゃめちゃ迷います…せっかくなのでトマトとグリンピースを選びました。
めっちゃ美味しかった!!!

お値段もかなり良心的では(これでも値上げしたようだけど)

この時間に徒歩で現れた人間を見ると察してくれるのかメッチャ優しくしてくれて「トロッコ待ちで来たんやろ?まだ時間あるからここで涼んで行き〜!」と。その温かさに目からも汗が…

落合駅へ戻る道中にあった踏切。蒸気機関車の標識がエモすぎる!

いったいいつからここに有るんだろう…

その先にはギャラリーがありました。地元の方々が大切にしてるんだなぁとほっこりします。

旧道のトンネルかな?こんなふうに塞いでるのは初めて見た!面白い!

と、なんだか充分すぎるほど満喫して12:00前には備後落合に戻ってきました。

昔の写真や地域の情報などたくさん飾られてる駅舎

本当はここから欲張って、ドライブインおちあいでお昼ご飯を食べる予定でした。そして木次方面からやってくるであろう奥出雲おろち号を写真に撮れたらなぁと。

しかし、すでに1時間以上歩いていた私はヘトヘト…流石にハード過ぎた。無理は禁物なので諦めます。

制服姿で腕に「機関士」とタグをつけたおじさんが居て、せっせと準備を始めていました。何と、国鉄で機関士として実際に働いており、備後落合でボランティアガイドをされている永橋さんという方でした。

https://youtu.be/UAAWPVdi0_Y?si=6psfR3AHvHF_Gpem


実際に働いてた方からお話を聞ける機会なんて滅多に無い事なので、有り難くガイドを聞くことにしました。


三次・新見・木次の三つの方面からやってくる列車が落ち合う駅という意味からつけられた備後落合という駅名。その名前の通り、昔は山陰と山陽を結ぶ要所としてとても賑わっていたんだそうです。今は閑散としてるけど線路がたくさん残っているのは、その時代の名残なんですね。一時期は100人もの人が働いていたそうです。
ガイドの永橋さんから語られる当時のエピソードって本当に聞いていてワクワクしました。もう今は見ることのできない景色を思い浮かべることが出来るんですよね。雪かきの作業員として冬だけ働いてた近所のおじさんの話面白かったな〜。当時を再現した模型なんかもあるみたい。何度来ても新たな発見がありそうですよね!

奥出雲おろちさま登場!

ついに本日の主役、奥出雲おろち号が入線してきました!
乗るのは去年の11月ぶりです。またご一緒できるとは…涙
残念ながら奥出雲おろちは引退が決まっています…それでもガイドの永橋さん曰く、それまで保つかどうかも分からないほどギリギリの状態で運行してるそう。整備の方々には感謝しかありません!

この木々の間からキィーキィー音を立てながら少しずつ近づいてくる青色の車体が、めちゃめちゃたまらんのですよ…

平日だからかシニア多数のガチ宴会勢って感じで、お座敷列車と化してました。クーラーボックスまで持ち込んでおり完全に酒盛りに来てるよっていう。もっと濃密な鉄道ファンが居るのかと思ってた。
(ちなみに後日、備後落合に再訪するんだけど、とんでもない人数の鉄オタと、パワーを目の当たりにすることになります。この話はまた…)

トロッコ車両は4人席しかないので、ぼっち旅のような私は少々苦手だったりするのですが、何故だか同席の方々は座ることはなく、殆ど独り占め状態。
予約すると連結している普通車両にも乗ることが出来るので、そっちに座ってたのかなぁ?

ついに出発!奥出雲おろち最後の夏の始まりです〜!手を触り合うのってなんか感動しますよねぇ…

ゆっくりゆっくり進みながら緑豊かな景色をゆくおろち様。
この辺りは地形が険しいので、いつ何が起きても停車できるよう徐行運転なんだそう。実際のところ備後落合に居た撮り鉄の方が、先々のポイントに出現してたんで、車の方が余裕で早く着けるっていう現実…モータリゼーション大勝利ですね。

でもこのゆっくりな感じが本当にトロッコにぴったりで、夏の風がめちゃめちゃ気持ちよかった!(去年の秋は寒くて寒くて心が折れた)

JR西日本で一番標高の高い三井野原駅を越えると、見どころのループ橋が見えて来ました!殆ど見えん!

この三井野原から出雲坂根は、たった一駅と侮ることなかれ!
167メートルの標高差があるのでトンデモ遠回りだけじゃ足りず、行ったり来たりの3段式スイッチバックを経て降りていくという、大変に手間のかかる区間なのです(喜)(喜)(喜)
昔は今みたいに大きな橋を架けたり長いトンネルを掘る技術がなかったので、いろいろな手法で鉄道を通してたんですよね。

トンネルに入るとトロッコ内が暗くなりタイムマシンに乗ってるようなワープ感を味わえます。

20分かかって出雲坂根に到着。
三井野原からダッシュしたら出雲坂根に間に合ったりするんかな…?

18分ほど停車するので延命水をげっと!行きは5分くらいしか止まらないのでバタバタしなくて良いのはありがたい。

100歳まで長生きした狸にちなんで延命水と付けられたんだとか。

さてさて、ここからはお楽しみグルメ区間(って勝手に言ってる)に入りますよ!

サイトより

沿線上にはいろいろなグルメがあるんですが前もって予約すればホームに売りに来てくれるんです!
昔は駅売りなんて当たり前だったろうけど今はなかなか無いかなと思うんですよ…それがこんなにバラエティ豊かにあるなんて最高では!
実は去年乗った時、下調べが不十分で買えなかったんですよね。だから今回は絶対手に入れるぞ!と、亀嵩駅そばを予約。
お釣りが出ないように750円を用意しておいて下さいね〜と言われました。

駅長さん自らトロッコ越しに売りに来てくれるという、旅情をかき立てまくる最高のシチュエーションにテンションぶち上がりまくった私…

めっちゃ食べ応えのあるそばで難儀したけど山芋と温泉卵がつゆに合って美味しかったです。八川そば食べてる人が何で顔から貪り食いに行ってたのか分かった気がした。よくあるそばみたいにツルツルって食べれないんだねw

産直市が併設されている出雲三成で20分停車したので、お土産に生そばと半額になってた炊き込みご飯を購入。なんか買って帰りたいな〜って時に絶妙に途中下車させてくれるなんて有り難い!

VIVANTの情報皆無系ポスターあった

そして奥出雲おろち様との時間も終わり…

走りながら写真を撮る人々

宍道行きの接続が3分しかない上に反対ホームなので、おろち様との別れを惜しむ間もなく走らされる羽目に…涙

ちなみに前には無かったラッピング車両が登場しとった。木次線気合い入ってるなぁ。

これでもう乗ることは無いだろうけど、最後にトロッコの醍醐味を存分に味わえた気がする。
ありがとうおろち様!!!!

さて、18きっぷの旅はまだまだ続きます。

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