見出し画像

サロンドパルファン2022の記憶

 香水沼の浅瀬を泳ぎ続けて早一年。
 自分なりに様々な香水を試してきたつもりでいましたが、私は未だ香水のことを何ひとつ理解できていない、そんなことを思った一年でした。
 最近では、「自分の好きな香りって何?」というそもそもの疑問に直面しつつあります。
 そんなこんなで、光陰矢の如し。
 今年もサロパの季節がやってきた!!
 未だ見ぬ素敵な香りに出会える年に一度のお祭りです。
 ギラギラした物欲を胸に、平日にお休みをもぎとって行ってきました。

1.エディット

エディット ディスカバリーセット
ラコレクション リミックス

 会場全体をまわりながら、まず足を運んだのはエディット
 日本の朱肉ブランドさんの香水です。
 シンプルなガラス瓶に重厚な蓋があしらわれたボトルデザインもどことなく印鑑っぽくてとても良い……実は今回のサロパではじめて出会えたブランドでした。
 ムエットがわりの三角形なガラスの内側をかぐと、どの香水もほんのり和を感じるふんわりした良い匂い。優しい香りでありつつ、それぞれにきちんと個性もあって魅力的です。和の雰囲気がありながら、露骨なお香っぽさがなく普段使いしやすいのではないでしょうか。
 私は二種類あるディスカバリーセットのうち、四種類が入ったラコレクションリミックスを購入しました!

【ラコレクションリミックス】
•jardin des mots
•Souchong journey
•Kagamigoshi
•Green Velvet

 ディスカバリーの中身は上記の四種類。
 なかでも、ふんわりとした甘さの中に時折優しいスパイシーさが香るKagamigoshiがお気に入りです。
 なんと、こちらのディスカバリーにはwebストアで使える1000円OFF券(年内使用可)が入っていてお得どころの騒ぎではありません……個人的にはサロパ会場でも一二を争うコスパの良さだと思います。ディスカバリーでお試しして「気に入ったものがあったらフルボトルもどうぞ」という粋な計らいを感じますね。

2.パルファンサトリ

ひょうげ
大澤さとりさんにサインしていただきました。

 次は、11時から予約していたパルファンサトリ(大澤さとり氏)とリベルタパフューム(山根大輝氏)の日本人調香師同士の師弟対談を聴きにいきました。
 (※2022のサロパでは、セミナーやコンサルといったイベントはエムアイカード所持者のみ予約できる形式でした)
 私にとって、調香師の方のお話を生で聴くことのできる貴重な機会でした。
 今回の対談では「香水」や香水のもとになる「匂い」について、お二人の体験談を交えながらお聞かせいただきました。お話を伺って、やはり「匂い」は記憶や思い出と結びつきやすいものなのだなぁと思いました。
 また、それぞれのブランドの香水で「お茶」というテーマをもつ「ひょうげ(サトリ)」と「チャバ(リベルタ。サロパが初出です)」をムエットで嗅ぎながら、お話を伺いました。
 ムエットで嗅ぎくらべて素直に感じたのは、同じ「お茶」というテーマでもこんなに香りのコンセプトが違うんだ!という驚きです。
 「ひょうげ」は、ひょうげ者として知られる茶人古田織部をモチーフにした、まさに「お抹茶」の香りです。トップは抹茶の苦味と微かな紫蘇っぽさが強く薫るのですが、次第に苦味のかどが取れてまろやかなお抹茶の匂いに、すっきりとしたお花のフローラルさが混じりはじめます。肌につけたばかりの時は、苦味が強く「これが、抹茶なのかな?」という不思議な印象でしたが、次第にフローラルとパウダリーさが顔をのぞかせて落ち着いた何ともいえない良い匂いを醸し出します。お抹茶を立てながら、いけられた季節の花にふと目を和ませる。そんか静かな茶室のイメージでしょうか。肌に纏うと自然と凛とした気持ちになる、唯一無二の香りだと思います。
 私は対談後にこちらの「ひょうげ」のボトルを購入したのですが、その場で大澤さとりさんがサインをしてくださいました。とても嬉しく、またひとつ香りに纏わる素敵な思い出がふえました。
 対して、「チャバ」は「お煎茶」の匂いです。
 トップはやはり紫蘇のような香りを感じるのですが、すぐに、やや酸味の強い馥郁とした茶葉の匂いが広がっていきます。こちらは、普段頂いているお煎茶そのもので、いつまでも嗅いでいたくなるようなほっこりとしたお茶の香りです。コロンコンサントレということで、良い意味であまり香水らしくなくて非常に使い勝手がよさそうだと感じました。
 他の香水とレイヤードしたり、お部屋に吹きつけたり。ライフスタイルに合わせて自由に使えるところがに魅力的ですね。

3.ディファレントカンパニー

ディファレントカンパニー
トラベルコフレ

 こちらは、ディファレントカンパニーのトラベルコフレ(限定品)!!
 これだけは、事前に電話で予約をしていました。ディファレントカンパニーの香水はひとつも持っておらず、何となく前にためした時はどれもエエ匂いだった気がする……というボンヤリした記憶に任せて16,500円のコフレを予約してしまったので内心は心臓バクバクでした!
 いや、でも、ベルガモットとか買おうと思っていたし!と自分を安心させようとして、このコフレにベルガモットは入っていないことに気付きましたが時すでに遅し。
 混雑の極みの中(会場でも一際混んでいました)にあるフォルテのコーナーに向かいました。人混みがすごかったので、キャロンとディファレントカンパニーの新作香水を試して、予約品を受け取り早々にその場から脱出しました。エラケイを試しそこねたのが痛恨のきわみです。
 コフレの中身はこちら。

・サント インシエンソ エクストレ ド パルファン
・スブリーム バルキス オードパルファン
・ニュイ マグネティック オードパルファン
・マジャイナシン オードパルファン

 上記の内容に、コフレの香水をそのまま入れて持ち運べるアトマイザーがついています。ちょっとデカイけどとても便利。
 そして、肝心の香水ですが、これがも〜全部良い匂いで大当たりでした!!タイプの違う四種類のパルファンすべてが、それぞれ特別感のある、うっとりするような上品で嫌味のない匂いでさすがディファレントカンパニーといったところ。どの香りも透明感があるので、肌にのせてもえぐみが出ずとても使いやすいです。
 そのなかでも、ニュイマグネティックが物凄く良かったです…!!香りのノートがさほど好みというわけではなかったので、肌にのせてびっくりしました。
「エッ、何このいい匂い!?」
 これが、ニュイマグネティックの感想のすべてです。トップで心地よく香るジンジャーとベリー。次いで、顔を出してくる柔らかなアンバーとチュベローズをはじめとした華やかな花々の香り。華やぎのある匂いですが、透明感があり、優しいアンバーの温もりに包まれると不思議とリラックスできます。
 とにかくお気に入りすぎて、最近は四六時中つけています。
 オールナイトロング状態。

4.サウザンドカラーズ

サウザンドカラーズ
ウォーターリフレクション

 最後は、サウザンドカラーズ!
 私は前ブランドのトバリが大好きだったので、サウザンドカラーズに対する様々な感情(瓶をどうにかしてほしい、とか)を抱えているわけですが、トバリ時代のウォーターリフレクションが限定復刻するときいて、いてもたってもいられずフレグランスコンサルテーションを予約してブースを訪れました。
 フレグランスコンサルテーション、店員さんがものすごく丁寧に接客してくださって感謝のきわみでした(サウザンドカラーズに限らず、サロパの店員さんの接客は素晴らしかったです)。
 トバリ時代のお話をしたりしつつ、何と全ての香水をムエットに出してくださいました。
 私が選んだのは、やはり、ウォーターリフレクション。
 クチナシの甘やかな香りに、影を齎す墨の香りがたまりません。影がある匂いなんですよね。お香を彷彿とさせる和の香りですが、まったく野暮ったくないので普段使いできるのが◎買ってよかったー!という気持ちです。
 私は夜に日が落ちてからつけることが多いですね。
 他にも、M1700やM0900も好きな香りだったのでまた手に取りたいと思いました。
 最後にこれだけ言わせてください。
 どうか、スプリングスノウも復刻してくれー!

5.まとめ

 今年もサロパ楽しかったです。
 思いがけず、好みの香りに出会うことができて非常に嬉しい一日となりました。
 今回は購入を見送りましたが、クヴォンデミニムのミモザ(日向と花束の清々しい香り)とミヤシンマのマツバ(ミントの清涼感が最高)もよかっのでいつか手にできたらいいなと思います。
 世に溢れるたくさんの香りと出会うことができた贅沢な一日でしたが、そのなかで見つけたお気に入りの香りを日々大切に使っていきたいなと思いました。
 来年もサロパに行けたらいいですね。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?