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今年も変わらずライオンズを愛す話 #2

2 今年のライオンズもここは変わらない
 日々変わり続けるライオンズであるが、変わらないものもある。それはライオンズファンにとって心の支えであったり、ささやかな楽しみになっていたりする。ここではそのいくつかの、変わらないもの、を紹介したい。

(1) ライオンズにも「ミスターライオンズ」はいる
 移籍により選手が「出ていき」「いなくなる」ことの多いライオンズ。しかし今、ライオンズには2001年にドラフト指名され未だ現役として活躍する2名の選手がいる。

① 2人のミスターライオンズ“真獅子の骨と牙”とは

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 栗山巧と中村剛也。
 今年も当たり前のように2人がライオンズにいる。こんなに嬉しいことがあるだろうか。2人の現役時代を見れることは大きな幸せだ。

「尊い」とはこの2人のためにあるのではないか。

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 数字の上では栗山は通算1825安打で球団最多安打記録保持者、中村は通算415本塁打で球団最多本塁打記録保持者。それだけでもちろんレジェンドだ。2人がどれだけチームの勝利に貢献したことか。でもそれと同じ、もしくはそれ以上に2人のチームへの想いにファンは勇気付けられてきた。「ずっとチームにいることが当たり前」ではないチームに変わらずいてくれることに感謝したい。

 2001年秋のドラフトで指名された2人。アジア一に上り詰めた2008年を期に2人はチームの主力に。それ以降も世代が近い中島裕之、片岡易之とともに黄金期を作るものと思われた。しかし投手力のなさ、チーム全体の勝負弱さもあり優勝を逃すシーズンが続く。2010年以降は中島、片岡を含めた主力選手の移籍が相次ぎ、「FA権を取ったらお別れ」の空気が漂い始めた。

 そんな中でも2人は残ってくれることを選んだ。
中村は2013年オフに4年契約、栗山は2016年オフにFA権を行使して残留してくれた。


 ハキハキと弁が立つ栗山、照れ屋で記者の前では口数が少ない中村。対照的な口ぶりが想像できる2人の言葉が本当に嬉しかった。チームの低迷もあって2人の存在そのものがファンの心の支えだった。

 そんな2人もベテランと呼ばれる年齢に差し掛かる。チームの戦力充実と引き換えに2017年以降はベンチを温めることも増えた。2016年130試合にスタメン出場していた栗山は2017年には95試合に減少。中村は2018年の初HRが怪我もあり6月9日となり、一時は引退も頭をよぎったという。

 そんな中でもこの2人が誰よりも望んでいた優勝にチームは近付いていく。2017年は驚異の13連勝もあり4年ぶりのAクラスとなる2位。2018年は開幕8連勝でスタートダッシュに成功。栗山は開幕こそ代打だったが好調を維持してスタメンを取り戻し、序盤絶不調だった中村は8月に6試合連続HRで復活を遂げていた。

 そして迎えた9月17日。優勝を争うホークスとの3連戦の最終戦。勝てば優勝マジック11が点灯する試合で栗山が初回に満塁HR、3点リードの7回には中村がダメ押しの3ランを放ちチームを勝利に導いた。ライオンズのヒーローインタビューは1人ずつが基本の中、2人同時にお立ち台に上がった同級生コンビ。栗山は熱く、中村は飄々と、いつもの様子で18年間連れ添った同期について照れ臭そうに話してくれた。

 10年間の悔しかったこと、苦しかったことに想いを馳せ、言葉で言い表せないような想いを抱いたファンも多かったと思う。辛い想いをした時には、ライオンズファンになったことに疑問を抱いたりもした。それでもあの試合、あのお立ち台で全てが報われる気がした。
 「ライオンズが好き」と胸を張って言っていいんだと2人が語りかけてくれたようで、2人ともう一度喜びを分かち合いたいと改めて心から思えた。


改めて2人の好きなところ、尊いところを挙げればキリがない。

盟友と奥さんの誕生日にHRを打ちまくる中村、
チームメイトの前ではお茶目な中村、
ドラフト指名され盟友と一緒に新幹線で上京した時に富士山の写真を撮りまくる中村、
フライを取ってグラブを高く掲げたままベンチへ帰っていく中村、 
いつも「打ててよかったです」しか言わない中村、
走塁センスが抜群すぎる中村、広告で営業用の笑顔を見せる中村、
マリナーズ入団が決まった菊池雄星を「こっちはライオンズの為に頑張ってるんだよ!」とイジる中村、 
史上20人目の400号HRをサヨナラで決める中村、
盟友の100号HRを「やっと100か」と上から目線でイジる中村。

球場に来られなかったファンにもお立ち台からメッセージを送る栗山、
「ファンの声援を感じたい」と登場曲を流さない栗山、
キャンプの休日に南郷駅でファンと触れ合う栗山、
ファールボールが直撃して倒れそうになったベンチのレオ人形を助ける栗山、
お立ち台でサインボールを子どもに譲るように呼びかける栗山、
オールスター初打席でHR打っちゃう栗山、
息子さんに試合の感想文を書く宿題を出す栗山、
松坂を気遣って一緒にご飯を食べる栗山、
打席に向かうときにスプレー缶を投げる栗山、
打席で頬をプクーっと膨らませる栗山。



これからも2人とともにライオンズを好きで居続けよう。
そして球団初の2000安打と500号HR達成、何より2人が再び日本一に輝く瞬間を見届けたい。

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