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【ちょっと解説】小学校受験のいろは

こんにちは!

小学校受験、実は気になってる・・・けど何、いつから?指示行動?ナニソレ?という状態の方も多いと思うので、今日はそこらへんをまるっとざっくり説明しようと思います!

思ったより長くなってしまったので、下記の目次から興味のある項目に飛んでください。それぞれのディープな話はエピソードで後に登場する予定です。

小学校受験のざっくりスケジュール

20201012_小受スケジュール2

以上がざっくりスケジュールである。お教室によって大分異なる上、個人の塾では上記のような「○期講習」を設定していない事もある。また、東京都とそれ以外の私立小は大きくスケジュールが異なるので、以下から気になる学校をチェックしよう。

小学校受験の準備は、ほとんどの場合、年中の秋(10月か11月)頃から始まる。なぜ秋スタートかというと、本番試験が秋に行われるので、年長児の受験が終わった所でようやく先生の手が離れ、下の学年の授業をスタートできる、という理由が大きいだろう。また、小学校受験では至るところで「季節感」を持つことが重要となってくるので、受験本番までにギリギリ全ての四季を経験できるという点も挙げられる。

大多数の子が前年の秋から準備を始めるのに対し、一部では年少の秋から、もしくは年少になった瞬間から準備を始める家庭もあります。早く準備を始める事のメリット・デメリットを以下にまとめたので、参考にしていただきたい。

早く始めるメリット
・受験に必要なスキルを2年間かけてゆっくりと生活に定着させる事ができる。
・季節を2,3巡できるため、それぞれの季節を体験しながら理解できる。付け焼き刃の知識ではなく、体験として覚える事ができる。
・「知らない」事が圧倒的に減るため、後に生徒が増えてきた時に心の余裕が生まれる。
・以前から通っている事により、後に設定される選抜クラスへの優先的な移動等、特権がつく場合もある。(これは塾・または先生の采配による)

早く始めるデメリット
・長い期間通う事による経済負担・増。

・親の精神的負担・増。(考え方による。短期間の方が落ちた時への精神的負担が減ると思っていたが、意外と短期間でも必死になるので。。結局あまり変わらないのかもしれない)
・子どもの習い事負担・増、親の送迎負担・増。
・入園してすぐに、家族間で「受験をするか否か」の判断を下す必要がある。まだ様子を見たい家庭や、小学校受験に半信半疑の家庭には不向き。
・国立の場合は試験を受けるにあたって抽選が伴うので、そもそも受験できないという可能性が常に残る。結果的にそうなった場合ロスがすさまじいので、国立ONLYで受験する家庭は準備が短め(もしくは準備しない)場合が多い。

以上が試験準備を早く始める事のメリデメではあるが、一点だけ忠告をしておきたい事がある。それは、学校の選別や説明会参加は、年少時から徐々にしていった方が良い、ということだ。(※)

年長児の説明会は、天候不良で無くなるかもしれない。志望校同士の日程が重なって行けないかもしれない。うっかり日程を見過ごすかもしれない。また、説明会やオープンスクール(見学会)は、ヨーイドンでの受付である。前もって「この時期に受付が始まる」と把握しておかないと、知った時・思い出した時には満席、という事がありえるのだ。

ちなみに、説明会に行かなくとも、パンフレットやwebを見ればそれらしい願書は書ける。・・・が、私個人としては行っておいた方が良い派である。なぜなら、その学校の空気感がわかるからだ。親の感覚というのはすごいもので、校舎の清潔度・先生の身だしなみ・先生の雰囲気や話し方などで、「ここは合いそう!」や、「ここは生理的に無理だ・・・」というのが何故かわかるものである。後々無駄な時間を省くためにも、早めに絞り込んでおいた方が対策の方向も絞れる事ができてメリットが大きいと思う。

※ 学校によっては「今年受験する生徒の保護者のみ」と制限が設けられていることもあるので、学校の指示に従いましょう。(コロナ以降はそういった学校が増えている可能性大)

それでは、次に、小学校受験の内容について説明していく。長くなるのでどうぞ休み休みに。

試験内容その1:ペーパー

「ペーパー」とは、いわゆる筆記試験の事である。ただし、小学校受験では「文字」や「数字」はほぼ使わない。文科省の定める授業内容では、文字も数字も小1から学ぶことになっているので、そこからは逸脱しないのだろう。(①、②のように問題番号が数字で書かれている事はある)

ペーパーは、以下のような項目がある。リストしてみてもピンと来ない場合は、一度気になる学校の問題集等を買ってみると良いと思う。

・数える系の問題
(下図に例題アリ)
・立体図系
(物を左から見た時の図はどれ?など)
・平面図系
(特定の図を回転させたものはどれ?など)
・左右上下を使った問題
(スタートから右に曲がってまっすぐ行って左に曲がった店はどれ?など)
・知識系
(秋の食べ物に○をつけなさい、など)
・話を聞いてあとの質問に答える系
(長いお話の後に、「うさぎさんが2番めに食べたものは何ですか?」など)

202012_問題文1

ペーパーの準備、、、、大変です。これが本当に超絶大変です。うちの子、ペーパー得意!と言っているお母さん、会った事ない。そりゃそうだ、出題範囲広すぎるから!!!未就学児に解かせる量じゃない。

ペーパーは正直、数である。パターンである。色んな出題傾向に向き合うことで、本番の質問にも対応しやすくなる。また、知識系の問題は単純に知っているか知っていないかの世界なので、これも数をこなすしかない。2年も3年も準備してきた子と、短期決戦で挑もうとしている子とでは、ペーパーの点数の開きは如実に現れるので、そこは最初から覚悟しておいた方が良い。模試などで比べると落ち込みがちだが、学校の設定している及第点は意外と低かったりするので、あまり気にしないほうが良い。

ペーパーについてはディープすぎる思い出があるので、また後ほどエピソードにて登場予定である。

試験内容その2:支持行動

要するに「言われた事ができる」という能力である。指示行動自体は科目ではなく、要所要所で必要となってくるスキルの総称である。

例えば「受験票を絶対に落とさないで、お話をしないで、ついてきてください」という指示があったとする。受験票を落としてはいけないし、しゃべってもいけない。一見簡単そうだが、移動中の教室に飼育中のカエルがいたとしても「あ、カエルだ」とポロッと口に出してしまわない事が求められる。うちは最後まで怪しかった。のちに出てくる「サーキット」なんかは指示行動の連続である。

試験内容その3:サーキット(運動)

いわゆる「障害物競走」みたいなものである。形式は様々だが、

「まずはそこの線の上に順番に体育座りで待っていてください。呼ばれたら返事をして、ここの線で気をつけをして待っていて下さい。『スタート!』と言われたら、コーンまでダッシュしてけんけんで戻ってきて下さい。」

20201012_サーキット

という指示があったとする。
一見、「ダッシュしてけんけんね〜」と思うかもしれないが・・・実はこんなにたくさんの支持行動が隠されているのだ:

・「線の上」に「順番に」「体育座りで」待つ。(途中崩れないように)
・呼ばれたら「返事をする」。「線まで」行って「気をつけをする」。
・「スタート!」と言われたら、「線まで」「ダッシュ」する。
・「コーンまで」行ったら「けんけん」に変えて戻ってくる。
・(言われてないけど、もちろんダッシュは全力けんけんも最速で。短い距離でダッシュする、って意外とできないのだ。。。)
・(言われないけど、終わった時も気をつけ出し、終わったあとも体育座りで待っている。)

細かく見てみるとわかるが、この単純なお題の中にもたくさんの指示行動が隠れている。正直、どこまで見ているのか、という点については、学校によって異なると思う、、、が、今回の例で言えば、個人的には「落ち着いて座ってられる」「ダッシュとけんけんが遅くない」「キョドキョドしない」あたりおさえておけば、別に良いんじゃないの、と今なら思う。

お教室ではそれはもう細かくチェックしているので、それぞれの支持行動に○×がつく訳だが・・・小学校受験では先生が1日何百人と生徒を見るので、そんな細かく見てないんじゃ???というのが今だからこそ言える、正直な感想であある。

例が長くなってしまったので話を戻そう。

サーキットでは子供の運動能力を見るために「ダッシュ」「けんけん」「四つん這いで早く走る(くま歩き・くま走り)」「両足とび」「片足バランス」「縄跳び」「ボール投げ」などが組み合わされて出題される。

運動が元から得意な子は安心して下さい。あとは返事と体育座りを頑張れば任務終了です。運動が不得意な子は・・・苦戦します。(←我が家です…)一つ一つの動作からにじみ出る運動不得意感が半端ないので、いかに「上手っぽく見せるか」という事ばかり練習した。何やってるんだろう感が凄まじい。

試験内容その4:絵画制作

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学校によって異なるが、試験のお題に沿って画用紙に絵を書く、もしくは工作をする。ここで「お、ちょっと面白いなこの子」と思ってもらえる絵を書けると良いのだが、、、どうやったらそれ子供に狙って書かせるねん。子供なんて放って置いたら好きなうさちゃん♡とかを書いちゃうので(←我が家。マジで本番やりおった。。)、いかにそこを卒業して観察力たっぷりの絵を描けるか、というのが勝負所である。

・・・と、思われがちだが

「何を描いたか」よりも、そのあと試験官にどう説明できるか、という事の方が重要なような気がしている。説明する際にその子が自分で考えて描いたものなのか、説明に熱が入っているか、話が興味深いか、などの方が大切なのではないか、と今では考えている。(そういう意味では、そもそも題材が面白ければ話も弾むので、面白い絵を描ける、というのは大切なスキルではある)

なんにせよ、「なぜうさぎを描いたの?」と聞かれて「かわいくて好きだからです」と答えるだけでは試験は厳しいのだ・・・。

試験内容その5:面接(個人・親子)

20201012_親子面接

親にとって胃が痛いのはがこちら、親子面接。もうなんというか不発弾を抱えて戦場に行くような気分とでも申しましょうか。母親、父親、それぞれ個人的に質問がいくのはもちろんの事だが、「3人で話し合って決めて下さい」「お子さんに今から○○の手順を教えて下さい」など、連携プレーや普段のやりとりを問われる事もあるので、油断できない。

これも、素で育てたままで試験に臨むと・・・

「好きな食べ物は何ですか?」という質問に「カップ麺です!」と言っちゃったりするとその後厳しい戦いとなるので、(個人的には素直で採用したくなるがw)子供が嘘をつかなくても良いように普段から美しい生活を心がける必要があるのが面接のツラーーイところである。。中学・高校受験と違って、小学校受験は子供が嘘をつけない、嘘をつかせようとするとボロが出たり挙動不審になる、というのが大きな違いである。つまり、、思い描いた美しい生活する、という完全に親の戦いなのである

以上、長くなってしまったが小学校受験の試験内容である。

それぞれ語りたい事は山程あるので、この後のエピソードで出てくるたびに解説しようと思う。

それではまた次回!

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