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サウナ、酒、懐石。極上の選択肢に包まれる秋田・稲住温泉。

宿といえば、私が好んで利用するのは共立リゾート系列の宿だ。
過剰なおもてなしがなく、合理的で快適に過ごせるからだ。

私にとっていわゆる老舗旅館と呼ばれる宿のサービスは、ありがたいが少し気まずい。
例えば、宿に着いた際に従業員の方々が一斉に出迎えてくれる。
荷物を部屋に運び、お茶を注いでくれる。
贅の限りを尽くした料理の数々。
これでもかと常備された豊富なアメニティ……。もちろんサービス自体を否定はしないし、日本ならではの細やかなホスピタリティに喜ぶ人も多いだろう。

ただね。
お茶を注いでくれる時間、何を話したらいいか分からないのよ、私。
料理もね、おいしいんだけど、多くて残しちゃう。
アメニティは「これって使わないと捨てられるのかな…勿体ないから一応使うか…」的な謎の気疲れが発生していた。

一方共立リゾートは、一部の旅館はフロントの案内のみで、荷物は運ばない。
アメニティは部屋にあるのは歯ブラシのみで、その他は一か所にまとめられ、必要なもののみ持って帰る。
一見素っ気ないサービスのようだが、行き届きすぎるサービスに気後れしてしていた私にとっては程よい距離感だった。

今年の夏に宿泊した『湯けむりの宿 稲住温泉』も、当然、共立リゾートの良さを存分に発揮していた。
稲住温泉は共立リゾートが運営する約40のホテルの中でも最高クラスのランクである「プレミアム」というカテゴリーに属している。(ボーナスとインセンが入ったから奮発したのだ。来月のカードの引き落としがやべーぜ。)
ここで、私の感動したポイントを紹介する。

・ウェルカムドリンクが豊富
 日本酒、ビール、サングリア、コーヒー、ラムネなど
・夏だけ特別な縁日イベントがあった
・枕が選べる
・浴衣が選べる(女性)

・サウナと水風呂がある
・シャンプーバイキングがある
・料理は最高だし、量も腹9分目くらい
 
クエのお刺身、稲庭うどん、あきたこまち、秋田牛、はたはたなど、地の物を満喫
・日本酒飲み比べセットが秋田の銘酒新政
・料理の中で何か所か選べるポイントがある
 
しめのごはんもしくはうどん、4種類の中から選べる総菜など
・共立リゾート定番の夜泣きそばが、秋田名物しょっつる出汁
・お風呂上りに無料で「檸檬堂(センスを感じる)」が飲める
・朝も牛乳かコーヒー牛乳が飲める
・内風呂がヒノキ風呂
・布団ではなくベット
 
ベットメイキングに伴う人件費削減だろう

過度なサービスはないが、宿泊者が楽しみを見いだせるポイントがたくさんあるのだ。
そしてなぜ楽しいのか、を考えたときにふと思ったのは、
この宿は宿泊者の選択肢が豊富なのだということ。

「私たちのサービスはこれです」という一択を過ごす時間は、宿泊者は終始受け身で、ゲーム性はない。修学旅行で、先生に決められたコースを歩くようなものかもしれない。楽だが、記憶に残りにくい。
だが、稲住温泉は宿泊者がさまざまな機会で選択し、まるでロールプレイングゲームのようにコンテンツを楽しめる。それは共立リゾートすべての宿に共通する最大の魅力だ。稲住温泉はプレミアムクラスだけあって、その選択肢が最高級なのだ。

ひろゆきが「職業選択ができるゲームはもれなく面白い」と言っていたことを思い出した。起きた結果はあくまで自分の意志の下であり、ゲームのせいにはできない仕組みが働く。そして、幅広い自由な意志を躍動させられる面白さがある。

極上宿でのアドベンチャー。
稲住温泉はそんなコピーがピッタリな空間だった。

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