書けなくなった人

新社会人(入社21ヶ月目)によるアドベントカレンダー13日目。

2023年2月(入社11ヶ月目)の本はこちら。

といきたいところですが、2月は毎日泣きながら電車に乗ってました。

ということで、番外編です。
自分にとって書くことについて。

就職してから、自分のために文章を書かなくなった。

大学3年までは日記魔で、あれやこれやと文章を書いていた。大学4年の時、就職活動やものを書くアルバイトを経験し、書くことが嫌になった。人のための言葉によって、自分の言葉の体系が失われたと思ったからだ。

就職してからも、書くものがわたしにとって真実でない状態が続いている。ずっと宙に浮いた言葉が回っていて、一文書くと次に進めない。

日記やエッセイの類は、分裂と統合のリズムによって進む。わたしの書いた文章をわたしが読み、次の行き先を決める。書くわたしと読むわたしが分かれたりくっついたりしながら、文章は糸車のようにカラカラ進む。

乾いた糸のイメージが生成りのやわらかいイメージをもち、ゆるやかに伸びていくその先に、光あるいは針の先があって、次の言葉があるのだけれど、もうそこは自分の領分ではない。

文章を書くことは、自分にとって、頭の中の濁り絵を転写する行為だった。水に絵具を垂らして紙に吸着させる行為があるが、あれと同じである。ずっと頭の中に絵の具が漂っていては疲れるので、代わりに言葉を吐いていた。

今はもう濁り絵が見えない。

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