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MF2 リード率にこだわる理由

MF2バトルマニア」執筆以降、簡易相性判断表などを活用し、リード率(試合時間残り15秒の時点でライフ率がリードしている確率)が最も高くなる技の調査・研究を続けてきました。先日行った(まだ終わってませんが)ガッツダウン技のリード率調査もその一環です。普通にライフを削っていくよりも、相手のガッツを攻めた方が有利になる確率が高いなら、当然そちらを使うべきですから。

終盤はリードしている側が圧倒的に有利

リード率が最高になる技と対戦組み合わせを把握したい理由はただひとつです。リードした状態で試合終盤を迎えたプレイヤーの方が圧倒的に有利だからです。極端な話、リードしている側はそのまま何もしなくても勝てますが、負けている側が勝つためには相手に技を当て、逆転しなければなりません。しかし実際には相手が何もせずただ黙ってやられてくれるわけはなく、モーションの長い技を出して時間稼ぎをする、積極的にK.O.を狙ってくる、小技でハメる、ガッツを削るなど、さまざまな手段で反撃を阻止してきます。そうした妨害をかいくぐった上で相手より先に技を出し、その技を命中させてさらにライフ差を逆転しなければならないわけですから、終盤負けている側の方が負担が大きいのは確かです。もちろん中には終盤の追い込みが得意な種族もいますから一概には言えませんが、基本的には先ほど述べたような理由で、終盤時点でリードしている方が有利だと言えます。

負けている側の勝率は命中率×1/2程度と考えるべき

では具体的に、終盤で負けている側はどの程度不利なのかを見てみましょう。
残り3秒、時間的に技が1回しか出せない場面で、命中率60%の技で最後の勝負を仕掛けると仮定します。ライフ差はわずかであり、この技が命中さえすれば逆転勝利できます。では、勝率は60%でしょうか?いいえ、違います。先ほども述べたように、相手も技を出すためにボタンを連打しているはずです。プレイヤー間でよほど連打のスピードに差がない限り技を出せるかどうかはたいてい50%前後になるはずですから、ここでは技を出せる確率を50%と仮定します。そうすると

技を出せる確率(50%)×命中率(60%)=勝率30%

となります。命中率が低い技だったり、出した技がクリティカルしなければ逆転できないなどの条件が付けば、さらに勝率は低くなります。よって最終盤に負けている側の勝率はたいてい3割ほどでどんなに高くても4割程度、ライフ差がついていればさらに勝率は下がります。おまけに勝っている側は何でもいいから技を出せれば良く、負けている側は「相手のライフを逆転できる技」を出す必要があるため選択肢が少なく、その点でも負けている側が不利と言えます。

以上のことから、リードした状態で終盤を迎えることの重要性が理解できるかと思われます。終盤の連打合戦のスタートラインは両者同じではありません。ライフ差がついた状態から始まるため、当然ながらリードしている側の方が有利になります。ゆえに私は、リード率にこだわるようになりました。最終盤時点でリードしていれば勝率70%、負けていれば勝率30%となれば、リードした状態で終盤に突入できる試合が多い方が絶対に得ですから。

堅実=最適解とは限らない

PS版の頃からマニュアル対戦を続けている古参勢は、「堅実に戦う」ことに固執している傾向があります。具体的には、低コスト・高命中率・低火力の技を主力に据え、できるだけ着実に相手ライフを減らしていく戦術です。
もちろんこれは立派な戦術であり、否定する気はありません。ですがこの手の技の性能はたいてい似通っており、よほど補正や技の火力に差がない限り、リード率は45~55%程度に収まってしまいます。そうするとどちらの技も平均的に当たるならたいしてライフ差はつかず、最終的に勝負は終盤の連打合戦に持ち越されます。このまま戦えばどちらのプレイヤーも、勝率はおよそ50%と言ったところでしょう。
実際には確率に偏りが生じ、不利を悟ったプレイヤーが早々により勝率の高い技に切り替え、勝利を狙う展開になるでしょう。この技の適切な切り替えや先を読む能力の高いプレイヤーが、勝率を上げることができるプレイヤーだと思います。(もちろん連打が強いプレイヤーも勝率は上がりますが、よほど身体能力に差がないとこれは限界がある気がします)
また、そうした「堅実な技」の性能に差がある種族との対戦では「相性が悪い」の一言で片付けて、その相性差を埋める、あるいはひっくり返す研究は、今までほとんど行われて来ませんでした。

しかし、勝率を割り出すベースとなるリード率を底上げできるとしたらどうでしょうか。例えばリード率が50%、終盤にリードしている側の勝率が70%だとすると、最終的な勝率は50%です。しかしリード率が60%になったなら、最終的な勝率は54%になります。100回戦ったとして、「負けだったはずの試合で勝った」という試合が4回も増えることになります。リード率70%なら、最終58%です。特にテクニックや経験も必要なく、主力技を最適なものに変えるだけで勝率が上げられるなら、これほど簡単なことはないと思いませんか?

本当に勝利にこだわるガチ勢なら、「堅実な戦術」より「リード率が上がる戦術」を採用すべきです。特に「堅実な技」同士が戦うと相性が悪い場合ほど、リード率を重視すべきです。コストが高くても、命中率が低くても、リード率が高ければそれだけ基本的な勝率は上がります。「堅実」であっても、負けたら意味はありません。もちろん戦術の練度は古参勢ほど豊かですから、それだけで勝てるかは微妙なところです。しかし古参勢が相手でも主力技がリード率の低い技なら、自分がリード率の高い技で戦えば、基礎的な勝率は高くなるはずです。「堅実な技」同士が戦ってリード率が40%なら一見相性が悪そうですが、戦術を変えることでリード率が60%になるなら、それは相性差をひっくり返していると考えることができます。また、事実として相性が悪い組み合わせであったとしても、戦術次第でリード率が5割に近くなるなら、十分に勝負することが可能です。

最後に宣伝です。私がnoteで執筆している「いぬらぼ」では、いろんな種族のいろんな対面を想定してリード率を計算した結果を掲載しています。この計算の根拠となっている技の評価値については「MF2バトルマニア」に記載しておりますので、本書をお読みいただければリード率がより理解しやすくなると思います。何なら「MF2バトルマニア」(フルセット)の付録である「改良型簡易相性判断表」を使えば簡単にリード率の算出ができますので、ご興味ある方はぜひともお試しいただければと存じます(*´ω`*)✨

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