『人生の乞食』

監督:ウィリアム・A・ウェルマン

冒頭から多重露光や視線など分かりやすい映画技法が続いて楽しい。二人とも人生において何かを求めていて、そこにオクラホマ・レッドが加わることで客体化され、彼ら自身がすでに満たされていることがわかる。そしてオクラホマ・レッドもそんな彼らに己を捧げることで自分の人生を満たす、ということなのだろうか。用意してあげた女性服が趣味丸出しなのが微笑ましいし、一回去ったのにしれっとまた顔を出す厚かましさも愛らしい。個人的に恋愛映画って、自分に恋愛経験がないからなんだろうけど、二人が結ばれるまでは面白く見れるのに、徐々にすれ違い始めるとどうもかったるいな、なんて思ってしまうところがある。でもこの映画は序盤の瑞々しさのあと、後半はオクラホマに焦点が当たるからうまくこの問題を回避してくれたのが個人的に良かった。密室劇やスペクタクル、コメディが存分に詰め込まれていて楽しい映画だった。この次に見た『ちょび髭大将』は20分ぐらい重要なシーンで寝落ちしたため感想が書けない。

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