【第4号 学校では教えない社会科マガジン】現金よこせ/なんのためにお金を配るのか?/配るお金の財源は?

// 学校では教えない社会科マガジン
// 2020年3月31日 第4号
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// 現金よこせ
// なんのためにお金を配るのか?
// 配るお金の財源は?

こんにちは。もちおです。

東京オリンピックの延期が決まって、国民の次の関心は「現金よこせ」になってきた感じがあります。

経済を回していくために国民に何らかの補償をするのは必要なことなのかもしれませんが、「現金よこせ」っていう言葉には何か違和感を感じる。

ということで今回は、「現金よこせ」関連の話を書きます。


なんのためにお金を配るのか?

まず、なんのためにお金を配るのか?です。(この場合の「お金」は、現金だけでなく商品券も含みます。)

僕は、3つの理由があるのかなと思いました。

①国民の生活維持のため
②経済を停滞させないため
③国民の要望に応えるため

3つの理由は完璧に別々の理由ではなくて、それぞれ密接に絡み合っているわけですが、ざっくり分けるとこの3つの理由なのかな、と。


①国民の生活維持のためにお金を配る
まず、国民の生活維持のためにお金を配ることについてです。
「現金よこせ」ってのは、たぶんこれですよね。

なんですけど、僕はこの「国民の生活維持のためにお金を配る」にすごい違和感を抱いています。

実際、コロナの影響でシフトが減ったり解雇されたりして給料が減り、生活が苦しくなる人がいるんだとは思います。

が、もし生活が苦しくなって生活費もままならないんだったら、他の場所で働くなりしてお金を稼げばいいんじゃないの?と。

もし働く場所が一切見つからず、「生活費が足りない」っていうことになったら、生活保護に頼ればいいんですよね。
日本社会にはこういう時のためにセーフティネットとして生活保護を用意しているわけですから。

会社から解雇されてしまった場合には、雇用保険(失業保険)から失業手当が出るのです。
そのお金で生活費をまかなって、別の就職口を見つけるしかないんです。
もし見つからなくて生活費が厳しくなってきたら、生活保護というセーフティネットを利用することになる。

つまり、日本にはすでに生活維持のための仕組みが備わっているんです。

それなのに「生活が苦しいから現金よこせ」って言うのは、ちょっとおかしくないか?って思えてしまいます。

もちろん、最終手段である生活保護は、日本国憲法に規定されている社会権に基づいて「健康で文化的な最低限度の生活」のために不足している分のお金しか給付されません。
あくまで、確保されるのは「最低限度」の生活です。

なので、コロナによる打撃を受けて「このままだと今の生活が維持できない!」って言うのは、たしかに間違ってはいません。
でも、そもそも「今の生活」を維持したいんだったら、自分自身で節約したり副業したりしてお金を確保するべきであって、国が「今の生活」の維持のために頑張らなきゃいけない理由はないわけです。

自分自身で十分な努力をせずに「このままだと今の生活が維持できない!だから現金よこせ!」っていうのは虫が良すぎる話です。

僕自身、お金に困っていないわけではないので、そりゃ現金がもらえるんだったら「ありがとうございます!!」って感じですがw、お金がもらえなかったとしても「だったら何とか自分で稼ぐわ。頑張るわ。」って感じです。

というわけで、
企業から解雇されたら生活を維持できない→失業保険
最低限度の生活を維持できない→生活保護
今の生活を維持できない→自分で頑張れよ
ってことなんですよね。

厳しいけど、これが現実なんです。

コロナの影響でこれからますます倒産する企業が出て失業者が増えるはずですが、そうなったら失業者は別の企業に就職したり新たな事業を起こしたりするだけです。
そうやって経済は新陳代謝を繰り返していくんです。


②経済を停滞させないため
とはいえ、倒産したら困る企業やなくなったら困る産業もあるわけです。

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