長いことSEとして働いてみたけど私ってコーディング苦手かもしれない

こんにちは、しがない情シスです。

こちらは「corp-engr 情シスSlack(コーポレートエンジニア x 情シス)#3」アドベントカレンダーの17日目の記事です。

往年の名バラエティ番組「内村プロデュース」でレッド吉田が言った

「漁師生活30年、最近気が付いた、俺船弱いかも」

レッド吉田

みたいなアレです。

略歴っぽいもの

本題に入る前に「コーディング苦手かも」思ってる人間の半生を、略歴っぽいような感じで振り返ってみようと思います。

  • 小学生:学校のPCルームではじめてプログラミング(言語は謎の日本語を使ったスクリプト言語)に触れる。ペイントとソリティアが大好き。

  • 中学生:インターネット黎明期、ネットの海に魅力を見出す。RPGツクールとかデザエモンにハマる。ド田舎で身近にネット回線は無く、公共の場にある端末でブラウジング。

  • 高校生:高校の進路指導室に珍しくネット常時接続のマシンがあったので入り浸ってラノベのファンサイトで延々チャットする。(怒られて出禁くらう)

  • 大学生:大学生活は入学祝に買ってもらったLavieが相棒。住んでたアパートが共用専用電話線でネットを引けない糞使用であったため、謎の格安無線回線を契約し弱回線ながら一応の常時接続環境を整える。MMOやRTSにハマる。
    文系専攻なのに教授がプログラマーで、文書分析ツールを他の学校の教授と共同開発してリリースしてるという謎IT環境のため、授業の課題でHTMLサイトを作らされたりする。ここで一通りHTML、CSS、Javascriptの知識を身に着ける。(あと2chにハマり、ネットリテラシーはここらへんで醸成される)

  • 就職:上記ルートをたどってきた影響か、大したスキルも資格もないのにSEを目指す。何とかSIer(地方の営業拠点)に受かる。
    受注先の大半がVB系統の言語を使用するので、VB、VBA、VBSを重点的に習得させられる。(入社研修で学習したJavaはついぞ使われることはなかった)

  • SE時代:促成教育後、即時大手IT企業に客先常駐の運用案件要員としてアサインされる。(前任者が「夜の街で働く」とか言って辞めたらしい)
    先輩は優しかったので、ここでSEとしての生き方をOJTで教えてもらうも、諸々の問題でメンタルを病んで一度休職。
    復職したらしたで炎上案件にアサインされたり拠点の閉鎖が決まったりで、一緒に働いていた人たちは櫛の歯が抜けるように辞めていき、散り散りになる。SIerで働くこととIT業界の闇に絶望する。

  • 転職:非IT業種の企業に情シスとして入る。お仕事としてコードを書く量が最盛期の1/500以下くらいになる。死ぬほど目まぐるしいけど、死にたいという気持ちは無くなる。

うわー思ったより長かったー!すみません!

わりと人生の早い段階でIT業界へ入るフラグが立っています。
片田舎の小学校になぜPCが存在したんだろう…と思って調べてみたら平成二年に国庫補助で全国的にPC配備が進んでいたようです。(知らなかった)

ただ、最初期(小学生)にITへの興味を持ってからは「PCそのもの」「ネット」「PCゲーム」に興味はあるものの、「プログラミング」を学ぼうというところには至りませんでした。(かろうじでWebサイトを作ったくらい)
結局のところ、「ゲームしたくてPCやネットに詳しくなった」「そんな感じだからIT業界(SE)しかないと思ってた」という、今考えたら過去の自分をバットで殴りたくなるような理由で進路を決めてます。

そして就職し、所謂文系卒SEとなり、10年以上現場でコードとにらめっこする生活を送ることになったのです。

何で苦手なのか

コーディング自体は嫌いじゃないんです。
自分の中でどう動かしたいからどう組む、みたいなことを考えるのは楽しいです。
自分の作ったものが思った通りに動いたときはとても嬉しいです。

たぶんSIer勤務で植え付けられたコーコーディングに対する苦手意識って、お仕事でやってた開発がやりたいような内容ではないこと・やり方が古いこと・良いとは思えないようなやり方であることに起因するんじゃないかなぁ、と思います。

私がアサインされたのがほぼ運用保守案件だったので、既に出来上がったシステムを解析して修正するというお仕事がほとんどでした。
とっても古いレガシーシステムを、延々お守りしたり改修したり、夜に呼び出されてトラブルシュートしたり…。

お仕事だからやるんですけど、「これが自分がやりたいプログラミングか?」と言われたらそうでもなく。
そのお仕事自体も普通にきつかったですし。
所謂ITの3K(きつい・給料安い・帰れない)でした。
(会社に「みなし残業なんだから規定まで残業しないと給料減らすよ」と普通にアウトなこと言われた)

そんなだから、何か思ってたんと違うってなっちゃったんですね。

じゃあプライベートでプログラミングやったら?って思われるかと思います。
SEやってた当時、そこは自己研鑽上等の世界なので、プライベート削って技術習得や自腹で資格取得をするのが当たり前、というのが常識でした。
(頑張ってAP目指して挫折しました。義務感のみでやる勉強は辛かった)

この文化がすっごく嫌いでして。
どうしてもこれに馴染めず、「何で趣味の時間削らなあかんのん?」「仕事時間以外に仕事のための苦労をしたないわ」としか思えませんでした。
SEというお仕事に対してそれくらいの熱量しか持ててなかったのだと思います。

周りを見ればそういう文化に適合して(というか体現して)スキルも資格も遥かに上の人ばっかりなので、自分の能力に対してコンプレックスしか抱けなくなってしまいました。

コーディングっていうか、「コーディングを行うSEのお仕事」が苦手になって、それに引きずられてコーティングそのものも苦手に思うようになっちゃった感じですね。

あと単純にゲームに狂っててそっちのほうが楽しくて優先度が上でした。
現実逃避してましたね。
(当時モンハンブームで、P2Gの累計プレイ時間だけでも1000時間は超えてました)

じゃあ情シスは?得意?苦手?

得意か苦手かって聞かれたら、多分得意寄りだと思います。

恐らく、自分の性質的にスペシャリストよりもゼネラリストの方が性に合ってるんじゃないかと思います。
好きな言葉は器用貧乏です。良く言えばオールラウンダー。(うわぁ、こう言うとかっこいいぞ)

広く浅く、時にはIT外の知識も問われる情シスは、今のところ楽しいことの方が多いです。大変ですけど。

それとコードを日常的に書かなくて良い、というのも大きいです。
勤務先のシステムはメインとなるところはベンダーさんお任せ、そのほかはSaaS利用、内製ツールがちょっとある、というような形で運営されてます。

コード書くにしても、それは内製ツールをメンテするときぐらいですね。
新規に何かコードを書いてツール化することもほとんどありません。
ゴリゴリ内製システムを開発するぜ!というようなタイプの「内製系社内SE」だったらメンタルが死んでいたかもしれません。

コード書かなくてよく、割と最新のIT事情も吸収でき、検証や導入でITサービスや製品を触ることができる情シスという職種(今の職場)は、気に入っています。

あ、でも書けたり読めたりすると便利だよ

コーディングとかシステム開発とか、苦手ではあるんですが、その考え方(プログラミング思考であったり、開発プロセス)はとても情シス業務に役立つものです。

何かシステムを導入したり運用したりするにしても、「何でそうなっているのか」「どうしてこんな動きをするのか」「入力した結果、出力はどうなるのか」とか、開発にまつわる知識があると色々と理解が早くなります。

たとえば内製化したいからノーコードを使おう、となったとします。
最近はノーコードでも良いツールが色々ありますが、仮にノーコードだとしても、開発は開発なので、考え方や手法はほぼ一緒です。
予め自身で何かを開発した経験があるなら、ノーコードであろうと習得も早いですしね。

「ノーコード開発だから知識無くても大丈夫じゃない?」と思っていると、変数とかデータ型とかif分岐とかループとかIOとか、まずベーシックなところで洗礼を食らうと思います。

既存のSaaSなどのサービスを使うにしても、マスタがどうとか、インプットとアウトプットがどうとか、システム間の連携とかをちゃんと意識するには、やっぱり「システムのしくみ」に慣れ親しんでいたほうが有利です。

結局のところ、「やりたいことをIT使って実現しよう」ってなったとき、必要となるのはシステム開発の知識とニアリーイコールになるんですね。

苦手意識を持ちつつも、IT業界以外で生きれる気もしないし…と思いながら習得してきた技術や知識ですが、視点と環境を変えれば有力な武器になりました。

おわりに

バリバリ開発されてるエンジニアさんを見てると「あー、私はやっぱダメだなぁ」なんてことをたまに思っちゃったりします。
情シスSlackとかでも知らない用語や知識をいまだにいっぱい見かけますし、コンプレックスはまだまだ感じます。

そういう時はかの有名な言葉を思い出します。

「競うな!持ち味をイカせッッ!」

バキ(株式会社秋田書店) 範馬勇次郎の台詞より

私自身、コーディングスキルという点においては見劣りするかもしれませんが、かといって他の長所が全くないとは思いません。

いち企業勤務の情シスとしては「社内の誰よりITに詳しく」「社内の誰より最新のIT事情に触れており」「社内の誰より多くのアウトプットをしている」という点だけでも十二分に戦えていると思います。(IT以外の周辺知識も含めて)

変にコンプレックスをこじらせて、「何とかしなきゃ…」と思うよりは、今現在自分が得意とするジャンルや興味のある領域をガンガン伸ばしていくのは全然アリだと思います。

その方がトータルで楽しいですからね。
同じやるなら楽しい方がいいと思う今日この頃です。



余談ですが、こないだ超ひっさびさに内製ツール(Access製のデータ成型ツール)をメンテのために触ったんですよ。
「Dim…ってなんだっけ……?」「明示的な型宣言はやったほうがいいんだっけ…??」「ADO…DAO…どっち……???」ぐらい知識(知能)が後退してましたね。
ヤバいです。控えめに言ってヤバイです。自分に引きました。

でも、そんなんでもわりと何とかなりますよ。
こないだベンダーさんからもしっかりしてるって褒められちゃいましたよ。
はっはっは。(開き直り)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?