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【日本】なぜ日本の液晶パネル産業は衰退したのか?【歴史解説】

2024年5月、シャープがテレビ向け液晶パネル工場の稼働を停止することを発表しました。

液晶テレビの生産で日本はかつて世界トップでしたが、今やサムスンやLGなどの韓国企業に完全敗北。

なぜなのでしょうか?




★日本企業は3つの理由から液晶に期待していなかった

  • 日本企業はブラウン管テレビで高い技術を持っていた

  • ブラウン管テレビは当時の液晶よりも優れていた

  • より良いディスプレイを作るなら、液晶以外の技術への投資が必要だと考えた(例:プラズマディスプレイ) 
    ・液晶はブラウン管テレビよりも画質が低い
    ・液晶はブラウン管テレビよりもコストが高い
    ・新技術によるディスプレイ製造は高度なノウハウが必要で参入障壁が高い


★しかし、液晶の技術が進歩してコストが下がった

  • ブラウン管技術を持たない韓国企業や中国企業が液晶生産に大量参入

  • 競争により改良とコストダウンが猛スピードで実現した


★日本企業は液晶によるゲームチェンジに対応できなかった

  • ソニーやパナソニックは液晶の開発に完全に出遅れた

  • シャープは液晶技術に巨額の投資をしたが、世界で勝てなかった
    ・リーマンショックにより思うように販売できなかった
    ・量産できず価格競争力を失った(←外販できる汎用性のある液晶は作らなかった;自社製品向けの液晶パネル(亀山モデル))


★そもそも人々は「美しい大画面のテレビ」をそこまで求めていなかった

  • 日本メーカーが目指したパネルは人々にとってtoo muchだった



参考文献


◆学び

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