『エドワールとキャロリーヌ』

監督:ジャック・ベッケル

スクリューボールコメディに近い会話の応酬、反目の中にこそ愛があり、最後のベッドでそれが結実する構成は『或る夜の出来事』に近いものがある。俳優の動きに合わせたパンで目まぐるしく展開が入れ替わるのが見ていて楽しい。ホックを止めること、ラジオを止めること、ベットの下に物を隠すこと、反復と差異が二人のズレと一致を語る。夫がピアノを弾いている途中で妻がドアを蹴破ってきてビンタでもしてくれたら面白かったなと思った。叔父の家と二人の家の往復で進む物語が、最後に二人の家の窓から外へと伸びていくのもいい。

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