『風』

監督:ヴィクトル・シェストレム

差し替えられたはずのラストだが、個人的にはめちゃくちゃ良かった。主人公を苦しめていた風が味方になるところの良さ。キスを阻んでいたはずの風は最後、むしろ愛の情動を強調する舞台装置として機能する。フラーの映画とか『大雷雨』とか、キスした瞬間にドアがバカみたいに強く開くの好き。埋めたはずの死体が風で露わになるシーンが怖すぎる。リリアン・ギッシュの顔芸は素晴らしいけど、あんな距離感で夫に接されたら奥さんも殺したくなるよ。

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