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今年も変わらずライオンズを愛す話 #4

3 ライオンズのさらにこれから
 88年世代の秋山翔吾選手が抜け,92年世代の源田壮亮選手がキャプテンとなり,世代交代や若手の台頭が進むライオンズのさらにこれからを考えてみます。わたしは,今井達也投手,伊藤翔投手,鈴木将平外野手,浜屋将太投手の98年世代に夢があると考えています。

 この98年世代は文字通り1998年生まれの選手たちです。

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 今井達也投手は,栃木県の作新高校出身で,甲子園優勝を経験し16年ドラフト1位で指名され紆余曲折ありながらも,先発ローテに定着した投手です。岸投手が抜けた直後背番号11番を背負ったこともあり,入団した直後は岸投手の面影を重ね合わせることも多くありました。そんな彼も4年目のシーズンに入り,昨年はその岸投手と一緒に自主トレを行っています。彼はもう岸投手に憧れを持つ新人でも岸投手のようになってほしいと期待される投手でもありません。今井達也というライオンズを背負う投手になる時だと考えています。現在,新しいフォームを何とか固めようと苦しんでいますが,そのフォームが彼だけのものになったとき,獅子のエースと呼ばれると思っています。
 

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 伊藤翔投手はそんな今井投手と同世代ですが,今井投手が指名された1年後の2017年にドラフト3位で指名され入団した選手です。高校卒業後,1年でも早くプロ入りするため大学に進学せず2016年に独立リーグの徳島インディゴソックスに入団しました。独立リーグでもしっかりと結果を残したあとライオンズに入団した彼の一連の覚悟を知ったとき,並々ならぬガッツを感じました。2019年1月に行われたトークショーでは辻監督に「投手というのは変わり者が多く,今井はその通りとても変わっており,伊藤はどちらかというと普通」と表現されていたり,その柔和な表情やスイーツ好きという一面,(前述の)トークショーで同期の今井投手や監督を気遣いながらも話していた姿からも穏やかな選手に見えますし,それも彼の一部だと思います。しかし彼には内に秘めた力強さもある選手なのです。
 

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 前述の2019トークショーで同期の仲について話が及ぶと伊藤選手は「将平と今井と俺でルームシェアしようっていう話もあったよな」と話しています(今井投手は「ルームシェアは正直無理」と断っていましたが),98年世代はほかにも,伊藤投手と鈴木選手でゲームセンターでゲームに興じながら動体視力を鍛えたり,2020年の春季キャンプでは同期全員で伊藤投手の誕生日を祝ったりしています。その誕生日会が行われた今年,1年目をスタートさせたのが浜屋投手です。浜屋将太投手は高校卒業後三菱日立パワーシステムズに進んだ社会人出身投手です。自身の性格をマイペースと表現していますが社会人での3年間で体重を20kg増量し,フォークボールを投げられるように努力するなど,プロへの執念が強く感じられました。

 2人の右投手,1人の左投手,そして1人の外野手,この4人の選手がライオンズの柱となり投手王国を作り,また外野に新たな風を吹かせる存在となってくれると願っています。彼らは今年22歳を迎える年になります。それぞれが自分の投球フォーム,打撃/野球のスタイル,メンタルをどうコントロールするかなどを模索しながら,つまり自分の野球とはなにかをどん欲に求め,自分の存在を確立するために,毎日を進んでいくことでしょう。若くて粗削りな存在である彼らのその野球は力強くチームに勝利をもたらす日もあれば,どこか不安定な日もあるかもしれません。わたしはその変化する瞬間を見られるのを楽しみにしています。いつか彼らがベテラン選手になったとき,彼らには「安定して」「結果を出し続ける」ことが求められるようになります。彼らが不安定にかつ上に上昇し続ける様を見られるのは今だけなのです。
 
 変わり続けるライオンズの魅力でもある「若手の成長する姿」を推しつつこのコラムは終わりたいと思います。

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