プレゼントを送ること

11月22日金曜日、本当だったら仕事を終わらせてそのまま渋谷に向かい高速バスに乗って夜には地元に到着しているはずだった。
土曜日は1年ぶりに大好きな大学時代の先輩に会う予定だったし、日曜日は母と久しぶりに地元の有名な定食屋さんに行く予定だったし、期間限定のとろろを食べる予定だったし、おばあちゃんに誕生日プレゼントを渡しにいく予定だったし、10月に出産した地元の友達には出産祝いを届ける予定だった。距離を保ちつつ、少し離れたところで顔が見れたらいいなと思っていた。
1ヶ月前から楽しみにしていた。
大好きな人たちにいっぺんに会えるし、1年ぶりだし、何話そうとか、せっかく会えるからとプレゼントもお土産も沢山買った。

でも全部全部ダメになった。
木曜日に高速バスも復路の新幹線のチケットもキャンセルした。
なんでこのタイミングでこんなに増えるのか、こっちは1ヶ月前から楽しみに楽しみに楽しみにしているのに。
なんでこんな時に急に増えるのか。

「こればっかりは仕方ないよ」「誰も悪くないよ」「また会えるといいね」
今年何度も何度もこの言葉を聞いたし、私も使った。
誰も悪くない。仕方ない。

あれが原因だとか、経済活動がどうだとか、このままいくとどうなるだとか、保証とか、自粛とか、
頭ではわかってる、十分わかっている。
今年何度色んなことを「仕方ない」で諦めたのだろう。

正直第1波2波の時より今回の方がしんどい。
だって今回は本当に帰れると思っていたから。
期待していた分余計にショックが大きかった。

21日、本当は今頃先輩に会えていたのになと思いながらロフトで便箋を買って、スタバでスコーンを食べながら、会う予定だった人全員に手紙を書いた。
街は普段通りで、人も自粛前と同じぐらい溢れていたし、正直これだけの感染者数を叩き出していても4月5月より危機感が薄れていると思うし、自分もそうだと思う。

本当に会いたかったこと、最近のこと、コロナが憎いこと、次会える時を心の底から楽しみにしていること、などなど、会って話したかったことの10分の1にも満たないけれど、今の自分の気持ちを書きまくった。手紙なんて久しぶりに描くから、なんだか楽しかった。
それを渡す予定だったプレゼントに同封して、その日のうちに郵便局に持ち込んで配送した。

後日、プレゼントが届いた人たちからお礼の連絡がきた。
自分の送ったプレゼントの写真を綺麗に撮ってくれたり、出産祝いを渡した子からは赤ちゃんと一緒にプレゼントの写真が送られてきた。
喜んでくれたことが文面から伝わってきて、一人会社のトイレでにやにやてしまうぐらい嬉しかった。

人にプレゼントを渡すことが、人のためにプレゼントを選ぶことが、伝えたいことを手紙に書くことが、人から喜ばれることが、こんなに幸せなことだと最近忘れていた。
直接会って渡せば、もちろんありがとうと言ってもらえるし、相手の表情も見えるのだけど、
送っている間いつ届くかなとか、喜んでくれるかなとか、
受け取った時の相手の表情をこちらでイメージしたし、
直接渡すより、こちらが幸せを感じる時間が長かった気がする。


今回帰省をキャンセルしなければ、このことにも気付けなかったのかもしれない。
また何かプレゼント送りたいなって思った。

実家からは送ったお菓子のお礼に赤からの鍋の素(3袋)と、
地元のお菓子と、大量の冷凍食品が届いた。
どれも私の好物ばかりでどれから食べようか今からワクワクしている。

でもやっぱり直接会いたいな。




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