犬が好きなんですよね

自分の住んでいる街が好きだ。
理由のひとつが、犬が多いこと。
夕方になると、飼い主と散歩している犬が多く、ペット不可の家に住むわたしにはとても微笑ましく感じられる。

すれ違う時に、可愛い犬達を眺め『この子は脚が長いな』とか、『多頭飼いなんだな』とか、色んなことを感じさせてもらっている。
幸せそうな犬達ほど、わたしに幸せを感じさせてくれるものはなかなかない。

そんな中、時々より幸せにさせてもらうことがある。
いつもはすれ違うだけで、言わば間接的に『見るだけ』だ。
しかし、ごくまれに犬の方からアプローチしてくれる直接的な関わりが生まれることがある。

ある日、横断歩道を渡ろうとしていたわたしは、向こう側から小さなワンちゃんと飼い主さんが歩いてくるのを見た。
信号が変わり、お互い歩き出すと横断歩道の真ん中辺りですれ違った。
いや、止まった。
その子は、すれ違うときに立ち止まり、じっとわたしの方を見てくれた。
わたしは、ものすごくときめいた。
可愛い、可愛すぎる。
ここは横断歩道なのに、おかまいなしなんて!
長く止まってはいられない状況だったため実施2秒に満たなかったのではと思う。
ワンちゃんがどんな気持ちで止まったのか分からないが(ポジティブな理由とも限らないし)、その一瞬はとても幸せだった。

他にも、出勤中に4匹の犬達の散歩に遭遇したことがあった。
そのときもすれ違うときに、うち一匹のワンちゃんが立ち止まって近づこうとしてくれた。
可愛い、可愛すぎる!!
もう、その日はそれだけで1日幸せだ。

もちろん、こういうことがあって嬉しさが隠せなかったとしても、適度にすぐ離れるのだけは守っている。
飼い主さんを困らせたり不安にさせてしまうのは避けたいからだ。

このように、犬という存在に小さな幸せをいただいている私だが、決して犬に好かれる訳ではない。
すれ違った多数の子達の中で、関わってくれるのはほんの一握りだ。

すれ違ってくれるワンちゃん、関わってくれるワンちゃん、みんなありがとう。