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いぬらぼ35(手数VS補正③)まとめ:パニッシャーが強いと言われるワケ

「手数VS補正」というテーマを扱った2つの記事(いぬらぼ3334)の調査結果から読み取れる重要な情報。それは、原則として手数<補正、つまりガッツ回復が遅いほど強い ということです。ナーガのG8とG16で突きを主力にした場合や、ピクシーのG6とG16でフレイムを主力にした場合でもリード率が高くなるのは重い個体の方だという結果を見れば、これは間違いありません。これはガッツ回復が遅くなって手数が減っても、火力や命中率にかかる補正で十分カバーできる、むしろそれ以上に強くなるということを意味しています。
この原則が覆る、つまり軽い個体の方が強い となるのは、主に以下の条件を満たすケースです。

・モーションの速い主力技のガッツダウン効果が強力(最低でもGD10以上)
・ガッツダウン技が強力(モーションが速い、低コスト、高ガッツダメージ、高命中率 など)

この条件を満たすのは主にメタルナー、コロペンドラ、ラッキー、ダックン、ピクシー、ホッパー、ナイトンあたりでしょうか。いずれのケースの場合もカギを握るのはガッツダウン効果なので、ガッツダウン効果を軸に攻撃しないタイプの種族は、原則的に補正をかければかけるほどリード率は高くなるということになります。
ただし、リード率はあくまで確率。毎回確率どおりに攻撃が当たるなら、ほぼ確実にガッツ回復が遅い個体の方が勝つでしょう。しかし確率には振れ幅があり、ガッツ回復の速い個体の方が振れ幅が少なくなるというのは、軽い個体の強みということになります。

例えばナーガを例にとって考えてみましょう。最速個体はパニッシャーのG8、最遅個体は羽化テロルシザーズのG16となっており、以前の記事では、突き主力の場合はG8よりもG16の方が3~7%程度リード率が高くなるという調査結果が出ています。では、両者のちょうど中間のガッツ回復の速さを持つ、G12のベニシャクトリと対戦したという仮定で、どの程度のダメージを与えられるか、検証してみましょう。

いぬらぼ39-1

ここから、命中回数が平均から前後2回上・下振れした場合のダメージを見てみます。

G8:412~824(平均値618)
G16:276~828(平均値552)

このとおり、ダメージを与える能力自体はG8個体の方が高いことが分かります。簡易相性評価上では重い個体の方がリード率が高くなるのは攻撃能力が高いからではなく、補正によって相手の攻撃の命中率や火力が下がり、受けるダメージが少なくなるのが理由なのです。しかし上記の数字の比較結果を見ての通り、技の使用回数や命中回数の関係で重い個体ほどダメージの振れ幅が大きく、確率が下振れした場合は軽い個体よりもはるかに少ないダメージしか与えられません。主力技のモーションが長く、軽い個体と重い個体で使用回数がほとんど変わらない種族であれば確実に軽い個体<重い個体となりますが、主力技のモーションが短い(およそ2秒以内)種族の場合は、手数重視で数多く攻撃を仕掛ける方が、安定したダメージは望めると思います。この条件に当てはまるのはナーガのほか、メタルナー、スエゾー、ゲル、ダックン、ウンディーネ、プラントなどが該当します。

よく「軽量級はトーナメント向き、重量級はリーグ戦向き」と言われますが、その根拠は上記のダメージの比較を見ていただければお分かりになるかと思います。トーナメントは一発勝負のため、確率が下振れしてもある程度のダメージが期待できる軽量級の方が安心できます。一方、試合数の多くなるリーグ戦の場合は、確率どおり以上に攻撃が当たれば補正重視の個体の方がリード率は高くなる傾向にあるため、結果的にはより多くの試合に勝てる可能性が高くなります。試合形式なども考慮に入れたうえで、最適な個体を選出したいものですね。

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