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WindowsPCの選定なんもわからんというお話

こちらは「corp-engr 情シスSlack(コーポレートエンジニア x 情シス)#1 」アドベントカレンダーの14日目の投稿です!

併せてこちらもどうぞ!
「【初心者優先枠】corp-engr 情シスSlack(コーポレートエンジニア x 情シス)#2」

寄ってらっしゃい見てらっしゃい、珠玉の記事がもりもりのカレンダーだよ!


まえがき

こんばんは、しがない情シスです。

カレンダーのお題どうしよう、と思ってXでアンケートを取ってみました。

アンケートの結果

はい、というわけでテーマはWindowsPCの選定にまつわるなんやらかんやらです。


みなさんはPC選定ってされてますか?
会社で使うPCを選ぶのって、だいたいが情シスのお仕事かと思います。
「PC詳しいんでしょ?よろ!」「らじゃ!(なんもわからん)」的な感じで。

会社のPC選定の難しい点として、「他人がお仕事で使うものを選ぶ」となると選んだ責任を負うというものがあります。
もし変なの選んじゃったら不満が出たりトラブルが出たりして、結局自分が奔走することになっちゃいます。
いわゆる「誰かのせいにしたいが自分の顔しか思い浮かばない」状態ですね。

…人のPC選ぶのって難しくないですか!!????

つまり、会社のPCはなるべくなら良い感じのものを選べたらそれに越したことは無いのです。
情けは人の為ならず!(なんか違う)

そんなわけで、情シス的お仕事用WindowsPCを選ぶときに気をつけていることをまとめてみました。
タイトルで「なんもわからん」と言ってますが、何かしらの事はわかるくらいには書いてあるのでご安心ください。

それでは、シュトーレンをちみちみつまむくらいの感覚でお楽しみください。

前提条件

免責事項

まずこの記事をお読みいただく上で以下の点をご了承ください。

  1. 2023年11月時点での情報です。新技術は日々生まれ続けていくので、しばらくしたらこれも古文書になるでしょう。

  2. ターゲットは主にひとり情シス~小規模情シスさん、かつ多くの人が悩みそうなWindowsデバイスの選定について読みやすい内容を想定してます。

  3. 主観が大いに混じりますし、絶対に正確、正解であると言う保証はありません。あと細かいところまで詳しく書きません。

  4. あくまで選定の考え方の1サンプルであり、この記事をそのまま根拠とせず、鵜呑みにはせず、複数のソースから事実を確認してください。

マシン選びってものすごくたくさんの宗派があります。
なので、この記事の情報を読んでも「この鬼無里って人はこういう宗派なんだなぁ」くらいにお考えください。

いろんな考えがあっていいですし、環境も千差万別ですので、ご自身の環境にマッチした最適解をご自身で導き出すためのヒントにでもしてもらえたら幸いです。

知っておいた方がいいこと

ノイマン型コンピューターの構成要素は昔から大きくは変わってません。
新しい規格とかパーツとかソケットとかは出てきてますが、概念自体はそこまで大きく変わってないです。

なので、一般的なPCの構成がどんなものか、最低限知っておきましょう。
(知ってる人は読み飛ばしましょう)

  • CPU

  • メモリー

  • SSD

  • マザーボード

  • グラフィックボード

  • 電源ユニット

  • ケース / 筐体

  • ディスプレイ

  • キーボード

ものすごくざっくりこんな感じです。
他にも色々ありますが、重視するポイントは自然と上述のパーツあたりになってきます。
業者さんに見積とってもらったりする際にも、この辺りを指定することが多いです。

ただ、これらの知識って、文字で読んだりテキストで学んだとて、そうそうわかんないものなんですよね。
実機を触って、体感してみないことには実感として理解できないものだと思ってます。

本当にパソコンを知りたい、と思った人は自作するなりバラすなりなんなりして、とにかく実機を触りまくりましょう。

触った分だけ、パーソナルコンピューターというものに対する解像度が上がります。

選定してみよう

では選定してみましょう。
色んな視点から考える必要があり、考える順序も組織や環境によってそれぞれなので、必ずしもここに書いてある順番じゃなくていいですし、色んな視点を並行しながらあーでもないこーでもないと考えてみて良いかなと思います。

用途などを考える

これは万物の道具に共通して言えることなのですが、「その道具を何に使うのか?」という点をクリアにしましょう。

会社の中にはいろんなお仕事があります。
お仕事によって仕事道具に対するニーズは当然異なります。
バックオフィスなのか?セールスなのか?エンジニアなのか?etc…
お仕事に適したマシン、というものは当然あるかと思います。
持ち運びが多い仕事をする人なら軽さを重視するでしょうし、マシンパワーを必要とする人だったらハイパワーで処理をぶん回せるマシンを欲しがると思います。

そうしたお仕事のニーズがどういったものなのかを読み解き、それに合わせた機種を選定していくのが良いと言えるでしょう。

一つ大事なのは、お仕事のニーズに合わせまくってきめ細かに機種やスペックを分けすぎても無限にしんどいだけなので、社内で使う機種はある程度の用途別パターン(だいたい多くて数パターン程度)に絞る、というのが管理上のポイントかと思ってます。

ポイント:まずお仕事と使い手に思いを馳せよう

予算を考える

PCを買うとお金がかかります。
お金は会社に用立ててもらいます。
用立ててもらうためには会社に説明が必要です。

そう、稟議書ですね。
うわぁ~、稟議書!書くのたいへん!!全然慣れねぇ作業の筆頭!!!

調達の際に稟議書を書くプロセスになっているにしろ、いないにしろ、会社に対して「こういうものを買うので、これくらいかかる見込みです、大丈夫です?」って確認するフェーズは一回挟まないことには経費として使わせてくれないと思います。
説明責任は大事ですね。

選定の際、スペックは盛れるなら盛った方が良いというのは確かにそうなのですが、スペックを上げれば上げるだけお金がかかるのも当然な話です。
会社のお金も無限にあるわけではないので、コストバランスや投資対効果なんかは重視されるポイントになるかと思います。

また、決裁権限者の人がそれらの金額に対して何と思うか・何と言うか次第なところもあるかと思います。
時にはお目当ての物を導入するために、決裁権限者を納得させてひっくり返すだけの提案をする、信用貯金(発言力)を消費して「押し通ーーーる!!」ってゴリ押しするとかのメソッドも要るかもしれません。

それと、あまりにコストを意識しすぎて「1円でも安く」って思考に縛られすぎるのはちょっとどうかなー、と思います。
目に見えるコストを削った結果、安かろう悪かろうを引いてしまう、なんてことは良くある話なので…。
Celeron,4GB,HDD…うっ、頭が。

「このお仕事にはこの機種がいいですよ」
「でもこのスペックにするとこれくらいかかりますよ」
「ただし投入した費用に対する効果は見込めますよ」
と、きちんと説明できる自信と根拠は必要かと思います。

ポイント:なるべくならいいやつを狙える予算を合意形成していこう

周辺環境を考える

マシンそのものも大事なのですが、マシンを使う環境も考えておきたいところです。
そのマシンが置かれる環境はどんな場所でしょうか?
オフィスでしょうか?それとも工場のライン付近?もしくはリモートワーカーの自宅なんてのもありますね。

その環境はどんな物があるのでしょうか。
デスクは広いですか?PCを設置するスペースはどれくらいありますか?
また、外付けのディスプレイ、ハブやドックなど周辺環境は揃っているでしょうか?

例えば外付けディスプレイが配備されているオフィスであれば、PC本体のディスプレイサイズはコンパクトなもので良くなるので、営業さんが小さい本体を持って商談に行き、オフィスに戻ってからは大画面で資料作り、なんてユースケースも想定できますね。

そういう感じで、PCを置く環境や使う環境によっても微妙に機種は変わってくると思います。

ポイント:PC周りもPCと同じくらいよく見てみよう

機能的な面を考える

さあ、いよいよ具体的なマシンやスペックの構成ですね。
先述の「知っていおいた方がいいこと」で述べたパーツから、どんなものが良いのかざっくりと選んでいきましょう。

OS:

パーツじゃないんですけど、これ重要な構成要素でした。

WindowsはProエディションを買いましょう。Homeは買ってはなりません。

安いから、という理由でHomeエディションを買うと後でデバイスコントロールとかセキュリティとか考え出した時に泣きを見ます。(ちっちゃい会社を合併して社員と一緒に端末を持ってきた時にもありえるケースですね)

BitLocker使えん、グループポリシー使えん、Entra参加できん、ハイつらい。

我らProなんだからProを買おうぞ!


CPU:

WindowsPCのCPUはIntelとAMDの2大メーカーが主流で、法人向けモデルはだいたいこれです。
Intelは「Coreシリーズ」、AMDは「Ryzenシリーズ」がメジャーです。
そして両社ともプロセッサーの後ろにつく数字が大きいほど性能が良いです。

というのが、すっごく乱暴な説明ですね。
(他にも世代とかコア数とかスレッド数とか色々あるのですが、割愛します)

重たい処理をしなければCore-i5くらい、エンジニアさんなどマシンパワーを求められるならCore-i7が良い感じです。
Ryzenも5と7ですね。
ここは両社とも選ぶ基準は同じで、一般用途なら5、ハイエンドなら7、とざっくり考えていいと思います。

i3はi5よりコストかからないのですが、結局メモリ積んだらそこまで変わらなかった、みたいなこともあったりします。

i9は…これが必要な用途ってよっぽどだと思うので、もう少数カスタムになるんじゃないかなぁ…?
GPU無いからグラボが要ると思うし、そうなるとデスクトップとかグラボ搭載機とか…?法人用途でそれって用途が結構限定されますし、そういうのを選ぶ人はそもそもこの記事読む必要ないくらいのレベルでしょうし…。

大事なポイントとして、間違ってもビジネスユースでCeleronは買わないようにしましょう。
遅すぎて「俺が遅い?俺がスロウリィ!!?」ってなります。


メモリー:

DDR4とかDDR5とかの規格があります。
処理性能は新しいDDR5規格の方が当然良いのですが、まだまだハイエンド用途が主流な感じなので、DDR4を積んでる機種も多いです。
ただ、あんまり細かく気にしすぎることもなく、どっちかというとメモリの容量(〇GB)の方が重視される傾向です。
いっぱい積んでるといっぱいパワーが出ます。もさもさしにくいです。

で、肝心の容量ですが、だいたいこんな感じ。

  • 8GB:ボトムライン(デッドラインと言っても過言ではない)

  • 16GB:ふつうに使える、なんでもそつなくこなせる

  • 32GB:開発用途なら最低これくらいは欲しい

  • 64GB:すっごいパワー必要なときに

8GBというボトムラインについては後述します。
個人的には8GB搭載機での情シス業務ではスペック的にもたつくこともありましたし、8GBを割り込むと使ってて辛い(使ってる人からも不満が多く出る)ことが多かったです。
そして、それしか積んでないということは、それ以外のスペックも総じて低い構成と品質になりがちです。
(動作的な不満や故障率の増大を招く一要因となりかねない)

4GBという選択肢は初手から除外していいと思います。
メーカーさんはいつまでもメモリ4GB構成を製品ラインナップに載せないで欲しいんだなも。


SSD:

昔はHDDが搭載されていましたが、今はSSDが主流です。
サイズの規格や接続規格が色々あったりしますが、SSDという時点でHDDと比べ物にならないくらい速く、eMMCよりも快適に使えるので、あんまり細かく気にしすぎても疲れるだけです。
(選べるならNVMe接続にしたい気持ちはあります)

ストレージ容量は色々あるのですが、Windowsの場合はWindowsUpdateのでっかいパッチとかが良く降ってくるので、128GBだとシステム領域がデータ領域を圧迫してちょっと心許ないです。
(ユーザーに「こまめにキャッシュ消してね」と言ってもパンパンにする人はわりとすぐパンパンにしちゃいます。ストレージセンサーをもってしてもそうなる人は絶対になる。なぜかそうなる。)

ファイルサーバーやクラウドストレージがある場合はそちらを加味して256GBあれば十分でしょう。
余裕があれば512GB積んでも良いです。
動画データや3Dモデルなど、ファイル単体が大きくなりがちなものを扱う場合はさらに容量が必要ですね。
この辺りは色々だと思います。

クラウドストレージが隆盛を誇るこの時代において、ローカルストレージに業務データを溜め込むのは得策とは言えません。
ストレージ故障で数百GB近い業務データを吹き飛ばして、クラウドには何もなく、バックアップも当然なく、復旧の宛てもなく涙を飲んだ…みたいなケースを何件も見てきた身としては、ローカルストレージはあくまでキャッシュ置き場でしかない=容量は大きくなくて良い(クラウドかファイルサーバーに置こうね)、という考えです。

ストレージを選ぶ際に確実に言える点が一つあります。
絶対に、絶対に、「安いから」と言ってユーザー向けPCにHDD搭載機を買ってはなりません。

未だに売ってるんですよ。だって需要があるから。
でも買ったら確実に呪物と化して周囲に呪いを撒き散らすので、買ってはなりません。
よいか、あの祠に行ってはならんぞ!
これを祓うのには少なくとも二級術師くらいの力量が必要になります。


ディスプレイ:

ビジネスユースならフルHDくらいの解像度があれば良いかなーって思います。
作業目的ならこれくらいあれば十分っぽい感じです。
画像処理やデザインだったらもうちょっと上の解像度を検討したり、外付けディスプレイをなんかも検討してもいいかもしれませんね。

本体のディスプレイサイズは環境によっていろいろですが、一般的なのはこんな感じです。

  • 10インチ:タブレットクラス、というかむしろもうこれはタブレットよ

  • 13インチ:モバイルノート、携行用途での実用サイズ

  • 14インチ:頻繁に持ち運べる上限サイズ

  • 15.6インチ:よくオフィスとかに置いて据え置きで使うサイズ、持ち運びには向いてない

  • それ以上(17とか):でっかいねぇ〜〜〜!!

ディスプレイサイズと重量は相関関係にあります。
小さいほど軽くて、持ち運び目的の機種が多くなります。

13インチ以下のサイズのマシンでは、あまり細かい作業(数字いっぱいのExcelを触ったりとか)をさせるような使い方はお勧め出来ません。
眼精疲労とか猫背による肩こりの原因になっちゃいます。
そういう場合は別途外付けディスプレイを用意してあげましょう。

15.6インチサイズは一般的なデスクワーカー向けのものとして普及しているサイズかと思います。
本体ディスプレイがそこそこのサイズなので、これを一台デスクに据え置いて作業をする、というケースも一般的なのではないでしょうか。
外付けディスプレイを使用する際も、本体ディスプレイをサブディスプレイとして使用できる実用サイズの下限がこのくらいかな、と思います。

あと、最近のアスペクト比のトレンドは16:9のワイドから3:2みたいに、「縦にスクロールしたときも見やすい」みたいな比率に変わってたりもします。
この辺はビジネストレンドとかニーズの変遷もあったりするので、わりと数年単位で変わったりしがち。


個人的には情報量が増え続ける世の中なので、本体のディスプレイは小さくして、大きめの外付けディスプレイで画面サイズを補って、触れる情報の量をマシマシにしてあげる方が好みですね。

ワシはな、コンパクトな本体にゴテゴテと外付けパーツを追加して、最終的にGP-03デンドロビウムみたいにするのに無上の悦びを感じるのじゃ………。


重量:

パーツではないのですが、重量も大きな要素の一つです。
ユースケースとして持ち運びが想定される場合、軽ければ軽いほど良いです。
ただし、大体のマシンが軽ければ軽いほどお高くなります。
当然ですね、パーツをコンパクトにまとめるには相応の技術とコストが必要となります。

今まで色んなPCを持ってきましたが、持ってみた感想はこんな感じでした。

  • 2kg超:重い、リュックやカバンが肩に食い込む、子泣き爺、疲れる、こんな重い物を運ばせるんじゃない

  • 1.5kg未満:頻繁に持ち運べる上限ボーダーライン

  • 1kg未満:本体質量1kg切ると体感ここまで変わるか、って感じで軽い

  • 600g台:羽根か?

個人的には1.5kgくらいが持ち運びのボーダーです。
頻繁に持ち運ぶことが想定されるのであれば、本体質量は1kg以内に抑えた方が良いです。
ちょっとの違いが大きな違いです。

実際に、現職の入社タイミングで2kg超の16インチクラスのノートPCを支給されまして、そのままリュックに入れて持ち運んで街中を歩いたりしたのですが、背負い紐が肩に食い込んでビキビキしてました。


ちなみに、デスクトップPCは持ち運びの制約をあんまり受けないのですが、それでも数少ない移動(リプレースなど)の際には運ぶのが一苦労だったりします。
マイクロPCなどの省スペースPCを選定する、というのも一手だと思います。
ディスプレイの裏側にマウントできるとかっこいい&省スペースで素敵です。

重量とか機能面を考えると、レッツノートとかは軽さに対する機能の豊富さがとっても優秀だなっていつも思います。
すっっっっっっっっごく高いですけど。


キーボード:

キーボード配列は一般的にJIS配列(106/109)とUS配列(101/104)があります。
ありますが、今までの経験では、大半のユーザーに配布するのはJIS配列でした。
やっぱり一般的に普及していて、大多数の方が扱うのはこっちですね。

エンジニアさんなど、こだわりや慣れたタッチ、効率面などでUS配列をリクエストされることもあるので、そういう時はUS配列を採用しても良いかと思います。

あと機種によってはキー配置が特殊だったりヘンテコだったりすることもあるので、画像や現物でチェックは必要かと思います。
カーソルキーとかエンターキーの周辺はメーカーやモデルの癖が出やすいポイントですね。

本体のキーボードを使っても良いのですが、割り切って外付けキーボードをばら撒くというのもアリかと思います。

安物外付けキーボードを買えば壊れてもさほど痛くないし、本体のキー故障トラブルも防げるし、一石二鳥!


ポート類:

PD給電はいいぞおじさん「PD給電はいいぞ」

一つ言えることはディスプレイからType-Cケーブル1本繋ぐだけでPD給電&DP-altで映像出力できる構成にするとQOLが爆上がりします。
現場からは以上です。

…え?説明が足りない?

ポートはいろいろあるとは思いますが、普及してきているType-Cポートが最低1ポート以上(PD給電とDP-altモード対応)、昔からあるType-Aポートが1つ以上ついてればあんまり問題ないのでは?と思ったりします。

あ、あとはあれですね、電源が専用のACアダプターではなく、差し口がType-Cポートの充電器がデフォルトの付属品で付いてくるやつがいいです。
なぜなら破損時に互換性のある充電器が調達しやすかったり、サブや緊急時用としてサードパーティ製の充電器も選択できるからです。

他にも投影用にHDMIがあればプロジェクターや会議室の選択肢が増えてモアベターですね。
有線環境であっても、ハブ機能搭載のディスプレイを外部接続すれば本体側のポートがいくつかとかはあんまり悩まなくて済みます。

上述の通り、本体は小さく、周囲を盛れという宗派に属しているので、ポートはぶっちゃけポートはType-Cが数個あればよかろうという思想です。

ポートが足りないならドッキングステーションを買えばいいじゃない。


メーカー:

メーカーは調達しやすく、保守などのサポートがしやすければあとはお好みではないでしょうか?
WindowsPCだと以下のメーカーがよく候補に上がります。

  • DELL

  • HP

  • Lenovo

  • Microsoft

海外のメジャーなメーカーで日本にも拠点を構えていて、調達も保守もサポートも、と考えるとこのあたりでしょうか。

ちなみに国産メーカーだとこんな感じ。

  • Dynabook

  • Panasonic

  • 富士通

  • NEC

  • Mouse

  • ドスパラ

Mouseの法人モデルとかも面白そうではあるんですよね。
コンパクトPCとかデザインもいいですし、クリエイター向けPCに外付け水冷ユニットとかいう変態機構を作ってたり、面白い企業さんだとは思います。
(最近は法人向けプロモも頑張ってらっさるようで)

どのメーカー製でも良いのですが、調達するメーカーと機種やモデルは社内で統一または何パターンかに絞っていったほうが良いと思います。
機種を絞れれば、機種固有のトラブルに強くなりますし、サポートの窓口も少なくて済むようになりますし、モデルチェンジでの乗り換え負荷も少なくて済みます。

あ、Microsoftは昔SurfaceProで痛い目を見て懲りました。
法人用途での購入はもうこりごりだよぉ〜。(フェードアウト)


調達を考える

用途やスペックが決まったら、調達を考えましょう。
いろいろな調達方法があるかとは思いますが、PC調達方法はざっくり以下の3パターンあるかと思います。

  • 買い切り購入

  • リース契約

  • レンタル契約

上から順にイニシャルコストが安いです。
そして上から順にメーカー保証が切れた時の全損故障における損失コストが大きいです。
(私が買い切り調達してた当初、試算してみたらそんな結果になったので「ランニング高くなっても、保証ついてるレンタル契約の方がお得っぽいですね」と上司と話し合ってレンタルに変えた思い出)

買い切りは見た目のコストが安くなるのですが、購入直後にメーカー保証範囲外の破損に陥ったり、大体のメーカー保証切れである1年経過後にタイミングを見計らったように全損レベルで壊れたりすると、それだけでリースやレンタルより高くついたりする場合があります。
(20万円前後のお金がポンと無に帰す、と考えたらそれはそうですね…)
心配ならサポート保証とかつけてもらいましょう。

リースやレンタルは動産保険が入ってたりするプランがほとんどだと思うのでトータルコストは高いですが、その分故障時に保証契約の範囲内で修理対応してくれたり、一定期間で強制入れ替えになる(延長しなければ)のでライフサイクルがわかりやすくなったりというメリットもあります。

どれも良し悪しで一長一短なので、組織にとってどのような調達方法が良いのかを考えて選択しましょう。

また、購入の際にも以下のパターンがあります。

  • メーカー直販で購入

  • リセラー(代理店)経由で購入

これも一長一短です。
どちらのパターンでもBtoBであれば担当営業さんがついて窓口になると思います。

リセラーさん経由だとマージンがある分高くなるのでは?とは思われるかもしれませんが、メーカー価格よりも安くなることもあります。
ある程度まとまった数購入すると「出精値引」みたいな形で値引いてくれたりもします。
なんか色々儲けの仕組みがあるんでしょうね。気になりますね。

また、リセラーさんは色んなメーカーの製品を扱っていることが多いので、「こういう用途orスペックで何パターンか提案ください!」ってお願いするとメーカーを横断して色々見積もってくれたりもします。

リセラーさんによっては廃棄や売却も対応してくれたりするので、端末のライフサイクルを考えて一社に調達〜廃棄まで任せる、という選択も取ることができたりします。

直販であれリセラーであれ、頼れて色々話せるパートナーさんとお付き合いするのが良いかな、と思います。
何をするにも人から物を買うことになるので、営業担当さんのお人柄も割と重要だったりしますね。

私は詳しいスペックまで語れる営業さんだと、コロっといっちゃう傾向がありました。

その他いろいろ:選定以外のお話

他のOSの場合は?

MacOSのケース:

Macの強みはMacであることだと思ってます。

  • OSもハードも同じメーカーが作ってる

  • モデルや機種が限られている

  • ハード構成も似通っている

ということは、機種統一しやすく、悩まなくてよく、運用もしやすいということになります。
機種や構成で悩む箇所が少ないのは、管理面ではものすごいアドバンテージになってきます。

あとは職種などの用途別に何パターンかモデルとスペック決めちゃえば、発注の時にも業者さんに「このスペック表の何番を何台くださいな!」って言うだけで済むようになったりします。

なんかサイゼリヤの注文みたいですね。
でもそれくらいには簡便化できる、っていうのはご理解いただけるんでないかなーと思います。

実際にMac運用してみると、Macの運用管理はWinに比べてシンプルでわかりやすいなーやりやすいなーっていうのは体感しました。

M3のMacほしいなぁ。


ChromeOSのケース:

ChromeOSをビジネスで使う、というケースはまだまだ一般的ではないかとは思います。
法人利用はしたことが無いので、以下は私が個人的に触ったChromebookからの感想です。

ハード選定に関してはWindows・Androidと似た印象です。
バリバリビジネスで使いたいならご機嫌スペックのものを選んだほうが良いです。
安いものはとても安く買えるのですが、安いやつはやっぱり使い続けるとモッサリしてきます。
(だったらもうちょっと予算積んでいいスペックのWinを買ったら?という選択も十分取りうる)

WindowsPCとの決定的な違いは、アプリインストールの自由度でしょうか。
ChromeOS自体がクラウド利用をベースとしており、本体ストレージへのアプリインストールもGooglePlayStoreにあるアプリを入れる(あるいはapkを直接入れる)想定です。
そう、Windowsほど自由が効きません。

ただ、だからこそブラウザベースで全てが完結するくらいにオンライン化された環境には刺さると思います。
OSのアプデとか、色々軽い所はすごく軽くていいんですよね。


Linuxのケース:

すまねぇ、Linuxはさっぱりなんだ。
でもUbuntuとかを扱えるような方は、きっとご自身でなんとかできるでしょうから…。


メモリは8GBで十分か?

数年前、2020年前後くらい?は「メモリは8GBで十分」みたいな論調もありましたね。
今ってどうなんでしょうか?

私の個人的な感覚から言うと、8GBはボトムライン(最低限)かなと思ってます。
ほら、ゲームで「動作環境」と「推奨環境」ってあるじゃないですか。アレと同じで「動作環境」の方だと思います。
つまり、「動くけど、快適じゃないかもよ」ってくらいのラインです。

でもそれなりに使えますし、重たい作業をゴリゴリしないんならまだまだアリとは思います。
最近のアプリやブラウザはリッチコンテンツだったりしてメモリも多く食ったりするので、用途によっては「ちょっともたつくなあ」と感じたりもします。

自分が使うなら、という想定だと、

  • 8GB:物足りないかなぁ(自分では使いたくない)

  • 16GB:困らないくらいには快適

  • 32GB:やったぜごきげんだぁ

  • 64GB:使い切る自信がないや

という感じです。

標準で積めるなら16GB積んじゃえば困ることはあまり無いと思いますが、重く無い作業なら8GB+SSDの構成でもまぁ大丈夫、という感じです。
無論、これらのラインは仕事内容次第ですし、判断を下すのはこれを読んでる貴方自身です。
8GBじゃ当然仕事にならない、というケースはあるので、そこはご自身で実際に確認してくださいね。

CPU(チップ)などとの組み合わせで変わったりもするのですが、大体の目安としては上記の通りです。
正直、体感です。

ライフサイクルはどうするの?

調達にも関わってくるのですが、端末のライフサイクル(調達〜廃棄までの一連のサイクル)も選定に関わる一つの要素になってきますね。

情シス業務の大体がそうなのですが、買ったり導入しておしまいではなく「運用が本番」ですし、「終息や乗り換え」も意識するのは大事なことかと思います。

PCは道具なので、当然寿命があります。
形あるものはいずれ壊れます。
なのであらかじめ壊れる、使えなくなる前提で管理していく必要がありますね。

一般的には3年くらいで交換するケースが多いように思います。

こちらは古い記事ですが、4年経過した際の故障率は高いよ、というデータを提示しています。
「いや、これってマイクロソフトがWin7から10への移行を促すための記事でしょ?」と言われたらそうなのですが、一方で経年劣化による故障率、パフォーマンス低下、スペックの陳腐化などは現実とそう乖離してない感じです。

経験上「PCの調子が悪くて…」と言ってくるユーザーさんの大体が貸与後3年くらい経過した方です。
(端末固有の不具合が多発したとか、外れロット引いちゃった、とかでもっとタイミングが早まることもあります
なので、予防交換も踏まえたライフサイクル管理と調達、廃棄計画を立てていきたいものですね。

たまに「壊れるまで使おう」という意見もあったりすると思うのですが、大体のケースにおいて「壊れてから交換」ではコストや機会など、色んな損失が大きくなるパターンに陥ります。

PC買い替えたいんだけどの相談

たまーにあるやつ。
プライベートな相談で「PC買い替えたいけどどんなのがいいの?」というやつ。

人によっては好き嫌いが分かれるとは思うのですが、私は割と好きです。
理由はいろいろですが、良い練習台になる&購入における責任が無いことが大きいです。(もちろん相談相手との関係性によると思います)

得られる情報も色々あると思います。
一般的な消費者の感覚や、プライベートにおけるPCのウェイト、予算感など、ITを生業にしてない人ってこういうふうに考えるんだ、という情報は絶対自分では得られない情報なので…。
(情シスの予算感と一般ユーザーの予算感はだいぶ違う、という認識が得られる貴重なケースだと思ってます)

モデルケース

私が実際に選んだやつとかを載せときます。
参考になるかは分かりませんが、こういうのもあるんだなぁ、くらいで。

地方非IT企業のオールラウンダーとして選んだやつ

やあ、オイラはDragonfly大好きマンさ!!!!!

リセラーさんが使ってるのを見て、「カッケー!これほしー!!」と思ったので採用しました。
…いや、見た目も重要な要素だと思うんスよ。

よいところ:かっこいい、軽い、頑丈、プライバシースクリーン標準搭載、コンバーチブル
わるいところ:ポートの位置に若干難あり、謎のキーボード割れトラブル

もちろんスペックも機能も良い感じです。

アクセサリーとしてこのディスプレイと、

このへんの安物キーボードや安物マウスをつけて、

ワンセットで配ってました。

導入当時はコロナ禍の真っ最中で、常に誰かしら罹患してたりして出社停止、臨時的テレワークが全社規模で頻発していたので、一時的に持ち出して仕事ができるコンパクトな端末は重宝しました。

構成はCPU:core-i5/RAM:8GB/SSD:256GBでした。
メモリ少なめですが、業務的にも、立ち上げるアプリの負荷的にもそれくらいでOKと判断したためです。
個人に貸与する機種はなるべくこれに寄せて、管理しやすくしてました。
無印とG2の謎のキーボード割れに泣かされたりもしました。

ついでに共用PCとして以下のものも選定したりしてました。

デスクに据え置いて使用する用途に向いた機体です。
最大のメリットは圧倒的な容積の小ささ。
拡張性を一切必要としない用途では、コンパクトで圧迫感のないマイクロデスクトップはとても良い感じでした。

ITベンチャー企業の標準Win機として選んだやつ

こっちはMac主体の組織で、経理さんとかが「どうしてもWindowsアプリがいるんだ!」ってことで選定した機種です。
銀行系、金融系はどうしても対応サービスがWindowsアプリしかない、っていうシーンがよくありますよね…。

組織が原則リモートワーク勤務ということなので「置く場所を問わない、持ち運びも容易」ということを主眼に選定してます。
周辺環境に関しては在宅勤務手当が出てるので、その中から捻出して整備してよね、という形にしています。

よいところ:本体重量が1kg切って軽い、パーツや機能が無難にまとまっている
わるいところ:充電がType-Cじゃなくて専用アダプター必要なところ

構成はCPU:Ryzen5/RAM:16GB/SSD:256です。

やっぱ軽いは正義ですね。
リモートワーカーがオフサイトミーティングで集まるにはこういう機種のほうが何かと都合が良いです。


ここまで書いてきて全部HPやん!ってなりました。
回し者じゃないっす。お金とかもらってないです。
リセラーさんの提案の中から良さげなものをチョイスしたら何故かこうなりました。

ただ、HPさんは海外製法人向けモデルとしては珍しく、自社製のプリインストールアプリ盛り盛りの状態で出荷してくるので、そこはもうちょっと何とかならないかなーとは思います。
初期導入時にWolfSecurityがネット経由でDLしたドキュメントファイルを全部ブロックしてくれよったので、次回から「まず最初にWolfSecurityをアンインストールするスクリプト」を組んだりしました。

おわりに

なんか選定以外の事もだいぶ書いてしまいました!

ただ、私は選定するにしても、「スペックや細かいパーツがどうこう」というよりも「安定して調達できて、管理もしやすく、安心して運用していけるやつ」という点を重視してます。
そのためにはマシン以外の環境にも目を配ることは大事かなーと思います。

一度導入したら年単位のスパンで付き合っていく物を選ぶんだなぁ、という気持ちでいたら、どういうものをチョイスしたらいいのかは何となく分かってきそうですね。

参考になるやらならないやら、とは思いますが、こうした考えもあるんだなぁくらいに見てもらえたらありがたいです。

組織におけるPCは、ITのインフラの一部ですし、投資可能な範囲内で良いものを選んであげたらそれはそのままわかりやすく社員のパフォーマンス向上に一役買ってくれます。

「そんな装備で大丈夫か?」
と言われたら、迷うことなく
「一番いいのを頼む(予算内で)」
と答えられれば、それに越したことはありませんね。


あとはアレです、好み!
もうね、悩んだら最終ジャッジは好みでいっすよ!!!
割と大事だと思います、好み。

だってそのデバイスの面倒見るの、結局自分じゃないですか。
なら、面倒見てて楽しいヤツとか気に入ってるヤツのほうがテンション上がるじゃないですか。
DragonflyG4カッケー!!でもスレートブルーより無印のドラゴンフライブルーの方が色味がよかったーーー!!!とか考えながら選ぶのでいいと思います。

というわけで、最後の最後に意識するポイントは、焼肉のタレと同じで結局好み。

みなさんも「これいいな!使いたいな!!使ってほしいな!!!」って思えるデバイスを、選んで、見つけてみてくださいね〜!


〜おしまい〜


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