『私の殺した男』

監督:エルンスト・ルビッチ

中盤寝てしまったが、なんだかとてもいい映画だったんじゃないかという気がしている。ドアの開閉はいつものルビッチ節だし、いまいち盛り上がりきらないのもルビッチなんだが、『天使』のような省略がラスト効いている。カメラはピアノの鍵を開ける彼女を捉えながらも、あくまで老夫婦を中心に据える。そしてバイオリンとピアノの音が重なる。老夫婦の幸せそうな顔を映しながらも、一生償いきれない罪を負った主人公の顔を映さないことが残酷だと思う。確かに反戦映画だ。

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