『真夜中のカーボーイ』

監督:ジョン・シュレシンジャー

『オールド・ジョイ』や『ファースト・カウ』の元ネタのような映画。やっぱり泣いた。カウボーイはマチズモの象徴であり、その幻想を抱えたジョーがニューヨークに行く。しかし社会の抑圧が常にあり、その中でダスティン・ホフマンとの結びつきがある。最後のバス、果たして死者を終点まで乗せることは正解なのか、周りからの視線に晒されて居心地が悪そうなジョーの姿が辛い。カウボーイハットを捨てるという選択、それが生きることでありながら、この居心地の悪さに耐えることもやはり、生きるということなのかもしれない。脇役も全員ちゃんとしていて、映画館に一緒に行った男の子の顔なんて忘れられない。個人的にはダスティン・ホフマンの病気の演技よりもジョン・ヴォイトのどこか弱々しさが感じられる演技の方が好きだった。

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