お菊ちゃんの魔法【前編】

あるところに、美しくて長い髪の毛を持った人がいた。

ツヤツヤサラサラの髪の毛はどこへ行っても人に褒められるし、自分もお気に入りの自慢のチャームポイントだった。


しかし、その人はある日突然その長い髪の毛をバッサリ切りたくなったのだ。 


「猛暑だもの。こんな長い髪してちゃあ暑苦しくてたまらない!!!」


というわけで毛刈りを始めたのだが、せっかくなら行けるところまで行っちゃおう!ということで

なんとその人は坊主頭にしてしまったのだ。


最初のうちは涼しさと頭の軽さに心を踊らせていた。 しかし、季節が秋めいてきた頃。

「頭と首が寒くて堪らない!!!!!」


その人は早く髪の毛を伸びることを切に願った。しかし坊主頭にしちゃったものだから、首を温める長さまで待っていたら季節がくるっと巡ってしまう。

ああ、こんなことなら程々の長さに切っておくんだった。なんでもかんでも好奇心に任せるもんじゃないわ。

一瞬で、髪の毛伸びてくれないかしら


その人がポロッと呟いたその時


「わたし、お菊ちゃん人形っていうの!!!ヤマンバさまから教わった魔法で、あなたの髪の毛一瞬で伸ばしてみせるわ!!」


小さな女の子の声が どこからともなく聞こえたのだった!


後編へ続く(今日はもう鼻かみたい)

https://note.com/mochico_tanigaki/n/n71f5b2abefbd

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