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「やらないことを決める」とはどういうことか、ようやく理解できた話


はじめに

こんにちは。
株式会社エイチームコマーステックの望月と申します。

株式会社エイチームコマーステックは、名古屋に本社がある株式会社エイチームのグループ会社で、私は代表を務めています。

私は社会人経験20年以上となかなかのベテランになってきましたが、3年前に設立されたばかりの若い会社で経営デビューし、日々奮闘中です。

そんな経営者として未熟な私が、成長するために様々なインプットや思考を繰り返す中で、気づいたことや分かったことなどを発信するnoteを毎月書いています。

何を伝える記事か

20代のころから、「目標は明確に決めたほうが達成しやすい」と教わってきましたが、恥ずかしいことに達成できたことがありませんでした。

30代になっても状況は変わらないため上司や先輩に相談すると、ほぼ全ての方から「望月は詰め込みすぎなんだよ。やらないことを決めたら?」とアドバイスを頂きましたが、それをやってみてもうまくいきませんでした。

そんな私が40代のある日に、ふと「やらないことを決める」には「やらなくてもいい状態を作るための努力」が必要なのではないかと気づきました。

それに気づいてから状況は一変し、仕事でもプライベートでも、それまでの苦労が嘘のように設定した目標を自分の意志に沿って達成できるようになりました。

この記事では、過去の私と同じように「目標は決めるけど、忙しすぎて達成できない」と感じている方に、私の気づきや取り組みを紹介するものです。

万人の課題を解決できるものではなく、特に30代後半から40代のビジネスパーソンで、同じような悩みを持っている方のヒントになればと思って書いています。

やらないことの難しさ

意識できているかは別として、やりたいこと、ほしいもの、なりたい姿など目標の元となる欲求は人間なら誰しも持っているのではないでしょうか。
そのため、目標を言語化すること自体の難易度はそこまで高くなく、私の周囲でも20代のうちには目標設定が習慣化できている人が多いように感じます。

一方で、目標を言語化しても、毎日がやるべきことで溢れすぎていると、なかなか手が回らなかったり頭が使えなかったりで、あっという間に時間が過ぎてしまったという経験はありませんか?

私がはまってしまった落とし穴はまさにそれでした。

冒頭でも紹介したとおり、やらないことを決めればいいというアドバイスを受けて実際にやってみましたが、私の中で決めただけでは周囲から求められるものが変わらないので、やめられないという結果に終わりました。

今になって冷静に考えればわかることですが、目標を決める時点では関係者が自分一人なので100%自身でコントロールできますが、やめるときには多かれ少なかれ関係者がいるため、自分の決心だけでは必要な条件を満たさなかったのです。

簡単にはやめられない

私の一番の間違いは、やめると決めるだけで簡単にやめられると思っていたことでした。

しかし、それまで発生していた仕事は、やめると決めたところでその後も発生し続けますし、強引にやめてしまうと関係者にしわ寄せがいって迷惑をかけてしまう可能性さえあります。

30代までの私は、その壁にぶつかるたびに、やめられない仕事をそれまでどおり続けるという道を選んでしまっていました。

上司や先輩が教えてくれたアドバイスをなぜ私は生かせないのか?

もんもんとしたまま40代に突入したある日、「やらない」という言葉の意味は、「捨てる」ではなく「やらなくていい状態をつくる」のではないかと思いつきました。

この気付きまでかなり時間がかかってしまった背景には、やらなくていい状態をつくろうとすると、新たにパワーをかけるタスクが増えることになり、「やらない」ことを捨てることだと考えていた私にとっては、最初から選ぶ選択肢として扱っていなかったのです。

そのように考えた私が、最初に取り組んだ具体的な事例を紹介しておきます。

残業ゼロ

私はもともと、体力に自信のあるほうではなかったのですが、30代までは朝早くから終電(時には電車がなくなった深夜)までがむしゃらに働いていました。

ただでさえやることが溢れ溺れてしまって目標に取り組めない状態のところに、40代に入って体力や集中力の低下を感じ始めたため、いよいよやらないことを決める必要性が高まってきました。

そこで当時の私は、負のループを断ち切り、やるべきことに時間や頭を使うために「18時以降は働かない」とやらないことを決めました。

ただ、決めただけでは効果が出ないことを過去の経験から学んでいたため、今回はやらなくていい状態を作るために必要な努力をしようと考えて取り組みました。

まず、平日18時以降にやっている仕事を振り返ると、大半が日中に入っていた会議やその日に終わらせようとしていたタスクの残務であることがわかりました。
つまり、その日の仕事の後始末に追われていたのです。

その結果を受けて、まず体力が回復し頭もすっきりしている日曜の朝に翌週の予定を確認し、事前準備をすることにしました。

会議であれば、議題の整理や自分の意見をあらかじめドキュメントに起こし、タスクは思考が必要なものと作業するだけで終わるものに分けて、日曜のあいだにある程度思考をまとめておく、というのを実践しました。

会議もタスクも、十分に考え抜かれた状態で月曜日の朝を迎えれば、あとは手を動かすだけなので、仕事にかかる時間はかなりスリムになります。
また、思考する余裕がある分、イレギュラーが起こった際の判断にそこまで時間をかけず正確に対応できるという恩恵も受けることができました。

結果、平日の18時以降に仕事をする必要はほぼなくなり、やらなくていい状態を作ることができました。

※休みの日に仕事することを推奨しているわけではありません

最後に

この記事では、「やらないことを決める」ことの効果は、「やらなくてもいい状態をつくる」ことで発揮されるとお伝えしてきましたが、30代前半までのビジネスパーソンにはおすすめしていません。

なぜなら、それまでは自身のキャパシティが広がる可能性を持っているからです。

記事内でも言及したとおり、やらなくてもいい状態を作るにしても、一定の手間や努力は必要です。
ターゲットが30代後半から40代なのは、肉体的なピークを迎えているため、増やすよりも絞る選択のほうが効果を生みやすいためです。

一方でそれまでの年齢では、努力をすればキャパシティが広がるのに対し、絞り込むにしては自身の強みが定まっていない人が多いように思います。
つまり、やめることより手に入れることのほうがコスパがいいということです。

やらないことを決め、絞り込むことで効果を最大限発揮できる日を迎えるためにも、月並みですが若いうちはがむしゃらに経験を積み重ねることをおすすめします。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


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