『ヒズ・ガール・フライデー』

監督:ハワード・ホークス

音楽みたいな映画。内容についていけなくなっても、話す人物たちの声をぼんやり聞くだけでも楽しい。ホークスの映画は常に、俳優が与えられた役割をどれだけ早くこなせるか、ということを実践していて、それが小気味良さにつながっている。女、カバンを投げる、男、それをしゃがんで避けて電話をかけてすぐ話し始める、とか。さようならを言った次の瞬間に銃声が鳴り全員同時にしゃがむ、とか。相手が言った台詞を吟味して発言するのではなく、相手がこの台詞を言ったら反射的にこれを言う、みたいな。映画全体がシステマチックに動いていて、身を任せるのが楽しい。

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