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第8話:移ってよかった選抜クラス、そして志望校別クラスの始まり

この話は、行き当たりばったりで小学校受験をする事になり、バタバタ受験をした結果無事私立小学校に合格するまでの受験反省ストーリーです。前回の話はこちらから:

なんとかかんとか偏差値を上げる事によって、無事念願の選抜クラスに移る事ができた娘。ついに選抜クラス、初参加です。新しい担任となったのは、体験会以来にお会いする、ハキハキ先生(仮名)。

なんというか・・・

全然ちがう。

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今までと同じお教室とは思えない。

それほどまでに違う。

まず、先生自身が洗練されている。身だしなみはきっちりしていて、立ち姿勢も良い。よく通る大きな声で、明瞭な説明。そして・・・指示の難易度が今までに比べ、格段に高い。

例えば、ペーパー授業の指示はこんな感じであった:

「『はじめ』と言ったら、今配ったプリントの右上に青色のクレヨンで名前を書いてください。書き終わったらプリントを伏せて、クレヨンの箱を閉じてからお父さんお母さんにクレヨンを渡してきてください。戻ってきたら座って手を膝の上で静かに待っていてください。はじめ!」

うっへぇ

青色のクレヨン、プリントふせる、クレヨンは閉じてから両親へ、戻ってきたら手は膝に。

おそらく慣れもあるとは思うものの、サラッと出す指示の多さに衝撃を受けた。大人であっても神経を尖らせないと聞き漏らすような指示を、慣れた様子でテキパキと行動する子達。それを見てなんとな〜く流れにのる我が子。

また、服装も違う。前回まで所属していたクラスでは全員ほぼ私服であった。親はジーンズ、子供は動きやすい服、色はバラバラ。一方、選抜クラスでは、全員紺色であった。紺色の服が並ぶと不思議と緊張感が生まれるのか、親も子も真剣そのもので、私語を挟む余地は1mmたりとも無い。

方針の違いも感じた。今までのクラスはあくまでも楽しくやろう!というのがベースがあり、その上に受験対策が乗っかっているような感じであった。しかし選抜クラスとなるとあくまで合格を目指すための場であり、どんどん負荷を上げる事によって本番で動じない精神を育てる場であるという事が感じ取れた。

選抜クラスでは、あえてプレッシャーをかけるような場面が見られる。例えば、子供達を一列に並ばせ、「春の花を1人ずつ言っていってください」というお題が出る。今までの授業形式では挙手して答えるものだったが、こういった形式だと必ず自分も答えないといけない。しかも前の友達と被っていないものを答えないといけないので最後まで緊張感が漂う。

ペーパーの難易度も上がっていた。

あくまで教材は同じものを使っていたが、先生の指示にアレンジが効いている。例えば、「右の絵の中にあるりんごの数だけ、左の枠の中に赤いクレヨンで三角を書いて下さい」というペーパーの問題。以前のクラスであれば、『左の枠の中に◯を書いて下さい』だけだったところ、選抜クラスでは「赤いクレヨンで」「三角を」と更に指示を増やしての出題であった。また、制限時間が短い。以前は自分のペースでのんびり答えを書いていられたが、「はじめ!」と同時にえんぴつを持たなければ間に合わない緊迫感が漂っていた。

最初の数分で今までとの違いをひしひしと感じつつ、私達は選抜クラスに移れた事に安堵していた。当初の「周りにつられてシャキっとする」ことが十二分に叶えられそうであったからだ。唯一の心配であった、娘がビビってお教室嫌いになる、という懸念も払拭された。娘は特に臆する様子もなく、普通に馴染んでいた。予想通り、娘は周りの環境を非常に受けやすい体質のようで、早くも「ここではちゃんとしないといけない」事を察知し始めたようだった。

ペーパーは予想通りついていけていない娘だったが、さすがに出来ていないという自覚が生まれてきたようだ。そこから「もう少し頑張ってみよう」という意思の変化は・・・残念ながら生じなかった

できなかった事は一切合切、教室を出た瞬間に綺麗サッッッパリ忘れられるのが我が子の凄まじい所である。

志望校別クラス

ところで時間は遡るが、実はお教室では4月ごろから通常クラスとは別に、志望校別のクラスが始まっており、私達はこれらに通うかどうかしばらく迷っていた。

・・・というか、

え、更に通うの?

というのが正直な感想であった。通常クラスは土曜日であった。土日は家族で出かけるのがルーティーンであった我が家にとって、貴重な土曜の数時間をお教室に捧げるだけでも、結構ハードルが高かった。しかし、どうやら併せて志望校別のクラスも週1で通った方が良いとのこと。しかも平日夕方に。

そう、平日。つまり、私が上の子と下の子を連れて三人で通わなければならない。

実は我が家は、幼稚園や自宅からやや離れた場所のお教室を選んでいた(電車乗り換え3回)。なぜなら、幼稚園の近くのお教室には幼稚園の友達がすでにたくさんいたので、すぐキャッキャしたがる娘にとって切り替えには不向きだと判断し、あえて遠い所を選んだのだ。週1度なら問題ないだろう、と思って。

ところが、平日の夕方に更に志望校別のクラスがある、と。。

平日、、ということは、だ。下の子を連れて幼稚園に迎えに行き、幼稚園でしばらく遊んだ後、下の子を抱えたままどこかで上の子を着替えさせ、更に電車で移動し、乗り換え、お教室の志望校別クラスに行き、下の子をどうにか静めながらクラス見学し、夕方頃、大荷物とお腹の空いた乳児と幼児を連れて帰りのラッシュ電車に乗る、と。

嘘だろおい。無理だろうが。

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だが・・・やった。結局やったのだ。通うことにしたのだ。

というのも、当時は選抜ではない、普通のクラスに所属していた私達にとって、志望校別クラスのレベルはかなり高く感じており、模試をクリアせずともその環境下にいられる事は魅力的な条件のように感じていた。当時は模試の点数をあげたかった事もあり、レベルの高いクラスに参加することはプラスであるように感じていたのだった。

また、志望校別クラスの方針も良いように思えた。内容自体は難易度が高いのだが、先生がたくさん盛り上げてくれるタイプだったので、「楽しんで、できた所を褒めて、自信をつけて、伸ばす」という良いサイクルが期待できそうであった。難易度の高い問題にも楽しくチャレンジできる精神もぜひ身につけてほしい事の一つであり、なかなか良い刺激をもらえそうだと考えていた。

授業料はと言うと、普段のクラスの半額かそれ以下であったと記憶している。当時、高額な授業料を払ってレベルの低いクラスを受けていた我が家にとって、その半額でレベルの高い授業を受けられるのも、よかった。(そもそも前半の条件がおかしいのだが、当時は麻痺して気づかず。)

まさかの下の子NG

そんなこんなで、決して楽ではなかったがどうにかこうにかして乳児を抱えながら、平日の夕方にも志望校クラスに通う事にした我が家。しかし、そこで思わぬ問題に直面する。授業中、赤ちゃんが少しでも声を出そうもんなら、「すみませんがご退出お願いしますね〜」と退出を促されるのだ。

いや、わかる。

わかる・・・。

わかるよ・・・。

子どもたちが集中できなくなるからみんなに迷惑なのはわかる。

・・・が、

入会時には下の子OKって言ってなかったっけ。

これ物理的にはOKだけど、状況的にはNGってやつじゃん。話違うじゃん。さすがにこの緊迫感の中で声出す赤ちゃんを連れて居座ろうとは思わないから、退出はするが。。最初から言ってよ。

かと言って、親がいなくてOKかというと、そうでもない。「今画用紙に書いたものをまずは親に説明してきてくださいね」といった指示が度々出るのだ。話違うじゃん。(二回目)

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そんなこんなで、志望校別クラスにお教室に行くたびに下の子の預け先を探す必要が出てきてしまった。しかも夕方に。ベビーシッターにお願いすれば良かったのかもしれないが、当時の私は良い保育所に出会えていなかったのと、何より毎週シッター代を払えるほど我が家に余裕はなかった。(そう、そんな財政状況でも受験自体はできるのだ)

恵まれたことに、実母も夫の母も近くに住んでいたので、毎週どちらかに調整をお願いして預かってもらう事にした。・・・が、2人とも就労中の身である。貴重な休みの日を潰し、目を離せない乳児を何時間も見てもらう上、大したお礼もできない事はなかなか、、、かなり、いや盛大に申し訳なかった。2人とも調整がつかない場合や、預かってもらう日が続いた時なんかは、下の子を連れて行き、教室の外で過ごしつつ、親の出番がありそうな時だけサッと教室に入る、という事をしていた。

さらに、平日の教室が終わるのは夕方以降。大荷物と乳児を抱え上の子の手を引き、ラッシュの電車を3度乗り換えて最寄りに着き、10分ほど歩いて家に帰る。夏前はまだ明るかったが、それでも家に着く頃には日が暮れていた。そこからご飯、お風呂、、と怒涛の時間が始まるのはなかなかカロリーを消費した。この頃は食べても食べても太らなかったのだが、それだけエネルギー消費が激しかったのだろう。

当の娘はというと、志望校別のクラスを心より楽しんでいた。よりレベルの高いクラスに参加しただけあって、指示行動も以前よりもできるようになったし、その次の模試でも高得点をとれたので、結果だけで言えば良い判断だったようだ。

しかし、その決断を支えるために裏で自分が頑張りすぎたように思う。結果が良い方に向かっているのとは裏腹に、私の中では静かにストレスが積もっていった。。

続く!

当時の自分に教えてあげたい事

いや、車使おうぜ。

と、当時の自分に言いたい。移動大変すぎる。・・・が、これには一応訳があります。まず、幼稚園が車登校厳禁だったので、そもそも車でお迎えに行く事が禁止されていました。次に、下の子の車嫌いが激しく、運転中泣き叫びっぱなしになってしまいます。それはそれで疲れるので、電車&徒歩を選んだのですが・・・なかなか本当食べても食べても太ることは無かった事は覚えています。

お教室に入会した時には週1通いだと思っていたので、多少遠くてもOK、いやむしろ遠い方が良いとさえ思っていましたが、最終的に毎日通うことになろうとは、この時はまだ知るよしもなし。。

この頃はまだまだ自分の体力に自信があった事もあり、質の高い習い事なら場所は問わないという傾向がありました。結果、お教室以外の習い事もそれぞれ家から遠い場所にあり、毎日送迎をかなり頑張っていました。当時は特に変だとも思っていたなかったのですが、今考えると相当な体力バカでしたね。力を抜け!効率を考えろ!と言ってあげたかったです。この移動ストレスという塵が意外と後半に向けて積もっていき、変な方向に暴発してしまったような気がします。

今から受験する親御さん達・・・自分のコンディションも大事ですよ!生活動線のついでにあればベスト!!楽して楽して!

さて、実はスタートしていた志望校別クラスですが、このクラスは最初は良いように思っていました。普通クラスよりレベルは高いし、先生は楽しいし、娘は楽しんでいました。・・・ただしこの先生、後々かなりクセの強い先生であることがわかってきます。終盤になればなるほど色々と疑問に思う所が出てきますが、それはまたのちほど。

今回も最後まで読んで下さってありがとうございました!

それではまた次回!


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